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24話
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応接室で、私はジャック様の話を聞いている。
私が考案してルジャス家が採用しなかったポーションの話になって、自作し、応用したと様々なポーションを見せてくれる。
その行為が信じられなくて、私は思わず尋ねていた。
「あ、あの……机の上に置かれている他のポーションは、私のポーションを参考にした別のポーションですか?」
「そうだ。ポーションは色々派生されるというのは君の提案した書類にも書かれていたが、ポーションに使われた素材は君の知らない素材もあるだろう」
そしてジャック様から話を聞くも……どうやらこの人は、私と同類のようだった。
魔力と魔法に惹かれて、思いのままに行動をしてしまう。
私と違う点として、ジャック様は公爵家の立場を利用して好き放題していた
ジャック様の話を聞いていると……もし私が公爵令嬢として産まれていたら、同じことをしていそうな気がしていた。
成功談と失敗談を楽しく聞いていると、ジャック様は微笑みを浮かべながら呟く。
「ついやり過ぎて下の貴族達や兄上達に恐れられてしまう……結果的に領地が繁栄したのだから、それでいいと思うのだけどな」
どうやら興味を失ったというより、興味が別の所に向くようね。
それが他の貴族達には楽しさを失った玩具のような扱いをされたと思われたようだけど……いや、実際その通りな気がする。
私よりも自己中心的だけど、それを許されるだけの魔力や魔法の才能があるのが、ジャック様だった。
ジャック様は私の話も聞いてくれて、楽しそうな表情を浮かべて。
「今まで話をしてみたいとルジャス家に言ったのだが、無礼になっては失礼だと言われてな……こうして会えてなによりだ!」
「そ、そうなのですか……それは、申しわけありませんでした」
どうやらルジャス家に対してジャック様は声をかけたようだけど、ルジャス家としては私に会わせたくなかったようね。
子爵令嬢の私が無礼な行動をとるに違いないと考え、更にジャック様の悪評から恐れられた結果なのでしょう。
「流石に婚約者が会わせたくないと言ったら会えない……おっと、すまない」
「えっ?」
いきなり謝られて困惑していると、ジャック殿下が辛そうな表情を浮かべて。
「もう婚約を破棄したのだったな……辛いことを思い出させたかもしれない」
「いっ、いえ……大丈夫です」
ポーションについての会話から、ジャック様は思ったことを口に出してしまうのだと推測できている。
それが原因でジャック様は貴族達に恐れられていると思うけど……それより公爵家の貴族が、子爵令嬢の私に頭を下げたのが信じられない。
今まで会ってきた貴族の人達は、カルスとの婚約を破棄されたことを話して、自分が新たな婚約者になりたそうにしている人しか居なかった。
私が触れて欲しくないと推測して婚約の話をしないジャック様は他の人と違って――そんなジャック様に私は惹かれつつあった。
私が考案してルジャス家が採用しなかったポーションの話になって、自作し、応用したと様々なポーションを見せてくれる。
その行為が信じられなくて、私は思わず尋ねていた。
「あ、あの……机の上に置かれている他のポーションは、私のポーションを参考にした別のポーションですか?」
「そうだ。ポーションは色々派生されるというのは君の提案した書類にも書かれていたが、ポーションに使われた素材は君の知らない素材もあるだろう」
そしてジャック様から話を聞くも……どうやらこの人は、私と同類のようだった。
魔力と魔法に惹かれて、思いのままに行動をしてしまう。
私と違う点として、ジャック様は公爵家の立場を利用して好き放題していた
ジャック様の話を聞いていると……もし私が公爵令嬢として産まれていたら、同じことをしていそうな気がしていた。
成功談と失敗談を楽しく聞いていると、ジャック様は微笑みを浮かべながら呟く。
「ついやり過ぎて下の貴族達や兄上達に恐れられてしまう……結果的に領地が繁栄したのだから、それでいいと思うのだけどな」
どうやら興味を失ったというより、興味が別の所に向くようね。
それが他の貴族達には楽しさを失った玩具のような扱いをされたと思われたようだけど……いや、実際その通りな気がする。
私よりも自己中心的だけど、それを許されるだけの魔力や魔法の才能があるのが、ジャック様だった。
ジャック様は私の話も聞いてくれて、楽しそうな表情を浮かべて。
「今まで話をしてみたいとルジャス家に言ったのだが、無礼になっては失礼だと言われてな……こうして会えてなによりだ!」
「そ、そうなのですか……それは、申しわけありませんでした」
どうやらルジャス家に対してジャック様は声をかけたようだけど、ルジャス家としては私に会わせたくなかったようね。
子爵令嬢の私が無礼な行動をとるに違いないと考え、更にジャック様の悪評から恐れられた結果なのでしょう。
「流石に婚約者が会わせたくないと言ったら会えない……おっと、すまない」
「えっ?」
いきなり謝られて困惑していると、ジャック殿下が辛そうな表情を浮かべて。
「もう婚約を破棄したのだったな……辛いことを思い出させたかもしれない」
「いっ、いえ……大丈夫です」
ポーションについての会話から、ジャック様は思ったことを口に出してしまうのだと推測できている。
それが原因でジャック様は貴族達に恐れられていると思うけど……それより公爵家の貴族が、子爵令嬢の私に頭を下げたのが信じられない。
今まで会ってきた貴族の人達は、カルスとの婚約を破棄されたことを話して、自分が新たな婚約者になりたそうにしている人しか居なかった。
私が触れて欲しくないと推測して婚約の話をしないジャック様は他の人と違って――そんなジャック様に私は惹かれつつあった。
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