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23話

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 私は応接室で、ジャック様を待っている。

「もう4度目……そしてこれが終わったら、私は婚約者を選ばなければならない……」

 今までの人が婚約したいと言ってくれて、カルスと関わらなくて済みそうなのはよかった。

 それでも3人ともカルスと同じような気がして……子爵令嬢だから言うことを聞くと、あの3人は思っていそう。

「それは仕方ないと思うけど、どうしてもカルスを思い出しちゃうのよね……」

 話し合ってカルスとは違うことはわかっているし、魔法や魔力に関しての知識もあった。

 それでも私と比べると3人ともそこまで凄くなくて……魔法について私が色々と補足すると、少し不愉快そうにしながらも納得してくれた。

 あれは――まだ婚約していないから仕方ない、婚約してから正そう。と思っていそうな気がする。

 カルスと関わり過ぎたから思い込みなのかもしれないけど、発言の節々から子爵令嬢だと見下していたのは間違いない。

「私の魔法に関する知識は欲しいけど、子爵令嬢に教えられるのは嫌……そんな反応をしていたわね」

 子爵令嬢でもここまで優秀なのだから、自分にも才能があり、私が開花させる手伝いをして欲しいと言ってる人もいた。

 そんなの私にもできるわけがなくて……立場の違いから遠回しに断ったけど、侯爵家の人だから不安になる。

 婚約破棄したばかり、他にも求婚を申し込んでいる人が居る。で通すのも限度がある。

 あの3人は私が何をできるのか聞いてきたり、婚約するというよりも自分の領地を繁栄させたいという野望ばかりだった。

「私と関わりたい人は、そんな人ばかりなのかしら……」

 思わず呟くと――どうやらジャック様が来たようで、私は不愉快にさせないよう気を張り巡らせている。

 そして応接間の扉が開き――そこには、長身で長い銀髪をなびかせている絶世の美少年の姿があった。

 ローウォン家の三男。
 私より1つ年下の16歳とは聞いていたけど、私より年上に見える風格がある。

 茫然としてしまうもハッとして、私はお母様に叩き込まれた優美な一礼を見せ。

「初めまして……私はパトリシア・アズローナです」

「ああ。私はジャック。ローウォン公爵家の権力を使って好き勝手している!」

 自分で言うのか。
 思わず唖然としていると、ジャック様は目を輝かせながら。

「君のポーションの考案に心を奪われた! 試しに私は、実際に作ってきたんだ!!」

「えっ!?」

 いきなり私の考案したポーションを自作したと言って、テーブルに液体の入った瓶を置いてくる。

 自分が使う分なら自作しても問題ないらしいけど、完成品を見られるとは思わなかった。

 素材の質を見極める力が私と同じぐらいあるということで、調合する技術も持っている。

 私はジャック様に驚き、それから魔法の話になって……ジャック様は、今までの人とは何もかもが違っていた。
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