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22話
国外追放を言い渡され、部屋に戻った私は、国を出る準備をしていた。
準備といっても前の世界の食材を取りに行っただけで……兵士長の人が馬車まで案内してくるみたいで、少し気持ちを落ち着かせたいと時間を稼いでいる。
国王からの国外追放と理由――私のスキルが何の役にも立たず、魔力も最初の一瞬凄かっただけ。
同じ異世界人のマミカとミユキに危機感を覚えてもらう目的があったらしいけど、そうなるようにマミカとミユキが城の人達を誘導したのでしょう。
今まで私に無関心だったミユキを昨日怒らせてすぐこうなったことを考えると……これは間違いなくミユキが仕組んでいる。
「……あれで聖女って、詐欺よね」
「何か言ったか? ここに居ても国外追放は覆られない。準備はできたようだからさっさと馬車の元へ行くぞ、着いて来い」
国外追放を受けた時点で敬語でなくなっている兵士長が、そんなことを言い出す。
これから城下町の外れにある馬車乗り場に行き、国外へ出る港まで連れて行かれるらしい。
その時に馬車代、船代、約1ヶ月ぐらい生活できる通貨を渡すと言っていたけど、どうして今渡さないのかが解らなかった。
部屋を出た私は兵士長に着いて行くけど……レーリアが警戒すべきだと言ってたわね。
どうも朝食が少なかったせいか集中力が欠けている私は、兵士長の後ろを歩く。
城の門を出て、歩いて行くと城下町につき……徐々に周囲の治安が悪くなっている。
怪しいと感じつつ兵士長の後ろを歩いていると――なぜか路地裏に来ていた。
建物と建物の間の通路で人の気配がない……薄暗い狭い道で、兵士長が振り向き。
「人払いは済んでいるようだな……お前が行くのを渋った時は焦ったぞ」
溜息を吐く兵士長と目が合って、私は恐怖していた。
こんな目は今まで生きてて見たことがない……殺意を宿し、真剣な眼差しで見つめる兵士長が、とにかく不気味だった。
「……どういう、つもりですか?」
私は後ろに下がったのは、兵士長がいきなり腰の剣を抜いたからに他ならない。
相手は戦うために訓練されていて、戦う相手が人間なのだから……剣を向けることに躊躇しないのは当然でしょう。
私は剣を、人を殺せる武器を向けられたのが初めてで、全身が強く震えていると。
「貴様はマミカ様やミユキ様、以前現れたとされる異世界人と比べても異質だ……何をしでかすか解らない以上、この場で処理することが決まった」
「なっ……そんなことが、この国で許されるの!?」
レーリアが知らなかった辺り、恐らく兵士もこのことは知らない気がする。
兵士長と国王が決めたのか、マミカとミユキがこうなるよう誘導したのか……とにかく今解ることは、目の前の兵士長が私を殺そうとしていることだけだ。
「ふん。通り魔に刺されて死ぬことなど、このスラムなら日常茶飯事だ。さっさと済ませて俺は去り、死体の身包みはここの住人が剥ぎ、肉は野生動物の餌となるだろう」
とんでもないことを言ってくる……私に通貨を出すのを渋ったとかではなくて、異質だから処理する。
こんな国で料理スキルについて話さなかったのは大正解だった。
結局こんな状況になっているけど……レーリアが警戒するように言っていたから、私は逃げようと後ろに下がる。
背を向けたら刺される――そう考えていると、私の目の前に剣が迫り。
「ひっ!」
首に迫った刃に対して、私は反射的に魔力を飛ばすと――兵士長は大きく後ろへ吹き飛んでいた。
「ほう……首を刎ねて楽にしてやるのが慈悲だと思っていたが、剣技を使うしかないようだ!」
そう言って……剣を構えた戦士長の全身が、白く輝いている。
どうやら次の一撃は本気のようで――私が対処できるのか不安になってしまう。
さっきは何とかなったけど、首元に剣を突きつけられた恐怖で、私は思考が乱れている。
そして、兵士長の姿が私の視界から消えた瞬間――私は死を覚悟すると。
「――アカネ様、全てを終わらせてきました」
私の背後からレーリアの声が聞こえたかと思えば、視界から兵士長の姿が消えている。
レーリアが私の前にやって来てくれたからで、足下には倒れている兵士長の姿があった。
準備といっても前の世界の食材を取りに行っただけで……兵士長の人が馬車まで案内してくるみたいで、少し気持ちを落ち着かせたいと時間を稼いでいる。
国王からの国外追放と理由――私のスキルが何の役にも立たず、魔力も最初の一瞬凄かっただけ。
同じ異世界人のマミカとミユキに危機感を覚えてもらう目的があったらしいけど、そうなるようにマミカとミユキが城の人達を誘導したのでしょう。
今まで私に無関心だったミユキを昨日怒らせてすぐこうなったことを考えると……これは間違いなくミユキが仕組んでいる。
「……あれで聖女って、詐欺よね」
「何か言ったか? ここに居ても国外追放は覆られない。準備はできたようだからさっさと馬車の元へ行くぞ、着いて来い」
国外追放を受けた時点で敬語でなくなっている兵士長が、そんなことを言い出す。
これから城下町の外れにある馬車乗り場に行き、国外へ出る港まで連れて行かれるらしい。
その時に馬車代、船代、約1ヶ月ぐらい生活できる通貨を渡すと言っていたけど、どうして今渡さないのかが解らなかった。
部屋を出た私は兵士長に着いて行くけど……レーリアが警戒すべきだと言ってたわね。
どうも朝食が少なかったせいか集中力が欠けている私は、兵士長の後ろを歩く。
城の門を出て、歩いて行くと城下町につき……徐々に周囲の治安が悪くなっている。
怪しいと感じつつ兵士長の後ろを歩いていると――なぜか路地裏に来ていた。
建物と建物の間の通路で人の気配がない……薄暗い狭い道で、兵士長が振り向き。
「人払いは済んでいるようだな……お前が行くのを渋った時は焦ったぞ」
溜息を吐く兵士長と目が合って、私は恐怖していた。
こんな目は今まで生きてて見たことがない……殺意を宿し、真剣な眼差しで見つめる兵士長が、とにかく不気味だった。
「……どういう、つもりですか?」
私は後ろに下がったのは、兵士長がいきなり腰の剣を抜いたからに他ならない。
相手は戦うために訓練されていて、戦う相手が人間なのだから……剣を向けることに躊躇しないのは当然でしょう。
私は剣を、人を殺せる武器を向けられたのが初めてで、全身が強く震えていると。
「貴様はマミカ様やミユキ様、以前現れたとされる異世界人と比べても異質だ……何をしでかすか解らない以上、この場で処理することが決まった」
「なっ……そんなことが、この国で許されるの!?」
レーリアが知らなかった辺り、恐らく兵士もこのことは知らない気がする。
兵士長と国王が決めたのか、マミカとミユキがこうなるよう誘導したのか……とにかく今解ることは、目の前の兵士長が私を殺そうとしていることだけだ。
「ふん。通り魔に刺されて死ぬことなど、このスラムなら日常茶飯事だ。さっさと済ませて俺は去り、死体の身包みはここの住人が剥ぎ、肉は野生動物の餌となるだろう」
とんでもないことを言ってくる……私に通貨を出すのを渋ったとかではなくて、異質だから処理する。
こんな国で料理スキルについて話さなかったのは大正解だった。
結局こんな状況になっているけど……レーリアが警戒するように言っていたから、私は逃げようと後ろに下がる。
背を向けたら刺される――そう考えていると、私の目の前に剣が迫り。
「ひっ!」
首に迫った刃に対して、私は反射的に魔力を飛ばすと――兵士長は大きく後ろへ吹き飛んでいた。
「ほう……首を刎ねて楽にしてやるのが慈悲だと思っていたが、剣技を使うしかないようだ!」
そう言って……剣を構えた戦士長の全身が、白く輝いている。
どうやら次の一撃は本気のようで――私が対処できるのか不安になってしまう。
さっきは何とかなったけど、首元に剣を突きつけられた恐怖で、私は思考が乱れている。
そして、兵士長の姿が私の視界から消えた瞬間――私は死を覚悟すると。
「――アカネ様、全てを終わらせてきました」
私の背後からレーリアの声が聞こえたかと思えば、視界から兵士長の姿が消えている。
レーリアが私の前にやって来てくれたからで、足下には倒れている兵士長の姿があった。
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