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屋敷への道
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王が乗る馬に土まみれの女が乗っているのは側から見たら奇妙に映った。
歩く度に馬上から土が落ち、地面に落ちていく。
周囲の視線はニコルより私に集中しており、その多さに耐えられなく、馬の首元にしがみつく様に両手を回し、体を押し付ける形になっていった。
「それではロータスに迷惑だろう」
「ロ、ロータス?」
「馬の名だ。今はゆっくりだが、走ればどの馬より早い。いざって時に走れなくては俺を守れないからな。
それより、首から手を離せ」
言われた通りに私は両手を首元から離し、体を持ち上げたが、慣れない馬の振動がお尻に響いてくる。
上下に揺れる体、必死に落ちないようにと目の前にある黒い鬣を両手でしっかりと掴んだ。
しかし、掴む手から聞こえるブチブチ…っという音は鬣を引き抜いているのだろう、何本も手に絡みついてくる。
「慣れないとはいえ、馬の気持ちも考えろ、リース。
それだけ抜けたら痛いに決まってるだろう。……仕方ない」
後ろから私の体を引き、座るニコルを背にした。
「手を鬣から離せ」
ゆっくり鬣から手を離すが、やはり上下に揺れる私の体をニコルは左手をお腹辺りに回し、自分の体と密着させた。
「あっ」
「そのままにしてろ」
密着するニコルの声が私の耳にかかり、くすぐったく、意識するには十分だった。
パカパカと蹄の音を鳴らしながらゆっくりと屋敷に向かっている様だ。
次第に街から離れ、川が流れる道をニコルと私、そして衛兵達だけが歩いていた。
すると、小声でニコルが私に耳打ちをし、こう聞いてきた。
『その能力で何が起こるか想像してみろ』と。
その問いに私は左に振り向こうとした。が、今は馬上。
体を支えられているとはいえ不安定な状態からの振り向きはロータスが驚き、蹄を地面に擦りバランスを崩した。
馬上の二人は体を前方に投げ出されるような格好になるが、ニコルが手綱を掴む右手を素早く引き、ロータスを落ち着かせ事なきを得た。
「急に振り向くな、落ちるぞ」
「すみません!?」
周りの衛兵もバランスを崩したニコルを心配し、群がり始めたが、『大丈夫だ』と言い周りから距離を取らせた。
「想像したなら言ってみろ」
「いえ……」
「それはどれくらい先を見えるんだ?」
私のこの能力は遠い未来までは見えない。
短ければ数秒、どれだけ頑張っても30分程が限界だった。
それに使えば使うほど体に変調をきたす。
如実に現れるのは頭痛と吐き気を伴う気持ち悪さだ。
数秒の時はほとんど無いが、長い時間を見ようとすればするほどその反動が襲ってくる。
限界まで見てしまうとその痛みと吐き気を治すために寝込んでしまい、起き上がるのが困難になる。
「どうした?見えないのか?」
民衆に見せた怒号と態度を知った後では能力を使わずやり過ごすのは得策では無いなと思い、私は能力を使い、先の未来を見た。
見えたのは赤く煉瓦調の円柱がいくつも聳え立つ大きな屋敷。
手入れが施し色とりどりの花が咲く花壇、敷地には池もあり、周りを芝生が敷かれ綺麗に整備されている。
その屋敷で出迎えられた私を一人の老人らしき人が手に持つ黒いステッキで指差してくるシーンを見た。
「はぁ、はぁ……」
呼吸を荒くする私を見て、ニコルは『望まれた客人ではないみたいだな』と言い放った。
歩く度に馬上から土が落ち、地面に落ちていく。
周囲の視線はニコルより私に集中しており、その多さに耐えられなく、馬の首元にしがみつく様に両手を回し、体を押し付ける形になっていった。
「それではロータスに迷惑だろう」
「ロ、ロータス?」
「馬の名だ。今はゆっくりだが、走ればどの馬より早い。いざって時に走れなくては俺を守れないからな。
それより、首から手を離せ」
言われた通りに私は両手を首元から離し、体を持ち上げたが、慣れない馬の振動がお尻に響いてくる。
上下に揺れる体、必死に落ちないようにと目の前にある黒い鬣を両手でしっかりと掴んだ。
しかし、掴む手から聞こえるブチブチ…っという音は鬣を引き抜いているのだろう、何本も手に絡みついてくる。
「慣れないとはいえ、馬の気持ちも考えろ、リース。
それだけ抜けたら痛いに決まってるだろう。……仕方ない」
後ろから私の体を引き、座るニコルを背にした。
「手を鬣から離せ」
ゆっくり鬣から手を離すが、やはり上下に揺れる私の体をニコルは左手をお腹辺りに回し、自分の体と密着させた。
「あっ」
「そのままにしてろ」
密着するニコルの声が私の耳にかかり、くすぐったく、意識するには十分だった。
パカパカと蹄の音を鳴らしながらゆっくりと屋敷に向かっている様だ。
次第に街から離れ、川が流れる道をニコルと私、そして衛兵達だけが歩いていた。
すると、小声でニコルが私に耳打ちをし、こう聞いてきた。
『その能力で何が起こるか想像してみろ』と。
その問いに私は左に振り向こうとした。が、今は馬上。
体を支えられているとはいえ不安定な状態からの振り向きはロータスが驚き、蹄を地面に擦りバランスを崩した。
馬上の二人は体を前方に投げ出されるような格好になるが、ニコルが手綱を掴む右手を素早く引き、ロータスを落ち着かせ事なきを得た。
「急に振り向くな、落ちるぞ」
「すみません!?」
周りの衛兵もバランスを崩したニコルを心配し、群がり始めたが、『大丈夫だ』と言い周りから距離を取らせた。
「想像したなら言ってみろ」
「いえ……」
「それはどれくらい先を見えるんだ?」
私のこの能力は遠い未来までは見えない。
短ければ数秒、どれだけ頑張っても30分程が限界だった。
それに使えば使うほど体に変調をきたす。
如実に現れるのは頭痛と吐き気を伴う気持ち悪さだ。
数秒の時はほとんど無いが、長い時間を見ようとすればするほどその反動が襲ってくる。
限界まで見てしまうとその痛みと吐き気を治すために寝込んでしまい、起き上がるのが困難になる。
「どうした?見えないのか?」
民衆に見せた怒号と態度を知った後では能力を使わずやり過ごすのは得策では無いなと思い、私は能力を使い、先の未来を見た。
見えたのは赤く煉瓦調の円柱がいくつも聳え立つ大きな屋敷。
手入れが施し色とりどりの花が咲く花壇、敷地には池もあり、周りを芝生が敷かれ綺麗に整備されている。
その屋敷で出迎えられた私を一人の老人らしき人が手に持つ黒いステッキで指差してくるシーンを見た。
「はぁ、はぁ……」
呼吸を荒くする私を見て、ニコルは『望まれた客人ではないみたいだな』と言い放った。
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