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chapter three

24.来訪者達

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まあ、正体はミリアなわけだが

「失礼を重ねるようですが
どちら様でしょうか?」

ミリアは、まるで来客が来た時のような態度を続ける

それに呆気に取られるが片方が先に正気に戻る

「し、知らないってんなら覚えとけ
オレは、カイルだ!」

「はぁ、兄さん名乗っちゃダメだよ」

カイルは、忍び込んだ屋敷の人間に名乗るほど残念な頭の持ち主だったりする

「あ…」

「兄さんが名乗っちゃたからもういいや
ボクは、ソラ」

結局ふたりして正体を晒してしまった

「カイル様とソラ様ですね」

「「オレ(ボク)初めて様づけで呼ばれた」」

シリアスな状況のはずなのに3人が3人ともその空気をぶち壊しにくる

「さて、カイル様、ソラ様
この度は、どのようなご用件でしょう」

このような状況でこの時間に来る時点で決まったようなものなのだが

「アベルって奴に用があってな」

「ご主人様は、ただいまご就寝中です
お引き取り願えますか」

やはり、意地でもシリアスに突入させてくれない

「 それは、無理な相談だな
どうしてもってんなら力尽くだ」

「致し方ありませんね」

おや、やっと状況にあった空気に

「おりゃ、…っわ!」

思いっきり助走をつけて走り出しその勢いのまま殴りかかる

それを軽くいなし懐に入ってきた肩を掴み投げ飛ばす

「ちくしょー、まだま…っかは!!」

投げ飛ばされたものの地面になんとか着地しバランスを立て直そうとしたとき首に強い衝撃がくる

ミリアが投げ飛ばした流れのまま首にかかと落としをきめていた

カイルは、そのまま意識を手放した

「…兄さん!」

「心配ありません
気絶しているだけですから」

ソラは、安心してはぁと息を吐く

「それで、ソラ様はどうなさいますか」

「逃げてもいいの?」

まさか逃して貰えるとは、思っていなかったのだろう

「かまいませんよ」

「…ありがと、お姉ちゃん」

そう言うとカイルを抱えて去っていった

「お姉ちゃんという年では、もうないのですが」

カイルとソラが去った後

何もないはずの暗がりに目を向ける

「さて、他のお客様方は、どのような御用でしょうか?」
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