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第二章 シルフェリアとの別れとイリスの覚悟
外伝!「黒龍ラザフォードとマッドサイエンティスト」その1
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イリス達と共にラーデンブルク公国に到着した、黒龍王ラザフォード。
魔法の師匠でもあるラーデンブルク公国の公爵、クレア・ラーデンブルクに挨拶をしに行こうと龍騎士隊イリス共にクレアが居る公爵邸に赴いた。
「しかし本当に良く来てくれたラザフォードよ。
うむ、「人化の方」も上達しておるな、「鑑定」の魔法でも使わん限り、お主が龍種だとは誰も思わんだろうて」
これは残念ながらラザフォードに龍種としてのオーラが少ないせいだとも言える。
先代の黒龍王は凶暴凶悪で10km先にまで闘気を撒き散らしていたのだがラザフォードには闘気すら無いのだ。
いや、正確には闘気を出すのが嫌いなのだ、平和主義者なので。
知らない人の為に彼女の説明すると、黒龍王ラザフォードはガイヤ・・・地球はアメリカ合衆国産まれのアメリカ合衆国育ちの金髪碧眼のペンシルバニアっ娘だった。
本当の名前は「メアリー」でラザフォードは芸名だ。
アメリカ国内ではかなり売れていたロック歌手で海外進出まで視野に入れて活動したいたのだがツアーの最中にワゴン車と大型トレーラーの正面衝突の交通事故に会い敢え無く事故死してしまう。
どうやらラザフォード側の運転手が居眠りをしてしまった様だ。
ラザフォードも居眠りしていた時のほぼ即死で痛みも全く無く、自分が死んだ事にも気が付かなかったのは幸いだったのか?・・・いや、幸いじゃ無いな。
「「はっ??!!」」
長い眠りから目が覚めた彼女は一人知らない世界の荒野にポツンと立っていた・・・
のでは無く、既に黒龍王として断崖絶壁の岩山の上で寝ていたのだ。
しかも身体の様子がおかしい!キョロキョロと自分の身体を見回す。
肌が黒い!いや!肌じゃない鱗?!だ!
お尻にも妙な感触が?!意識を向けるとブォンと音を立てて何かが岩に当たり、
ドゴオオオンンン!!と岩を砕いてしまった?!
しかも何かが痛い!そのブォンは自分の身体の一部だと理解出来た。
そして下を見下ろして・・・
「「きゃあああああああ?!高いー?!何?!何これーーーー?!」」
思わず絶叫したラザフォード、朝起きたらいきなり断崖絶壁の上・・・そりゃ怖い。
当然ながら大パニックの彼女だが朧気ながら今までの記憶が蘇って来た。
確か自分は炎竜として産まれ群れの中で成長したはずだ。
500年ほどは何事も無く、この地域の食物連鎖の頂点として何不自由なく仲間達と楽しく過ごしていたが、ある日突然、黒龍王に襲撃されたのだ!
いきなりの最高位存在の襲撃だったが炎竜達とて魔物の最高位存在、果敢に黒龍王と戦った・・・
かなりの仲間が倒れたが数の暴力で黒龍王を追い込む!
ここまで来ると普通なら襲撃者は撤退するのだが黒龍王は引かない!何やら焦燥感に突き動かされて突撃して来る!
実は死期が近くなった黒龍王は「後継者」を探していたのだ。
自分を倒した者に全ての力を譲渡する・・・そんな理由で襲撃された方は堪ったモンじゃない!
何て傍迷惑なヤツだろうか。
おや?何処ぞで産まれたばかりの土竜がクシャミをした様に感じたが気のせいか?
そんな事など知らない炎竜達は自分達を守る為にもう必死だ。
ラザフォードも群れを守る為に仲間達に混ざって奮戦した。
ラザフォードは最早ボロボロの死に体の黒龍王の喉元に思い切り噛み付く!
「「帰れーーーーーー!!」」
そう心で絶叫しながら顎に全ての力を込めた!
