全てを失った私を救ったのは…

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「で?」
「なに、いきなり」
「助けたにも関わらずお礼もないのか?」
「あっ……あ、ありがとう」

毛布にくるまった私は恥ずかしさが込み上げ、より体へと巻きつけていく。

「……まぁ、これでローズの邪魔は入らんから安心しろ」

ニコルは私は目を送る事も近寄る事もせず、ただ窓の方を向きながら話していた。

「ねぇ、ラルフって、誰?」
「知らん、紙に書いてあったから言っただけで、会った事すら無い。
どうせ寝静まった頃を狙い、屋敷へ入れたんだろう」
「そう」

そこまで話した後は無言だった。
次に話す言葉が無く、ただ時間だけが過ぎ去っていた。
だが、立ち疲れたのだろう。
ニコルは椅子を持ち出し、ベッドの近くに置くと座り出した。

「なんでそこに?」
「いかんのか?」
「いや……」

正直、二人きりになった事で私に手を出すのでは警戒していたが、そんな兆候はなく、ただ座り、私を見てくる。

「あまり見ないで欲しいんだけど……。それにもう遅いから休みたい……」
「あぁ、そうだな」

ニコルは椅子から立つと私の部屋を出て行った。
椅子はベット近くに置いたまま。

ニコルが去り、身構えていた私は『はぁ…』と深く息を吐くと、ベットに横になりそのまま眠りについた。


ーーーーーー


あれからローズは大人しく、廊下ですれ違う際は、道を譲るように体を避けてくる。
ただ、目だけは鋭いなと感じ、またいつか来るのだろうと警戒心だけは無くさないようにしていた。


ある日、ニコルからの呼び出しを受け、部屋へと行った。

「あぁ、悪いな」
「なに?」
「これならはまるだろう?」

ニコルの手にはあの指輪があり、以前よりも輪は小さくなっていた。

「サイズ、知らないでしょ」
「いや、多分いいはずだ、付けてみろ」

ニコルから手渡された指輪を私は薬指に入れると第二関節辺りでつっかえた。

「ほら、無理でしょ」

不恰好な状態でニコルに見せると近寄り、グッと力を込め奥へと押し始め、軽い痛みの後、指輪が完全にはまった。

「入っただろ」

はまった指輪を見た私の手を急に取ると、ベットへと引っ張っていった。

「え、ちょっと、まって!?」
「無理だ」

ボフっとお尻から落ちると同時にニコルは私の体の上に覆い被さり、あっという間に両手首を掴み、身動きを封じてきた。

「……我慢の限界だ、リース」
「あ、明るいから……」
「構わん」

拒む私を無視し、キスをしてくる。

「……はっ」
「体は正直なんだな」

顔を紅潮させた私を見て、ニコルはより私を求めるようになっていく。
まだ……真昼間の部屋のベッドで……。



ーーーーーー



一線を超えた私は放心状態だった。
体は横になり、窓に目を向け、そこから見える空を見ていた。
一方、ニコルは私に背を向けベットに座り込んでいた。

「……大丈夫か」

ニコルの気遣いだろう、心配する言葉が少し嬉しいと感じていた。

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