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また…

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私は眠り、入ってきた人、そしてラークさんに運ばれて店の外に出た。



そして…



「ん…」

ゆっくり目を開けると白い天井が目に入ってきた。
目だけを右左に動かし寝ている状況に驚いた。
すぐに体を起こしたが、飲まされた睡眠薬のせいだろうか、頭がくらっとして再びベットに倒れ込んだ。

(ここは、どこだろう…?)

もう一度辺りを伺い、何かヒントが無いかと探っていると、扉が開き、人が入ってきた。

「まだ、寝てる、か」

どうやら私が起きているのは気づいてない様子だった。
でも、私は思った…。
この声はついさっきまで聞いていた…と。

(ラークさんだ、何故?)

私は声を殺し、ラークさんが出ていくのを今か今か、と待ち続けた。
でも、なかなか出ていく様子は無く、更に人が入ってきた。

「ラーク、よくやった」

「まぁ、聞いていたから意外とすんなりだったけど。
とりあえず目的はこれでいいんだよね?」

「あぁ、十分だ。でも『アレ』はどうした?」

「それは僕には難しい、君がやればすんなりだろ?」

「…まぁ、そうだな」

二人の会話を見つからないように耳だけはそちらに集中し、体は動かさないように気をつけていた。
話が終わったのだろうか、ラークさんは部屋を後にし、もう一人が部屋に残った。

「ふぅ」

一つ息を吐くと、私の方へと近づき何も言わずに近くに座り出した。

(誰…?)

誰かを確認していないので不安だけが襲い、私は必死に寝たふりを続けるしか無かった。
でも、さっきの会話を思い出す。

(目的っていっていたよね。私を攫うこと?
それに『アレ』って何…?)

動かないようにと気をつけていたが、考えていたら寝返りを打ってしまい、近くに座った人に気づかれてしまった。

「起きたか」

そう言うと男性は私が被っている毛布を剥ぎ取り私に姿を現した。

「…ぶ、ブライス」

「久しぶりだな、リーネ」

「な、なんで?」

「お前の家だろうが、ここは。勝手に出て行きやがって、だから連れ戻した。それだけだ」

「なに言ってるの?私はもうあなたとは終わったはず。
あなたに会う気なんて全く無いのに!
…さっきの人はラークさん、でしょ?
なんであなたと一緒にいるの?」

「あ?…あぁ、そうか。お前は知らないんだったな。
アイツは俺とは腹違いの『弟』だ」

「お、弟?」

「あぁ、そうだ」

ブライスはラークさんの出生の秘密を話しだした。
ブライスの父、前当主がメイドとの間に作った子。
だが、体裁もあるため子を作った事がバレる恐れから粛正をしたという…。

それを知っているのはブライス本人とロータスさんだけ。子を認知し、援助をしながら見守ったと言う。

「お前の事など話してあるからな、まさかあんな場所にいるとは…くくく、つくづくついてないな、お前は」

私はベットから逃げようと飛び出したが、ブライスがすぐに私の右腕を掴み、再びベットへと押し倒した。

「離して!ブライス!」

「リーネ、お前にはもう誰も助けには来ない」

「うるさい、離して!?」

「ユーリもレイも、お前を見捨てたんだよ」

「えっ…」

ブライスの言葉が私の頭にガンっと響いた…。
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