ビキビキ!!グチャア!!と不快な音を立てながら見事に黒龍王の喉笛を噛み切ったラザフォード。
黒龍王の血が大量に口の中に入り窒息しそうになって思わず飲み込んでしまう。
すると・・・
《見事だ・・・我を殺した者よ我の力を其方に託そう・・・》
そんな声が聞こえた瞬間にラザフォードは意識を失う。
そして目が覚めたら断崖絶壁の上に居た訳だ。
おそらくだがラザフォードは黒龍王の身体に取り込まれ一旦魔力の渦と化して空中を漂い岩山の上で身体が再構築されたと思われる。
その再構築の過程で前世の人間だった頃の記憶も復活したのだろう。
そこまで記憶を思い出してラザフォードは叫んだ。
「「だから何でドラゴンなのーーーー?!」」
ラザフォードも暇な時、日本のアニメやラノベ小説の英語版などを結構見ていた。
その中でもラザフォードは悪役令嬢モノやザマァー!系が好きだった。
日本の小説を読むキッカケは当時日本の有名な悪役令嬢モノの小説がアニメ化されていて、それをスタッフがタブレットを使い休憩時間に鑑賞していた時に流れて来た主題歌が気に入ったからだ。
「何これー?あはははは、無い無い、あはははは、面白ーい」
冴えなかった前世の自分が美人に転生して物語の主人公になる、そんな普通では、
あり得ない物語を読んで笑っていた自分・・・
最初こそ馬鹿馬鹿しいと思っていたが暇潰しに読むとこれが面白い。
アメリカ人には無い感性で興味深い。
すっかりとハマってしまったと言う訳だ。
そんな少しオタク気味の彼女だったので転生と言う概念を案外すんなりと受け入れて思う。
「「なぜにドラゴン?!」」と・・・
「「普通は貴族令嬢とかじゃないの?!ドラゴンは無いでしょう?!だってドラゴンだよ?!神様酷くない?!」」
そんな感じにしきりに独り文句を言っていたラザフォードだったが独りで文句を言っていてもメッチャ不毛なので止めた。
そして自分をこの状況に追い込んだ犯人を思い浮かべる。
「「あの黒龍王!絶対に許すまじ!!」」
ラザフォードがその元黒龍王との再会を果たすのは、このシリーズでの後半です。
かなりの大騒ぎになります。
炎竜時代の記憶も戻り空を飛べる事も思い出したので断崖絶壁に居る状況も別に怖く無くなったのでこれからどうしよう?と考える。
先ず炎竜の記憶を頼りに自分の身体を確認する。
「強い・・・」
異常なまでに強くなった自分の身体に眩暈を覚えるラザフォードであった。
魔法の師匠でもあるラーデンブルク公国の公爵、クレア・ラーデンブルクに挨拶をしに行こうと龍騎士隊イリス共にクレアが居る公爵邸に赴いた。
「しかし本当に良く来てくれたラザフォードよ。
うむ、「人化の方」も上達しておるな、「鑑定」の魔法でも使わん限り、お主が龍種だとは誰も思わんだろうて」
これは残念ながらラザフォードに龍種としてのオーラが少ないせいだとも言える。
先代の黒龍王は凶暴凶悪で10km先にまで闘気を撒き散らしていたのだがラザフォードには闘気すら無いのだ。
いや、正確には闘気を出すのが嫌いなのだ、平和主義者なので。
知らない人の為に彼女の説明すると、黒龍王ラザフォードはガイヤ・・・地球はアメリカ合衆国産まれのアメリカ合衆国育ちの金髪碧眼のペンシルバニアっ娘だった。
本当の名前は「メアリー」でラザフォードは芸名だ。
アメリカ国内ではかなり売れていたロック歌手で海外進出まで視野に入れて活動したいたのだがツアーの最中にワゴン車と大型トレーラーの正面衝突の交通事故に会い敢え無く事故死してしまう。
どうやらラザフォード側の運転手が居眠りをしてしまった様だ。
ラザフォードも居眠りしていた時のほぼ即死で痛みも全く無く、自分が死んだ事にも気が付かなかったのは幸いだったのか?・・・いや、幸いじゃ無いな。
「「はっ??!!」」
長い眠りから目が覚めた彼女は一人知らない世界の荒野にポツンと立っていた・・・
のでは無く、既に黒龍王として断崖絶壁の岩山の上で寝ていたのだ。
しかも身体の様子がおかしい!キョロキョロと自分の身体を見回す。
肌が黒い!いや!肌じゃない鱗?!だ!
お尻にも妙な感触が?!意識を向けるとブォンと音を立てて何かが岩に当たり、
ドゴオオオンンン!!と岩を砕いてしまった?!
