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chapter two
13.彼方で動きだす
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とある屋敷の一室
壁は、本棚で埋め尽くされ
机も書類が大方を占領していた
「…ふう」
詰まった息を吐き出したのは、その屋敷の主人であるメリスト・アト・パリス伯爵のものだ
「なんだかアベルは、面白いおもちゃを見つけたみたいだな」
紫がかった黒い髪は、前髪だけ長く隙間から金色の瞳を覗かせた
高価であるはずのジャケットは、中途半端に片方の肩だけずり落ちている
「…あははは
俺にも遊ばせてくれよア~べ~ル~」
その目は、獲物を捕らえる獣のそれだった
「今回は、どれだけもつかな~
せいぜいコワレルまで俺を楽しませろよ」
普段の主人を知っているパリス家の使用人達は、彼の部屋から聞こえる笑い声に戦々恐々とする
彼等はこれからでるであろう被害者に同情することしかできなかった
壁は、本棚で埋め尽くされ
机も書類が大方を占領していた
「…ふう」
詰まった息を吐き出したのは、その屋敷の主人であるメリスト・アト・パリス伯爵のものだ
「なんだかアベルは、面白いおもちゃを見つけたみたいだな」
紫がかった黒い髪は、前髪だけ長く隙間から金色の瞳を覗かせた
高価であるはずのジャケットは、中途半端に片方の肩だけずり落ちている
「…あははは
俺にも遊ばせてくれよア~べ~ル~」
その目は、獲物を捕らえる獣のそれだった
「今回は、どれだけもつかな~
せいぜいコワレルまで俺を楽しませろよ」
普段の主人を知っているパリス家の使用人達は、彼の部屋から聞こえる笑い声に戦々恐々とする
彼等はこれからでるであろう被害者に同情することしかできなかった
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