全てを失った私を救ったのは…

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夫婦

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「大丈夫」
「そうか……失くすなよ」

そう言うとニコルは立ち、部屋を後にしていく。
残った私は、はめられた指輪に目を落とすと、そっとそれを撫でた。
もし、子供が出来たら…と思うと不安もあるが、今は体を休めることに集中し、目を閉じた。


気づいたら私は寝てしまい、外は暗くなっていた。
ここに居ても怒られる事はないが、それでもずっといる訳には…と思い、自室へと戻る事にした。

曲がり角を曲がった際、人とぶつかってしまった。

「ごめんなさい」
「……」

謝る私に何も言わない人。
誰だ?と思い顔を見ると……。

「なによ、顔みて」

ローズだ。

「いや……」
「……ふーん、ちゃんとはまってるみたいね。それ」

指輪に気付き、突っかかってくる様は以前と同じだ。

「いいの?私に突っかかって」
「……あー、なるほど。お兄様にチクるつもりね」
「そうしたらマズくなるのはあなたでしょ、ここで止めておいたら?」

私は行く手を阻むローズの横を通り抜けようとした。
でも、ローズはそんな私の足を引っ掛け転ばしてきた。

「ちょっと!?」
「たまたまよ、たまたま。……ごめんなさいね、ネズミ」

ふふふ、と笑いながらローズは離れていった。
沸々と湧き起こる怒りに耐え、立つと私は部屋へと急いだ。

ベットに入り天井をみながら昼間の出来事を思い返した。
強引だとしても初の出来事。
痛さもあったが、心が満たされている事に気付き、誰もいないのに『ふっ』と笑った。



ーーーーーー



その後、私とニコルは16の歳になり、婚姻を結んだ。
婚姻を祝い街中を馬車で回ると多くの住人が私達の婚姻を祝ってくれた。

「……ここからだったな」

ニコルは私との出会いのきっかけが同じだった事を触れ、周りを見渡しながら言ってくる。

「そう、だったね。あの時は……」
「また襲ってくる奴がいるかもな」
「えっ」

その言葉に思わず能力を使っていた。
まさかな……と思いつつも。

だが、それは杞憂に終わり、街を抜け屋敷へと戻る際、私は両親の姿を目にした。
その目は祝福でもあるが、その奥には『早く産め』という強い威圧もあるように見えた。

「……子、だろうな」

ニコルも気付いたみたいで同じ事を私に言ってくる。

「や、やっぱり」
「気にするな、どうせ、すぐ出来る」
「なんでそこまで!?」
「ふっ、さぁな」

両親の前を過ぎ、私達は屋敷へと戻った。


堅苦しい式典などを終え、ゆっくり一息ついているとニコルが部屋にやってくる。

「リース」
「なに……?」

扉を閉めた後、ニコルは私に近寄ると抱きしめてきた。
そしてすぐにキスをする。
急なキスに私は反応できず身を任せたままになり、口が離れるとまたしてくる。

「……はぁっ、ちょ、ちょっと」
「さっきの話を実現させる」
「さっきの?実現?」

突然何を言ってるのか分からず戸惑う私をベットに押し、そして馬乗りになる。

「……子だ、リース」
「子供っ!?」
「あぁ、すぐに作る」
「そんな、いきなり」
「いきなりじゃない。俺はこの国を続かさせねばならんからな。……諦めろ」

式典で着ていた真っ赤なドレスをゆっくり肩から脱がそうとしてきた。

「えっ、今!?」

ニコルの目は真剣そのもので、私の言葉などまるで聞こえてないかのように手を動かしてくる。
必死に押さえる私の手を払い除けながら……。

「今日からお前は本当に『妻』だ。拒むなよ」

ニコルの言葉が深く刺さった。
私は、この国の王妃。
押さえていた手の力を私はゆっくり緩めていった…。
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