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22話

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 ジャック様と出会う当日――私達家族は、食卓で朝食をとっている。

 お母様は楽しそうにしているも、お父様は不安になっていた。

 あそこまで不安にしているお父様も珍しくて、私は尋ねる。

「えっと……ジャック様は、そこまでの人なのですか?」

「……そうだね。パトリシアも今まで会った貴族の人達から、聞いたりしなかったかい?」

 私と関わった貴族達……侯爵家、伯爵家、侯爵家の順だったけど、皆ジャック様の異質さを語っていた。

 恐らく私がジャック様と婚約者になると困るから、誇張して言っていると思っていたけど、お父様の反応から真実のような気がする。

「流石にジャック様の悪口は言えないようでしたが、とんでもないことをする人のようですね」

「……そうだね。とにかく色んな場所に様々な命令を出すらしい。下の貴族達を玩具のようだと思っているようだ」

 気に入った貴族に命令して、その命令が果たせなかったら興味を失ったように関わらない……貴族達はそう言っていた。

 それもかなり無理難題のようで、婚約者が居ないせいかジャック様はフットワークが軽いらしい。

 今回会うのが一番遅いのも様々な場所を巡っているからのようで、情報収集をしたのかお父様は不安になっていた。

「被害に合った貴族の人から話を聞いたが……ローウォン家に認められるかどうかで必死になって成果は出すも、興味を失われたから今後が不安になっているらしい」

 成果を出しているのだから別にいいと思うけど、ローウォン家の満足いく結果でなかったと思っているのだろうか。

 ジャック様は公爵家の貴族として指示を出し、興味を失えれば関わらない……これは悪い噂になるのも頷けるわね。

「パトリシアなら大丈夫よ。今まで通りに接すれば何も問題ないはずだわ!」

 お母様が意気込むも、お父様は溜息を吐いて。

「そうだといいけど……敵視された時を考えると、アズローナ家が終わりそうで不安になるよ……」

 ここまで不安定になっているお父様は珍しくて、私も恐怖するしかない。

 無礼だと思われないようにしなければならないと、私は気を張り巡らせていた。
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