1 / 58
1話
しおりを挟む
ザークスト公爵家の令嬢が、新たな聖女になる。
これはお父様とお母様が優れた魔法士だから、数年前から決まっていたらしい。
数十年に1度――聖なる魔力を扱える人が聖女の力を継承して、新たな聖女となる。
聖女は国を守る偉大な人物で、ザークスト家の令嬢なら大丈夫だと思われていた。
それは、主に私シャロン・ザークストが様々な問題を解決してきたからだけど……それは全て、妹セローナが自分の手柄にしていた。
1つ年下の妹セローナは、昔は病弱で皆から心配されながらも期待されていた。
病弱なのは体内の魔力が強すぎて、それを制御できていないからと言われ続け、それは今でも信じられている。
セローナが魔力を制御できていないのは事実だけど、両親から溺愛されていたせいで、魔力を使えなくてもいいと考えるようになっていた。
それを知ったのは最近で……知らない当時、私はセローナに協力していた。
私の協力を得たセローナは活躍して、それを全て自分1人で行ったことにしている。
いつもセローナが褒められて、私は期待されてなかったのか興味を持たれず、何もできない無能な姉と呼ばれていた。
その結果――セローナが新たな聖女になるけど、聖女という立場に興味がなかった私は、それでも構わなかった。
いつも通り、聖女となったセローナに協力しようと思っていたある日、私は王の間に呼び出される。
そこで――セローナの婚約者である第二王子ルゼン・ルオドランが、私に告げた。
「セローナから聞いたが……シャロンよ、貴様は様々な悪事を行っていたようだな!」
そう言って……ルゼン殿下はセローナが陰で私に虐げられていたと話を始める。
魔法学園の私が知らない人が現れて、私に口止めされていたとか言い出して……これは明らかに捏造されていた。
「お姉様は無能だと蔑まれていることに苛立ち、陰で私を虐げてきました」
悲しそうな演技をするセローナを見て、ルゼン殿下が私を睨み。
「貴様が無能なのは事実だというのに、愚かな奴だ……2度とセローナを虐げないよう、シャロンは牢に幽閉する!」
誰も反論しない辺り、もう大半の貴族達に話を通していそうだ。
それから――私が何を言っても、王の間の人達は聞き入れてくれなかった。
どうやら新たな聖女の姉が無能だということを、他国に知られたくないらしい。
そしてセローナは私が協力していると発覚したら困るから……陰で虐げられていたと嘘をつき、婚約者を利用することで幽閉しようとしているのでしょう。
聖女という立場の違いか、この場の貴族や王子達、陛下は妹のセローナを信じ、私の発言を信じようとしない。
こうなるともう、私はルオドラン国から出て行こうかと考えてしまうけど……それは、私が居なくてもセローナが聖女として問題ないか確認してからにしよう。
そう決意して幽閉を受け入れるも――数日後、ある魔道具が完成したことにより、実際は逆だと発覚することになっていた。
これはお父様とお母様が優れた魔法士だから、数年前から決まっていたらしい。
数十年に1度――聖なる魔力を扱える人が聖女の力を継承して、新たな聖女となる。
聖女は国を守る偉大な人物で、ザークスト家の令嬢なら大丈夫だと思われていた。
それは、主に私シャロン・ザークストが様々な問題を解決してきたからだけど……それは全て、妹セローナが自分の手柄にしていた。
1つ年下の妹セローナは、昔は病弱で皆から心配されながらも期待されていた。
病弱なのは体内の魔力が強すぎて、それを制御できていないからと言われ続け、それは今でも信じられている。
セローナが魔力を制御できていないのは事実だけど、両親から溺愛されていたせいで、魔力を使えなくてもいいと考えるようになっていた。
それを知ったのは最近で……知らない当時、私はセローナに協力していた。
私の協力を得たセローナは活躍して、それを全て自分1人で行ったことにしている。
いつもセローナが褒められて、私は期待されてなかったのか興味を持たれず、何もできない無能な姉と呼ばれていた。
その結果――セローナが新たな聖女になるけど、聖女という立場に興味がなかった私は、それでも構わなかった。
いつも通り、聖女となったセローナに協力しようと思っていたある日、私は王の間に呼び出される。
そこで――セローナの婚約者である第二王子ルゼン・ルオドランが、私に告げた。
「セローナから聞いたが……シャロンよ、貴様は様々な悪事を行っていたようだな!」
そう言って……ルゼン殿下はセローナが陰で私に虐げられていたと話を始める。
魔法学園の私が知らない人が現れて、私に口止めされていたとか言い出して……これは明らかに捏造されていた。
「お姉様は無能だと蔑まれていることに苛立ち、陰で私を虐げてきました」
悲しそうな演技をするセローナを見て、ルゼン殿下が私を睨み。
「貴様が無能なのは事実だというのに、愚かな奴だ……2度とセローナを虐げないよう、シャロンは牢に幽閉する!」
誰も反論しない辺り、もう大半の貴族達に話を通していそうだ。
それから――私が何を言っても、王の間の人達は聞き入れてくれなかった。
どうやら新たな聖女の姉が無能だということを、他国に知られたくないらしい。
そしてセローナは私が協力していると発覚したら困るから……陰で虐げられていたと嘘をつき、婚約者を利用することで幽閉しようとしているのでしょう。
聖女という立場の違いか、この場の貴族や王子達、陛下は妹のセローナを信じ、私の発言を信じようとしない。
