30 / 68
一線
しおりを挟む
「で?」
「なに、いきなり」
「助けたにも関わらずお礼もないのか?」
「あっ……あ、ありがとう」
毛布にくるまった私は恥ずかしさが込み上げ、より体へと巻きつけていく。
「……まぁ、これでローズの邪魔は入らんから安心しろ」
ニコルは私は目を送る事も近寄る事もせず、ただ窓の方を向きながら話していた。
「ねぇ、ラルフって、誰?」
「知らん、紙に書いてあったから言っただけで、会った事すら無い。
どうせ寝静まった頃を狙い、屋敷へ入れたんだろう」
「そう」
そこまで話した後は無言だった。
次に話す言葉が無く、ただ時間だけが過ぎ去っていた。
だが、立ち疲れたのだろう。
ニコルは椅子を持ち出し、ベッドの近くに置くと座り出した。
「なんでそこに?」
「いかんのか?」
「いや……」
正直、二人きりになった事で私に手を出すのでは警戒していたが、そんな兆候はなく、ただ座り、私を見てくる。
「あまり見ないで欲しいんだけど……。それにもう遅いから休みたい……」
「あぁ、そうだな」
ニコルは椅子から立つと私の部屋を出て行った。
椅子はベット近くに置いたまま。
ニコルが去り、身構えていた私は『はぁ…』と深く息を吐くと、ベットに横になりそのまま眠りについた。
ーーーーーー
あれからローズは大人しく、廊下ですれ違う際は、道を譲るように体を避けてくる。
ただ、目だけは鋭いなと感じ、またいつか来るのだろうと警戒心だけは無くさないようにしていた。
ある日、ニコルからの呼び出しを受け、部屋へと行った。
「あぁ、悪いな」
「なに?」
「これならはまるだろう?」
ニコルの手にはあの指輪があり、以前よりも輪は小さくなっていた。
「サイズ、知らないでしょ」
「いや、多分いいはずだ、付けてみろ」
ニコルから手渡された指輪を私は薬指に入れると第二関節辺りでつっかえた。
「ほら、無理でしょ」
不恰好な状態でニコルに見せると近寄り、グッと力を込め奥へと押し始め、軽い痛みの後、指輪が完全にはまった。
「入っただろ」
はまった指輪を見た私の手を急に取ると、ベットへと引っ張っていった。
「え、ちょっと、まって!?」
「無理だ」
ボフっとお尻から落ちると同時にニコルは私の体の上に覆い被さり、あっという間に両手首を掴み、身動きを封じてきた。
「……我慢の限界だ、リース」
「あ、明るいから……」
「構わん」
拒む私を無視し、キスをしてくる。
「……はっ」
「体は正直なんだな」
顔を紅潮させた私を見て、ニコルはより私を求めるようになっていく。
まだ……真昼間の部屋のベッドで……。
ーーーーーー
一線を超えた私は放心状態だった。
体は横になり、窓に目を向け、そこから見える空を見ていた。
一方、ニコルは私に背を向けベットに座り込んでいた。
「……大丈夫か」
ニコルの気遣いだろう、心配する言葉が少し嬉しいと感じていた。
「なに、いきなり」
「助けたにも関わらずお礼もないのか?」
「あっ……あ、ありがとう」
毛布にくるまった私は恥ずかしさが込み上げ、より体へと巻きつけていく。
「……まぁ、これでローズの邪魔は入らんから安心しろ」
ニコルは私は目を送る事も近寄る事もせず、ただ窓の方を向きながら話していた。
「ねぇ、ラルフって、誰?」
「知らん、紙に書いてあったから言っただけで、会った事すら無い。
どうせ寝静まった頃を狙い、屋敷へ入れたんだろう」
「そう」
そこまで話した後は無言だった。
次に話す言葉が無く、ただ時間だけが過ぎ去っていた。
だが、立ち疲れたのだろう。