しかも何かが痛い!そのブォンは自分の身体の一部だと理解出来た。
そして下を見下ろして・・・
「「きゃあああああああ?!高いー?!何?!何これーーーー?!」」
思わず絶叫したラザフォード、朝起きたらいきなり断崖絶壁の上・・・そりゃ怖い。
当然ながら大パニックの彼女だが朧気ながら今までの記憶が蘇って来た。
確か自分は炎竜として産まれ群れの中で成長したはずだ。
500年ほどは何事も無く、この地域の食物連鎖の頂点として何不自由なく仲間達と楽しく過ごしていたが、ある日突然、黒龍王に襲撃されたのだ!
いきなりの最高位存在の襲撃だったが炎竜達とて魔物の最高位存在、果敢に黒龍王と戦った・・・
かなりの仲間が倒れたが数の暴力で黒龍王を追い込む!
ここまで来ると普通なら襲撃者は撤退するのだが黒龍王は引かない!何やら焦燥感に突き動かされて突撃して来る!
実は死期が近くなった黒龍王は「後継者」を探していたのだ。
自分を倒した者に全ての力を譲渡する・・・そんな理由で襲撃された方は堪ったモンじゃない!
何て傍迷惑なヤツだろうか。
おや?何処ぞで産まれたばかりの土竜がクシャミをした様に感じたが気のせいか?
そんな事など知らない炎竜達は自分達を守る為にもう必死だ。
ラザフォードも群れを守る為に仲間達に混ざって奮戦した。
ラザフォードは最早ボロボロの死に体の黒龍王の喉元に思い切り噛み付く!
「「帰れーーーーーー!!」」
そう心で絶叫しながら顎に全ての力を込めた!
ビキビキ!!グチャア!!と不快な音を立てながら見事に黒龍王の喉笛を噛み切ったラザフォード。
黒龍王の血が大量に口の中に入り窒息しそうになって思わず飲み込んでしまう。
すると・・・
《見事だ・・・我を殺した者よ我の力を其方に託そう・・・》
そんな声が聞こえた瞬間にラザフォードは意識を失う。
そして目が覚めたら断崖絶壁の上に居た訳だ。
おそらくだがラザフォードは黒龍王の身体に取り込まれ一旦魔力の渦と化して空中を漂い岩山の上で身体が再構築されたと思われる。
その再構築の過程で前世の人間だった頃の記憶も復活したのだろう。
そこまで記憶を思い出してラザフォードは叫んだ。
「「だから何でドラゴンなのーーーー?!」」
ラザフォードも暇な時、日本のアニメやラノベ小説の英語版などを結構見ていた。
その中でもラザフォードは悪役令嬢モノやザマァー!系が好きだった。
日本の小説を読むキッカケは当時日本の有名な悪役令嬢モノの小説がアニメ化されていて、それをスタッフがタブレットを使い休憩時間に鑑賞していた時に流れて来た主題歌が気に入ったからだ。
「何これー?あはははは、無い無い、あはははは、面白ーい」
冴えなかった前世の自分が美人に転生して物語の主人公になる、そんな普通では、
あり得ない物語を読んで笑っていた自分・・・
最初こそ馬鹿馬鹿しいと思っていたが暇潰しに読むとこれが面白い。
アメリカ人には無い感性で興味深い。
すっかりとハマってしまったと言う訳だ。
そんな少しオタク気味の彼女だったので転生と言う概念を案外すんなりと受け入れて思う。
「「なぜにドラゴン?!」」と・・・
「「普通は貴族令嬢とかじゃないの?!ドラゴンは無いでしょう?!だってドラゴンだよ?!神様酷くない?!」」
そんな感じにしきりに独り文句を言っていたラザフォードだったが独りで文句を言っていてもメッチャ不毛なので止めた。
そして自分をこの状況に追い込んだ犯人を思い浮かべる。
「「あの黒龍王!絶対に許すまじ!!」」
ラザフォードがその元黒龍王との再会を果たすのは、このシリーズでの後半です。
かなりの大騒ぎになります。
炎竜時代の記憶も戻り空を飛べる事も思い出したので断崖絶壁に居る状況も別に怖く無くなったのでこれからどうしよう?と考える。
先ず炎竜の記憶を頼りに自分の身体を確認する。
「強い・・・」
異常なまでに強くなった自分の身体に眩暈を覚えるラザフォードであった。
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