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4章:返り咲いちゃいました~そしてカエルは王妃に~

その様子にゾクゾクッと

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「ヘケロ、すごくかわいいよ。
 なにも心配はいらないから」

 チュッ、チュッ、チュッと。
 額、目尻、頬、首元、肩、胸と猛烈に口づける。

「ダ、ダメです…んっ、んっ…ダメ…です…んっ…ケロ」

「大丈夫、噛まないから」

 ほんのりと顔も全身も赤みを走らせて。
 必死にか細い吸盤の付いた手が抗う様子を見せる。
 その様子にゾクゾクッと加虐性が刺激された。

「あぁっ、そ、そんな…お、王さま、ダ、ダメ…です…あっ、ダメですっ!! …ケロ!!」

 胸を荒々しく弄り、そのまま後ろへと手を回し、肌着の中へと手を入れる。
 孔を確かめたい。
 あるはずだ。
 この場でできなくても先々のためにも知りたい。
 人間に戻れば問題なくあるのだろうけれども、いま知りたい。
 知りたいものは知りたいのだ。
 どうしても知りたい。
 いや、もう無性に知りたい。
 こればかりは逃れようのないオスのさがだ。
 確かめさせてくれ、自分を受け入れさせることになる秘部をこの手でと。
 双丘の間に指を走らせる。

「あわわ…ケロロロ……」

 ハッと我に返って身を起こした時には遅かった。
 大きな瞳の中がグルグルと渦を巻いている。

(し、しまった)

 それは気を失う直前の、ヘケロ特有の前兆で。

「ヘケロ、しっかりしろ!!」

「ケロロロ……」

「ヘケロ、すまなかった!!
 もうしない、これ以上はもうしないから!!」

「ケロロロ……」

 やりすぎたことを謝罪するももはや手遅れだ。
 目の前で、ふうぅと重たい頭が後ろへとのけぞってそのまま意識を失った。

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