全てを失った私を救ったのは…

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地雷?

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パタンと音を立て落ちた物は竿の様で、先には鮎がおり、ピチピチと音を立てながら跳ねていた。

「リースさんって言いましたよね。なんでここに来たんです?」
「え、っとぉ」

私の目は泳ぎ、どう伝えるべきかを悩んだ。
フィリス家の妻だった、なんて言って変な問題でも起きたら……と考えた私は『迷ってしまって』と軽く嘘をついた。

「……そうですか」

ジャックさんは納得してない様子で私の事を見てくる。
バレたかな、と心配した私は悟られないように目をジッと見てやり過ごそうとした。

「あなたがそう言うなら信じますよ。良かったら街まで送りますけど」
「いや、その……」
「ん?」

街に行っても私が暮らせる家は無い。
だから街に戻るのを躊躇ってしまい、申し出をやんわりと断った。

「え、でも、今なら暗くなる前に街に行けますよ?」
「そうかもしれないですけど……」

拒み続ける私にジャックさんは首を傾げたかと思ったら『あぁ……なるほど』と呟く。

「家出、ですか。だから街に行くのは嫌だと言うんですね」
「ま、まぁ、そんな感じです……」

真実は告げなかった。
だが、今はこれでなんとか凌そうだと思い、口裏を合わせそういう事にしておいた。

ただ、私は不思議だった。
初対面の人にここまで話すとは…と。
さっきまでの強姦紛いの人とはえらい違いだ。
とても悪い人には見えず、裏表が無さそうな人物だからか心を少し開いている気になった。

グゥゥゥゥ……とお腹の虫がジャックさんから聞こえてきた。

「すみません……」
「いえ、今何時くらいか分かりますか?」

そう言うとジャックさんは扉を出て周りを見渡した後、また入ってきて4時くらいだと告げる。

「……わかるんですか?時間」
「大体です。それにお腹がなるのもいつもこれくらいですから」
「あの……いつからここに住んでいるんですか?」
「5年くらいです」
「5年!?ここに、ですか」

獣が出るという森で5年も暮らすこの人は一体何者だ。
よほどの事情が無いとこんな危険だらけの場所なんてあり得ないと思い……。

「……どうしてここに?」

私の質問を聞いたジャックさんは少し伏目がちになった後、背を向け竿についた魚を持ち、外に行ってしまった。

(聞いたらダメ、だよね……)

追いかけようとしたが、かえって追い込む気がして私はそのままベットに留まった。



ーーーーーー



しばらく経ってもジャックさんは帰ってこなかった。
隙間から入る日が徐々に傾き、一日が終わりに向かっている事を知らせてくる。
でも、帰ってこない。

どうしよう……と不安になった私は意を決し、家の外に出てジャックさんを探しに向かった。

家の前は高い木が鬱蒼と生え、見渡す限り『木』ばかりだ。
右を見ても左を見てもジャックさんらしい人影が無い。
困った私は……。

「ジャックさーん!?」

大声を張り上げ名を呼んだ。
しかし、返事は無く……。

(どうしよう、どこに行っちゃったんだろう……)

少しだけ森の中を歩き始め、また周りを見た。
でも結局は同じで、どこにもいない。
ただ、戻れなくなるのだけは避けようと何度も振り返り家が見える範囲にとどめた。

「じゃ、ジャックさん……」

さっきより小さく弱々しい声で呼ぶ。
やはり、返事はない。
それよりも森の中で聞こえる鳥の鳴き声がまるで私を狙ってるかのように聞こえ、上も気にしながらキョロキョロと目を配った。

すると、ガサッっと音がして私は大声で悲鳴をあげた。

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