ニコルは椅子を持ち出し、ベッドの近くに置くと座り出した。
「なんでそこに?」
「いかんのか?」
「いや……」
正直、二人きりになった事で私に手を出すのでは警戒していたが、そんな兆候はなく、ただ座り、私を見てくる。
「あまり見ないで欲しいんだけど……。それにもう遅いから休みたい……」
「あぁ、そうだな」
ニコルは椅子から立つと私の部屋を出て行った。
椅子はベット近くに置いたまま。
ニコルが去り、身構えていた私は『はぁ…』と深く息を吐くと、ベットに横になりそのまま眠りについた。
ーーーーーー
あれからローズは大人しく、廊下ですれ違う際は、道を譲るように体を避けてくる。
ただ、目だけは鋭いなと感じ、またいつか来るのだろうと警戒心だけは無くさないようにしていた。
ある日、ニコルからの呼び出しを受け、部屋へと行った。
「あぁ、悪いな」
「なに?」
「これならはまるだろう?」
ニコルの手にはあの指輪があり、以前よりも輪は小さくなっていた。
「サイズ、知らないでしょ」
「いや、多分いいはずだ、付けてみろ」
ニコルから手渡された指輪を私は薬指に入れると第二関節辺りでつっかえた。
「ほら、無理でしょ」
不恰好な状態でニコルに見せると近寄り、グッと力を込め奥へと押し始め、軽い痛みの後、指輪が完全にはまった。
「入っただろ」
はまった指輪を見た私の手を急に取ると、ベットへと引っ張っていった。
「え、ちょっと、まって!?」
「無理だ」
ボフっとお尻から落ちると同時にニコルは私の体の上に覆い被さり、あっという間に両手首を掴み、身動きを封じてきた。
「……我慢の限界だ、リース」
「あ、明るいから……」
「構わん」
拒む私を無視し、キスをしてくる。
「……はっ」
「体は正直なんだな」
顔を紅潮させた私を見て、ニコルはより私を求めるようになっていく。
まだ……真昼間の部屋のベッドで……。
ーーーーーー
一線を超えた私は放心状態だった。
体は横になり、窓に目を向け、そこから見える空を見ていた。
一方、ニコルは私に背を向けベットに座り込んでいた。
「……大丈夫か」
ニコルの気遣いだろう、心配する言葉が少し嬉しいと感じていた。
2
あなたにおすすめの小説
元婚約者に捨てられて皇太子に拾われたけど、今さら後悔しても遅いですよ?
exdonuts
恋愛
婚約破棄された日に崖から落ちた。目覚めたら見知らぬ国の皇太子に拾われ、私は皇太子妃候補に。元婚約者は私の死を喜び、新妻と祝杯を挙げていた。だが一年後、国賓として訪れた私は皇太子の腕に抱かれていた。彼の溺愛は国を揺るがすほどで、元婚約者の後悔の叫びなど届かない。ざまぁ、あなたが捨てたこの女が、今世界で一番愛されているのよ。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
殿下の婚約者は、記憶喪失です。
有沢真尋
恋愛
王太子の婚約者である公爵令嬢アメリアは、いつも微笑みの影に疲労を蓄えているように見えた。
王太子リチャードは、アメリアがその献身を止めたら烈火の如く怒り狂うのは想像に難くない。自分の行動にアメリアが口を出すのも絶対に許さない。たとえば結婚前に派手な女遊びはやめて欲しい、という願いでさえも。
たとえ王太子妃になれるとしても、幸せとは無縁そうに見えたアメリア。
彼女は高熱にうなされた後、すべてを忘れてしまっていた。
※ざまあ要素はありません。
※表紙はかんたん表紙メーカーさま
貧乏子爵令嬢ですが、愛人にならないなら家を潰すと脅されました。それは困る!