こうなるともう、私はルオドラン国から出て行こうかと考えてしまうけど……それは、私が居なくてもセローナが聖女として問題ないか確認してからにしよう。
そう決意して幽閉を受け入れるも――数日後、ある魔道具が完成したことにより、実際は逆だと発覚することになっていた。
159
あなたにおすすめの小説
【完結】『妹の結婚の邪魔になる』と家族に殺されかけた妖精の愛し子の令嬢は、森の奥で引きこもり魔術師と出会いました。
夏灯みかん
恋愛
メリルはアジュール王国侯爵家の長女。幼いころから妖精の声が聞こえるということで、家族から気味悪がられ、屋敷から出ずにひっそりと暮らしていた。しかし、花の妖精の異名を持つ美しい妹アネッサが王太子と婚約したことで、両親はメリルを一族の恥と思い、人知れず殺そうとした。
妖精たちの助けで屋敷を出たメリルは、時間の止まったような不思議な森の奥の一軒家で暮らす魔術師のアルヴィンと出会い、一緒に暮らすことになった。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
小石だと思っていた妻が、実は宝石だった。〜ある伯爵夫の自滅
みこと。
恋愛
アーノルド・ロッキムは裕福な伯爵家の当主だ。我が世の春を楽しみ、憂いなく遊び暮らしていたところ、引退中の親から子爵家の娘を嫁にと勧められる。
美人だと伝え聞く子爵の娘を娶ってみれば、田舎臭い冴えない女。
アーノルドは妻を離れに押し込み、顧みることなく、大切な約束も無視してしまった。
この縁談に秘められた、真の意味にも気づかずに──。
※全7話で完結。「小説家になろう」様でも掲載しています。
【完結】追放された元聖女は、冒険者として自由に生活します!
夏灯みかん
ファンタジー
生まれながらに強大な魔力を持ち、聖女として大神殿に閉じ込められてきたレイラ。
けれど王太子に「身元不明だから」と婚約を破棄され、あっさり国外追放されてしまう。
「……え、もうお肉食べていいの? 白じゃない服着てもいいの?」
追放の道中出会った剣士ステファンと狼男ライガに拾われ、冒険者デビュー。おいしいものを食べたり、可愛い服を着たり、冒険者として仕事をしたりと、外での自由な生活を楽しむ。
一方、魔物が出るようになった王国では大司教がレイラの回収を画策。レイラの出自をめぐる真実がだんだんと明らかになる。
※表紙イラストはレイラを月塚彩様に描いてもらいました。
【2025.09.02 全体的にリライトしたものを、再度公開いたします。】
【完結】次期聖女として育てられてきましたが、異父妹の出現で全てが終わりました。史上最高の聖女を追放した代償は高くつきます!
林 真帆
恋愛
マリアは聖女の血を受け継ぐ家系に生まれ、次期聖女として大切に育てられてきた。
マリア自身も、自分が聖女になり、全てを国と民に捧げるものと信じて疑わなかった。
そんなマリアの前に、異父妹のカタリナが突然現れる。
そして、カタリナが現れたことで、マリアの生活は一変する。
どうやら現聖女である母親のエリザベートが、マリアを追い出し、カタリナを次期聖女にしようと企んでいるようで……。
2022.6.22 第一章完結しました。
2022.7.5 第二章完結しました。
第一章は、主人公が理不尽な目に遭い、追放されるまでのお話です。
第二章は、主人公が国を追放された後の生活。まだまだ不幸は続きます。
第三章から徐々に主人公が報われる展開となる予定です。
幼い頃に魔境に捨てたくせに、今更戻れと言われて戻るはずがないでしょ!
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
ニルラル公爵の令嬢カチュアは、僅か3才の時に大魔境に捨てられた。ニルラル公爵を誑かした悪女、ビエンナの仕業だった。普通なら獣に喰われて死にはずなのだが、カチュアは大陸一の強国ミルバル皇国の次期聖女で、聖獣に護られ生きていた。一方の皇国では、次期聖女を見つけることができず、当代の聖女も役目の負担で病み衰え、次期聖女発見に皇国の存亡がかかっていた。
婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣国へ行きますね
ルーシャオ
恋愛
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。
失意のメリッサは王立寄宿学校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決断。エミーと名前を変え、隣国アスタニア帝国に渡って書籍商になる。するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出会う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。
婚約者の命令で外れない仮面を着けた私は婚約破棄を受けたから、仮面を外すことにしました
天宮有
恋愛
婚約者バルターに魔法が上達すると言われて、伯爵令嬢の私シエルは顔の半分が隠れる仮面を着けることとなっていた。
魔法は上達するけど仮面は外れず、私達は魔法学園に入学する。
仮面のせいで周囲から恐れられていた私は、バルターから婚約破棄を受けてしまう。
その後、私を恐れていなかった伯爵令息のロランが、仮面の外し方を教えてくれる。
仮面を外しても魔法の実力はそのままで、私の評判が大きく変わることとなっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる