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第二章 シルフェリアとの別れとイリスの覚悟

外伝!「黒龍王対決」その4

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「それでどうすれば良いかエリカの考えを聞きたいんだけど・・・」

「今・・・任務中なんですけど?」
突然のブリックリンの軍令部訪問にピシッと軍服を着て手に資料を抱えるエリカが無表情の中でも迷惑そうな顔をする。

「先にイリスに相談したんだけどエリカに聞け!って言われてね・・・はははは」
相談とは言わずもがな朝方のラザフォードの行動と言動についてだ。
幾ら考えても彼女の考えが分からないブリックリンは仲間に相談しに来たのだった。

しかし現在、激烈に忙しいイリスはブリックリンに限らず他の誰かの話しを聞く余裕が無いのでエリカに丸投げしたのだ。

このまま叩き帰すのも可哀想に思ったのかエリカは少し考えて、
「お昼休憩にまた話しを聞きます」とブリックリンに伝えて参謀本部へ向けて歩き去る。
どうやらこれから参謀本部で作戦会議に参加する様子だ、そりゃ迷惑そうな顔されるわな。

龍騎士隊イリスの面々は通常時は万事こんな調子で真面目なので任務中のエリカとイリスは書いていても全然面白く無いのだ。
普段真面目な連中がはっちゃけるから酷いとも言える。

《ならこのままエリカの作戦会議の様子でも書こうか?2話分で5000字くらい行くけど》
物語的に面白く無いから結構です!出て来んな変態!

エリカを見送り自分も仕事に戻るブリックリン、彼のラーデンブルグ軍内の正式な役割は地龍側から派遣されている「観戦武官」だ。

いや観戦武官って何?と言われると「自分の国が公式に認めた他国からのスパイ」との表現が正しい。

「うちの武官を派遣してオタクの戦争を観戦してオタクの装備や戦術の詳細な情報収集して良いっすか?」と第三国側が通達して来て、

「うん良いよ~、おいで~」と自国が迎い入れる。
本当にこう言う感じで第三国から派遣されて来る武官である。

現在この制度を復活させて積極的に観戦武官を招いているのがウクライナである。

日本の観戦武官絡みで有名な話しは、日露戦争での日本海海戦の時にアルゼンチンからの観戦武官が旗艦三笠に随伴していた巡洋戦艦に乗艦した話しだろう。

「日進」に乗り込みそのまま開戦、旗艦三笠は作戦上で最初から弾受け、囮役だったので当然バルチック艦隊からの猛砲撃を喰らう。

その三笠に随伴する日進にも猛砲撃が襲い掛かる!
そんな砲撃を掻い潜って最前線で詳細な戦況情報を本国に持って帰った話しが有名だね。

現在回顧録が電子書籍でも売っているので読んで見て下さい、リアル過ぎて面白いですよ。

そんな感じに「アンタ、マジで頭がおかしいんじゃないか?!」と人に言われる程の強い精神力が無いと務まらない役割が観戦武官である。

エリカとの面会までの時間、ブリックリンは自室でラーデンブルグ公国の状況を書類にまとめる。

軍事面はもとより食糧生産能力、鉱物資源、人口分布に至るまで調べられる限りの最新情報を本国(地龍王)へと送る為である。
なのでブリックリンも普段はアホ程に忙しいのだ。

ブリックリンが黙々と作業をしていると自室のドアがノックされる。

「どうぞ」ブリックリンが書類から目を離さず応答するとドアが開かれて、
「ブリックリン大佐、参謀部のエリカ少佐が面会の対応可との事です。
執務室まで御足労頂けるとありがたいと申してます」
参謀部の伝令の兵士が敬礼の後に要件を伝える。

わざわざエリカが出向かずに伝令を使うのは他国の観戦武官と私的目的で会うのでは無いと他にアピールする為である。

「了解しましたとエリカ少佐にお伝え下さい」
いちいち面倒くさいやり取りだが軍とはそう言うモノなので仕方ないのだ。

「エリカの執行室・・・初めて行くよな~」
まあ、友達の職場に好んで行く者は居ないよね。

エリカの執務室へ到着すると入り口のドアは全開にされていた。
「どうぞ自由にお入り下さい」との意思表示だ。

なので遠慮なく入室するブリックリン、エリカの執務室内は典型的な執務室と言った感じで特に言及出来るモノは無い・・・・・・・・・いや!面白くねぇ!ダメだこの話。

エリカは準備された応接席に既に座って書類を読んでいた。
「いらっしゃ~い、座って~」既に疲れてグッタリしているエリカだった。

「・・・・・・・・やっぱり侵攻が近いのかい?」

現在、ラーデンブルク公国は中央大陸の沿岸国家と海路を巡り係争中だ。
相手国に妥協案を示しても全然応じて来ないのでラーデンブルク公国も戦争をヤル気マンマンになっている。

「そだね、向こうが彼我の力量差を解らないおバカさんだからね、困ったモノね~」

「龍騎士隊イリスに出番はありそう?」

「いつもの様に後方で物資輸送だね」

今回の主役は海軍で空を飛ぶ龍騎士隊イリスは兵站輸送にもってこいなので後方支援らしい。

《この輸送の話し、書きましょうか?3話ほどかかりますが》
小説映えせんから書かんでいい・・・・・・・・つか今日はやけに出て来るな?変態よ。

「それで話しはラザフォードさんの事ね?」

「そうなんだ・・・実は・・・」

今朝の出来事を話すブリックリン、短い話しだったがエリカは思考加速のスキルを使っているのであろう、目を閉じて聞いている。

話しを聞き終えて目を開いたエリカは、
「考えられる事は二つね、一つはラザフォードさんがブリックリンに恋をした。
でも叔父様至上主義のラザフォードさんが優男のブリックリンに恋をすると思えないから多分、この線は無いと思う」

「酷いなぁエリカ」

淡々と分析結果を話し始めるエリカ、
「もう一つはブリックリンに負けているのが悔しいんじゃないかな?
幾らラザフォードさんが全力で攻撃してもアナタって3時間後にはピンピンしてたじゃん?
少しくらいは堪えたフリしても良かったんじゃない?」

「いや・・・充分効いているんですが?」

「それを相手に感じさせて無い時点で失当ね。
今回は過去の行為への謝罪なんだから地べた這いずり回るくらいした方が良かったと思う」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・明日からそうした方が良い?」

「ダメに決まってるでしょ?明らかにワザとらしいモン」

「そっか・・・困ったなぁ・・・」

このエリカの分析はマジで大当たりだった。
殴っても殴っても全然堪えた様子の無いブリックリンにラザフォードは余計にストレスを感じていたのだ。

そして参謀エリカはここから予想外の提案をし始めるのだった。










さて、試しに皆んなの日常をギャグ抜きで詳しく書いて見たですけどどうですか?

「ぜっ・・・全然面白くないわね・・・・・・」

「わ・・・私って普段、こんなにつまらないヤツだったんだ」

「まぁ・・・終日ふざけて遊んでいる軍人なんて居ないよね」

では、次回から通常通りにギャグに戻しますね。

「「「お願いしまっす!!」」」

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