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8:牛頭ミノタウロスの迷宮と陵辱と※
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小柄なその肢体は十歳くらいの児童だろうか。後ろ姿しか見えないが、背中をふわふわと豊かな金髪が覆っている。
(あの子は・・・)
夢に出てきた子に似ている。直感的にそう感じた。
((そんなことは・・・しないで・・・どうして? どうして、するの?))
聞こえてくる言葉は、実際に問いかけられているわけではない。頭に響く念だ。だが、実に愛らしい子供の声をしている。
((大好きだよ・・・だから、しないで・・・だから、しないで・・・))
槍を振り上げたまま動きを止めたアトラスに、小さな両手を差し伸べるようにして近づいていく。
((大好き・・・ね、抱っこして・・・抱いて・・・))
と小さな存在が甘える。
((ねぇ・・・大好き・・・好き・・・抱いて・・・))
「こざかしい真似を・・・」
吐き捨てるように発せられた返事は。憎々しげで、あまりにも怒りに満ちていて。ハッとさせられる。
「誰の真似をしているんだ、退け!!」
バァァーーーンッ!!
怒声とともに、アトラスが槍を持った右手で子供を殴りつけた。
((キャアァァーー!!))
「危ない!!」
一撃をくらった身体が猛烈な勢いで吹っ飛ばされる。思わず、台座から前へと飛び出した。途端に、フォォン・・・と足下の空間に黒い水紋が広がった。
「!!」
その異空間へと踏みこんだ動きを察知したかのように。ギュオンッといきなり、飛ばされていた身体が方向転換した。ものすごい勢いで向かってくる。その姿が変化した。
「えっ!?」
((助けて・・・助けてぇ・・・))
サラサラと流れる、美しく長い金髪のその姿は――と目を見開くや否や、両手を差し出された。
「テセウス、ダメだ!! 触るな!!」
アトラスの叫びが聞こえると同時に、少女のような華奢な身体を受け止めていた。
((フフ・・・つ~かまえた・・・))
無気味な声とともに、腕の中で長い前髪で隠れていた顔が明らかになる。眼窩と鼻が黒く窪んだ骸骨がニタリと笑った。偽りだとわかるや否や、ズゥンンッと身体が重くなった。
「ぅわぁぁーー!!」
「テセウス!!」
ガクンッと身体が落ちると同時に、ザザザザァァァーーーーッと急降下し始める。
「テセウス、それを離せ!!」
「ガウガウガウガウッ!!」
底なしの深淵へと落とされていく者と必死になって追いかける側との。その間に、石柱群が阻むように次から次へと現れる。
ケールが赤い火玉になって、必死になって追いかけてくる。その背後にはアトラスも。だが、落下速度が異常なまでに速い。
「離せっ!!」
すがりつくその異形を。振り落とそうとすればするほど、ズシッと重くなる。そして、どこまで落ちていくのか。
「くっ!!」
まるで吸引されているかのような強さと速さで。果てなどないかのように。どこまでもどこまでも落下していく。
「テセウス!!」
アトラスの放つ気が。雪の結晶のような形の、呪符のこもった防御壁によって。バシンッ、バシンッと何度も弾き飛ばされる。
その姿がどんどんと遠ざかっていく中、攻撃力を高めれば高めるほど、同等な力で邪魔されると察したイーヌドーグがただひたすら走って追いかけてくる。
「離せっ!!」
「ガウガウガウガウッ!!」
ケールが勢いよく隣を通り越して行ったと感じたその時――
(あの子は・・・)
夢に出てきた子に似ている。直感的にそう感じた。
((そんなことは・・・しないで・・・どうして? どうして、するの?))
聞こえてくる言葉は、実際に問いかけられているわけではない。頭に響く念だ。だが、実に愛らしい子供の声をしている。
((大好きだよ・・・だから、しないで・・・だから、しないで・・・))
槍を振り上げたまま動きを止めたアトラスに、小さな両手を差し伸べるようにして近づいていく。
((大好き・・・ね、抱っこして・・・抱いて・・・))
と小さな存在が甘える。
((ねぇ・・・大好き・・・好き・・・抱いて・・・))
「こざかしい真似を・・・」
吐き捨てるように発せられた返事は。憎々しげで、あまりにも怒りに満ちていて。ハッとさせられる。
「誰の真似をしているんだ、退け!!」
バァァーーーンッ!!
怒声とともに、アトラスが槍を持った右手で子供を殴りつけた。
((キャアァァーー!!))
「危ない!!」
一撃をくらった身体が猛烈な勢いで吹っ飛ばされる。思わず、台座から前へと飛び出した。途端に、フォォン・・・と足下の空間に黒い水紋が広がった。
「!!」
その異空間へと踏みこんだ動きを察知したかのように。ギュオンッといきなり、飛ばされていた身体が方向転換した。ものすごい勢いで向かってくる。その姿が変化した。
「えっ!?」
((助けて・・・助けてぇ・・・))
サラサラと流れる、美しく長い金髪のその姿は――と目を見開くや否や、両手を差し出された。
「テセウス、ダメだ!! 触るな!!」
アトラスの叫びが聞こえると同時に、少女のような華奢な身体を受け止めていた。
((フフ・・・つ~かまえた・・・))
無気味な声とともに、腕の中で長い前髪で隠れていた顔が明らかになる。眼窩と鼻が黒く窪んだ骸骨がニタリと笑った。偽りだとわかるや否や、ズゥンンッと身体が重くなった。
「ぅわぁぁーー!!」
「テセウス!!」
ガクンッと身体が落ちると同時に、ザザザザァァァーーーーッと急降下し始める。
「テセウス、それを離せ!!」
「ガウガウガウガウッ!!」
底なしの深淵へと落とされていく者と必死になって追いかける側との。その間に、石柱群が阻むように次から次へと現れる。
ケールが赤い火玉になって、必死になって追いかけてくる。その背後にはアトラスも。だが、落下速度が異常なまでに速い。
「離せっ!!」
すがりつくその異形を。振り落とそうとすればするほど、ズシッと重くなる。そして、どこまで落ちていくのか。
「くっ!!」
まるで吸引されているかのような強さと速さで。果てなどないかのように。どこまでもどこまでも落下していく。
「テセウス!!」
アトラスの放つ気が。雪の結晶のような形の、呪符のこもった防御壁によって。バシンッ、バシンッと何度も弾き飛ばされる。
その姿がどんどんと遠ざかっていく中、攻撃力を高めれば高めるほど、同等な力で邪魔されると察したイーヌドーグがただひたすら走って追いかけてくる。
「離せっ!!」
「ガウガウガウガウッ!!」
ケールが勢いよく隣を通り越して行ったと感じたその時――
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