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May
5月12日(日) 部内戦ダブルス
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えっちらほっちらと、アップをする前。
今日は部内戦のダブルスということで、シングルスの選手らは好き勝手にペアを組み、申請する時間が設けられていた。
そんな和気あいあいとする中でストレッチをしていた俺の元に、一つの影が差す。
「よっす、そら。調子はどうだ?」
部内ランキング一位。
ノリに乗った選手――畔上翔真の登場だ。
「まぁまぁだな。……そっちは良さげか?」
「どうだろう……いつも通りって感じだけど」
なら、それは調子がいいってことだな。
爽やかに答える親友に少しばかり肩を竦め、元の動作へと戻る。
「…………で? 何の用だ?」
単刀直入に用件を聞き出すと、翔真は何でもなさそうにこう告げた。
「もうペアは出来たのかな――って、思ってな」
「まだだよ。……というか、好き好んで俺とペアになろうなんていう殊勝な奴はいないだろ。そっちは選り取りみどりっぽいが、どうなんだ?」
「それを決めるためにここに来たんだよ。だけど……うん、そらと同じように溢れた組同士での抽選に回ることにする」
……冗談だろ?
一応、ペアが決まらなかった組の救済措置として、余った人たちで適当に抽選をするのがウチの通例だ。
だが、それをコイツがするのか?
「おいおい、シングルス一位さんや。お前は誘いにきたシングルス上位の人たちを蹴って、わざわざこっちにくるつもりかよ……」
「まぁね。どうせなら、そらと同じ条件で戦ってみたいだろ」
アホか、コイツは。
いくらダブルスに出る気がないからって、その判断は監督も怒るぞ。
呆れる俺だったがその決意は固いようで、「じゃ、試合で会おう」とカッコイイ台詞だけを残して去っていく。
再びストレッチに戻ろうと開脚を始めれば、その背中には想定のしていない重みが加わってきた。
「どーん、とお手伝い」
「――ぃたい、いたい痛い! 股関節ちぎれる、マジで!」
耳に届く甲高い声。甘く、そして華やかな香り。
温もりとともに伝わる柔らかな感触から、それが誰なのか察しがつく。
地味に部活で鍛え上げられた筋肉を武器に、無理矢理にでも身体を起こせば、俺は背後を睨みつけた。
「何だよ、かなた」
「別にー。それよりも、そらに挑戦がくるなんて珍しいよね」
頭の上から降る声。
顎を乗せられ、抱くように後ろから腕が回されている。
その何も気にしていないような無邪気な振る舞いに、多少なりとも溜飲は下がった。
「ホントだよ、全く。こんなレギュラーにもなれないような弱小部員とわざわざ戦いたいだなんて」
「……それ、本気で言ってる?」
「さぁな、少なくともダブルスはそうだろ。シングルスも……まぁ結果だけ見ればな」
世の中、過程は注目されない。
全ては起きた結末であり、必要なのは成果だ。
評価はそこで下される。そこでしか下されない。
「――ペアの決まってない方は来てください。くじを行います」
マネージャーの香織先輩が呼ぶ。
その手にはお手製と思わしき箱が持たれていた。
「呼ばれたわ、行ってくる」
「ん、いってらー」
幼馴染の雑な激励を受け、ホワイトボードの前へと集まる。
いよいよ、部内戦が始まるのだ。
♦ ♦ ♦
『よろしくお願いします!』
総当たり戦の最終戦。
現在一勝一敗の俺たちは、この最終戦で勝たなければトーナメントに上がれないという崖っぷちの状態だった。
そんな中、相手は二連勝をしているノリに乗ったチーム。
ダブルスを志望する二年生コンビで、正直勝つのは難しい気もする。
サーブ権を獲得し、攻撃的なフォーメーションである『トップ&バック』を組むこちら。
レシーバーの相手は、『サイドバイサイド』で守りの陣形という、基本の動きをとった。
俺のショートサーブから幕を開けた静かな立ち上がりであるが、それはすぐに苛烈で高速なものとなる。
ローテーションを利用したフォーメーションの変化。
流動的に移り変わる攻めと守り。
パートナーがシャトルを返せば、その際に生まれた穴をカバーするように立ち回るようにドライブ、ヘアピン、ロビング、スマッシュ……互いに多様なショットを利用し、培った技術を活かしてコート上を駆け巡る。
「――すみません!」
十数度のラリーが続き、コツンと自陣にシャトルの落下音が響いた。
パートナーである一年生の後輩が謝る。
「いや……別に気にすんな」
それだけ、俺は答えておく。
別に怒っているわけではない。ミスは誰だってある。
ただ……ダブルスのこういう所が嫌い、というだけだ。
どれだけカバーして動き、いくら拾おうとも、真正面に向かってきたシャトルはその者に任せるほかない。
それは、どんなに上手い人でも手を出せない領域であり、ミスをされては仕方のない場面。
だから責めてもどうしようもないし、何なら責められるほど俺は上手くないのだ。
分かっている、全部。理解している。
でも、それ故に、俺はダブルスが嫌いだ。
そんな思考に走ってしまう自分がいるから。
二人で必死に食らいつき、少しずつとポイントを稼いでいくも点差は着々と広がっていく。
後衛左側――攻めの機会だったためにスマッシュを打った俺は、相手の動きを予測して即座に右側へと走った。
動きの癖や状況的に、逆側にドライブレシーブが来るだろうと思ってのことであり、前衛の後輩を動かしても無理な体勢からの返球に主導権を奪われると思ったからだ。
案の定、予測した通りにシャトルは飛んで来たのだが、俺では間に合わないだろうというチームプレーだったのだろう。
後輩とお見合いをし、それでもなお返球には至る。
けれど、同時に敗北を意味していた。
前に落とされるシャトル。それはこれまでのどんな球筋よりも緩く、目で容易に追え、だがしかし届かない。
――俺は、俺たちは負けたのだ。
♦ ♦ ♦
「……あの、先輩。足引っ張って、すみませんでした」
挨拶を終え、体育館端へと腰を下ろせば一緒に戦ってくれた後輩がまたも謝りに来てくれた。
「ん? ……あぁ、いいよ別に。こっちこそ、フォローできなく悪かったな」
言ってて自分で思う。驕るな、と。
そんな力量は、俺にはない。
それはきっとこの子も思っていることで、別に欲した答えでもなくて……お互いに社交辞令的に、上辺な会話を紡いだ。
「…………それに、ダブルスは苦手だしな」
はっ、何とも言い訳がましいな。
嫌になる。恥ずかしくなる。もう口を開くなよ、みっともない。
独りなら、自分で飲み込んで昇華すれば済む話なのに……あぁ、だから俺はダブルスが本当に――。
気が付けばいつの間にか後輩も去っており、コート上では決勝戦と三位決定戦が同時に行われている。
一際大きな歓声――それが上がるのは花形である決勝戦……ではない。
即席のペアでありながらも大躍進をしたのであろう翔真が、黄色い声を浴びながら汗を煌めかせて、ラケットを片手に踊っている。
本当に、俺の親友はすごい。
唖然と、漠然とその様子を眺めていると、左肩に微かな重みが加わった。
「……お疲れさま」
掛けられた言葉は、見ている試合とは一切関係のない、単なる今日の労い。
「別に……今試合をしている奴らの方が、俺の何倍も疲れてるよ」
「ん……でも、それとそらが疲れていることには何の関連性もないよ」
おっしゃる通りで。
憎まれ口を叩いたのに、それでもなお返ってきた言葉の温度は、俺にはちょうど良かった。
「……ありがとな、かなた」
小さく呟いた声は、またも上がる歓喜の叫びに打ち消される。果たして彼女は聞いたのだろうか。
ゲームセットにおける選手らの挨拶を横目に、そんなことを考えた。
試合の結果は、ギャラリーの様子で察してほしい。
今日は部内戦のダブルスということで、シングルスの選手らは好き勝手にペアを組み、申請する時間が設けられていた。
そんな和気あいあいとする中でストレッチをしていた俺の元に、一つの影が差す。
「よっす、そら。調子はどうだ?」
部内ランキング一位。
ノリに乗った選手――畔上翔真の登場だ。
「まぁまぁだな。……そっちは良さげか?」
「どうだろう……いつも通りって感じだけど」
なら、それは調子がいいってことだな。
爽やかに答える親友に少しばかり肩を竦め、元の動作へと戻る。
「…………で? 何の用だ?」
単刀直入に用件を聞き出すと、翔真は何でもなさそうにこう告げた。
「もうペアは出来たのかな――って、思ってな」
「まだだよ。……というか、好き好んで俺とペアになろうなんていう殊勝な奴はいないだろ。そっちは選り取りみどりっぽいが、どうなんだ?」
「それを決めるためにここに来たんだよ。だけど……うん、そらと同じように溢れた組同士での抽選に回ることにする」
……冗談だろ?
一応、ペアが決まらなかった組の救済措置として、余った人たちで適当に抽選をするのがウチの通例だ。
だが、それをコイツがするのか?
「おいおい、シングルス一位さんや。お前は誘いにきたシングルス上位の人たちを蹴って、わざわざこっちにくるつもりかよ……」
「まぁね。どうせなら、そらと同じ条件で戦ってみたいだろ」
アホか、コイツは。
いくらダブルスに出る気がないからって、その判断は監督も怒るぞ。
呆れる俺だったがその決意は固いようで、「じゃ、試合で会おう」とカッコイイ台詞だけを残して去っていく。
再びストレッチに戻ろうと開脚を始めれば、その背中には想定のしていない重みが加わってきた。
「どーん、とお手伝い」
「――ぃたい、いたい痛い! 股関節ちぎれる、マジで!」
耳に届く甲高い声。甘く、そして華やかな香り。
温もりとともに伝わる柔らかな感触から、それが誰なのか察しがつく。
地味に部活で鍛え上げられた筋肉を武器に、無理矢理にでも身体を起こせば、俺は背後を睨みつけた。
「何だよ、かなた」
「別にー。それよりも、そらに挑戦がくるなんて珍しいよね」
頭の上から降る声。
顎を乗せられ、抱くように後ろから腕が回されている。
その何も気にしていないような無邪気な振る舞いに、多少なりとも溜飲は下がった。
「ホントだよ、全く。こんなレギュラーにもなれないような弱小部員とわざわざ戦いたいだなんて」
「……それ、本気で言ってる?」
「さぁな、少なくともダブルスはそうだろ。シングルスも……まぁ結果だけ見ればな」
世の中、過程は注目されない。
全ては起きた結末であり、必要なのは成果だ。
評価はそこで下される。そこでしか下されない。
「――ペアの決まってない方は来てください。くじを行います」
マネージャーの香織先輩が呼ぶ。
その手にはお手製と思わしき箱が持たれていた。
「呼ばれたわ、行ってくる」
「ん、いってらー」
幼馴染の雑な激励を受け、ホワイトボードの前へと集まる。
いよいよ、部内戦が始まるのだ。
♦ ♦ ♦
『よろしくお願いします!』
総当たり戦の最終戦。
現在一勝一敗の俺たちは、この最終戦で勝たなければトーナメントに上がれないという崖っぷちの状態だった。
そんな中、相手は二連勝をしているノリに乗ったチーム。
ダブルスを志望する二年生コンビで、正直勝つのは難しい気もする。
サーブ権を獲得し、攻撃的なフォーメーションである『トップ&バック』を組むこちら。
レシーバーの相手は、『サイドバイサイド』で守りの陣形という、基本の動きをとった。
俺のショートサーブから幕を開けた静かな立ち上がりであるが、それはすぐに苛烈で高速なものとなる。
ローテーションを利用したフォーメーションの変化。
流動的に移り変わる攻めと守り。
パートナーがシャトルを返せば、その際に生まれた穴をカバーするように立ち回るようにドライブ、ヘアピン、ロビング、スマッシュ……互いに多様なショットを利用し、培った技術を活かしてコート上を駆け巡る。
「――すみません!」
十数度のラリーが続き、コツンと自陣にシャトルの落下音が響いた。
パートナーである一年生の後輩が謝る。
「いや……別に気にすんな」
それだけ、俺は答えておく。
別に怒っているわけではない。ミスは誰だってある。
ただ……ダブルスのこういう所が嫌い、というだけだ。
どれだけカバーして動き、いくら拾おうとも、真正面に向かってきたシャトルはその者に任せるほかない。
それは、どんなに上手い人でも手を出せない領域であり、ミスをされては仕方のない場面。
だから責めてもどうしようもないし、何なら責められるほど俺は上手くないのだ。
分かっている、全部。理解している。
でも、それ故に、俺はダブルスが嫌いだ。
そんな思考に走ってしまう自分がいるから。
二人で必死に食らいつき、少しずつとポイントを稼いでいくも点差は着々と広がっていく。
後衛左側――攻めの機会だったためにスマッシュを打った俺は、相手の動きを予測して即座に右側へと走った。
動きの癖や状況的に、逆側にドライブレシーブが来るだろうと思ってのことであり、前衛の後輩を動かしても無理な体勢からの返球に主導権を奪われると思ったからだ。
案の定、予測した通りにシャトルは飛んで来たのだが、俺では間に合わないだろうというチームプレーだったのだろう。
後輩とお見合いをし、それでもなお返球には至る。
けれど、同時に敗北を意味していた。
前に落とされるシャトル。それはこれまでのどんな球筋よりも緩く、目で容易に追え、だがしかし届かない。
――俺は、俺たちは負けたのだ。
♦ ♦ ♦
「……あの、先輩。足引っ張って、すみませんでした」
挨拶を終え、体育館端へと腰を下ろせば一緒に戦ってくれた後輩がまたも謝りに来てくれた。
「ん? ……あぁ、いいよ別に。こっちこそ、フォローできなく悪かったな」
言ってて自分で思う。驕るな、と。
そんな力量は、俺にはない。
それはきっとこの子も思っていることで、別に欲した答えでもなくて……お互いに社交辞令的に、上辺な会話を紡いだ。
「…………それに、ダブルスは苦手だしな」
はっ、何とも言い訳がましいな。
嫌になる。恥ずかしくなる。もう口を開くなよ、みっともない。
独りなら、自分で飲み込んで昇華すれば済む話なのに……あぁ、だから俺はダブルスが本当に――。
気が付けばいつの間にか後輩も去っており、コート上では決勝戦と三位決定戦が同時に行われている。
一際大きな歓声――それが上がるのは花形である決勝戦……ではない。
即席のペアでありながらも大躍進をしたのであろう翔真が、黄色い声を浴びながら汗を煌めかせて、ラケットを片手に踊っている。
本当に、俺の親友はすごい。
唖然と、漠然とその様子を眺めていると、左肩に微かな重みが加わった。
「……お疲れさま」
掛けられた言葉は、見ている試合とは一切関係のない、単なる今日の労い。
「別に……今試合をしている奴らの方が、俺の何倍も疲れてるよ」
「ん……でも、それとそらが疲れていることには何の関連性もないよ」
おっしゃる通りで。
憎まれ口を叩いたのに、それでもなお返ってきた言葉の温度は、俺にはちょうど良かった。
「……ありがとな、かなた」
小さく呟いた声は、またも上がる歓喜の叫びに打ち消される。果たして彼女は聞いたのだろうか。
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