よーこ
恋愛
図書室での読書が大好きな子爵令嬢。
ところが最近、図書室で騒ぐ令嬢が現れた。
その令嬢の目的は一人の見目の良い伯爵令息で……。
短編です。
【完結】婚約者?勘違いも程々にして下さいませ
リリス
恋愛
公爵令嬢ヤスミーンには侯爵家三男のエグモントと言う婚約者がいた。
先日不慮の事故によりヤスミーンの両親が他界し女公爵として相続を前にエグモントと結婚式を三ヶ月後に控え前倒しで共に住む事となる。
エグモントが公爵家へ引越しした当日何故か彼の隣で、彼の腕に絡みつく様に引っ付いている女が一匹?
「僕の幼馴染で従妹なんだ。身体も弱くて余り外にも出られないんだ。今度僕が公爵になるって言えばね、是が非とも住んでいる所を見てみたいって言うから連れてきたんだよ。いいよねヤスミーンは僕の妻で公爵夫人なのだもん。公爵夫人ともなれば心は海の様に広い人でなければいけないよ」
はて、そこでヤスミーンは思案する。
何時から私が公爵夫人でエグモンドが公爵なのだろうかと。
また病気がちと言う従妹はヤスミーンの許可も取らず堂々と公爵邸で好き勝手に暮らし始める。
最初の間ヤスミーンは静かにその様子を見守っていた。
するとある変化が……。
ゆるふわ設定ざまああり?です。
【完結】精神的に弱い幼馴染を優先する婚約者を捨てたら、彼の兄と結婚することになりました
当麻リコ
恋愛
侯爵令嬢アメリアの婚約者であるミュスカーは、幼馴染みであるリリィばかりを優先する。
リリィは繊細だから僕が支えてあげないといけないのだと、誇らしそうに。
結婚を間近に控え、アメリアは不安だった。
指輪選びや衣装決めにはじまり、結婚に関する大事な話し合いの全てにおいて、ミュスカーはリリィの呼び出しに応じて行ってしまう。
そんな彼を見続けて、とうとうアメリアは彼との結婚生活を諦めた。
けれど正式に婚約の解消を求めてミュスカーの父親に相談すると、少し時間をくれと言って保留にされてしまう。
仕方なく保留を承知した一ヵ月後、国外視察で家を空けていたミュスカーの兄、アーロンが帰ってきてアメリアにこう告げた。
「必ず幸せにすると約束する。どうか俺と結婚して欲しい」
ずっと好きで、けれど他に好きな女性がいるからと諦めていたアーロンからの告白に、アメリアは戸惑いながらも頷くことしか出来なかった。
婚約白紙?上等です!ローゼリアはみんなが思うほど弱くない!
志波 連
恋愛
伯爵令嬢として生まれたローゼリア・ワンドは婚約者であり同じ家で暮らしてきたひとつ年上のアランと隣国から留学してきた王女が恋をしていることを知る。信じ切っていたアランとの未来に決別したローゼリアは、友人たちの支えによって、自分の道をみつけて自立していくのだった。
親たちが子供のためを思い敷いた人生のレールは、子供の自由を奪い苦しめてしまうこともあります。自分を見つめ直し、悩み傷つきながらも自らの手で人生を切り開いていく少女の成長物語です。
本作は小説家になろう及びツギクルにも投稿しています。
王太子に婚約破棄されたけど、私は皇女。幸せになるのは私です。
夢窓(ゆめまど)
恋愛
王太子に婚約破棄された令嬢リリベッタ。
「これで平民に落ちるのかしら?」――そんな周囲の声をよそに、本人は思い出した。
――わたし、皇女なんですけど?
叔父は帝国の皇帝。
昔のクーデターから逃れるため、一時期王国に亡命していた彼女は、
その見返りとして“王太子との婚約”を受け入れていただけだった。
一方的に婚約破棄されたのをきっかけに、
本来の立場――“帝国の皇女”として戻ることに決めました。
さようなら、情けない王太子。
これからは、自由に、愛されて、幸せになりますわ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる