20 / 25
番外編
3話
しおりを挟む
学園は春休みになって、私はウルル、ジリクと一緒に応接室で人を待っていた。
数日前にお父さまが、冒険者ギルドから連絡を受けたようだ。
相談したいことがあるようでジリクに事情を話すと、婚約者として一緒に話を聞くと言ってくれた。
約束の時間にはなっていないから、私はジリク達と話をすることにしていた。
「冒険者ギルドの人が来るみたいだけど、何の用かしら?」
「間違いなくウルルの力を借りようとしている。どうするかは話を聞いてからにしよう」
『わかったよ。でも……人々を助けている冒険者が困っているのなら、力になりたいな』
「ウルルの気持ちはわかっている。冒険者ギルドが私達を子供と侮っているかどうかだ」
これからやって来る冒険者ギルドの人を、ジリクは警戒している。
最初の対応次第で、話だけ聞いて司教さまに相談するつもりのようだ。
約束の時間になって――冒険者ギルドの人が、応接室に入って椅子に座る。
「はじめまして。私は、冒険者のホルトと申します」
お父さまから、ホルトのことは聞いていた。
短い金髪の好青年で、ジェドフ国で活躍している優秀な冒険者らしい。
立場は平民だから、敬語で話さない方が相手的にもいいようだ。
「私はライラ、そして神獣のウルル」
「ジリクだ。話したいこととはなんだ?」
挨拶を済ませて、ジリクが尋ねる。
ホルトは頭を下げて、私達に話した。
「はい――皆さまには、冒険者ギルドの依頼を受けて欲しいと考えています」
「それは、私達に冒険者になって欲しいということか?」
「いいえ! 魔法学園が春休みの間だけ、冒険者ギルドの依頼を受けても問題ないようにいたしました!」
ジリクが発言に少し力を籠めると、ホルトは焦りながら断言する。
国内で異変が起きているから、ウルルの力を借りたいようだ。
「ここ最近、森のモンスターが狂暴化しています。数が多いようで、冒険者ギルドの応援が来る前に村や街を襲う可能性があるみたいです」
「ウルルが聖域を張ったことで、影響が出てしまった可能性があるな」
「本来なら私達冒険者ギルドが解決しなければならない問題です。それでも、可能ならお願いできないでしょうか?」
「……ライラとウルルは、どうしたい?」
ホルトの話を聞くに、ウルルの力が強すぎて起きたかもしれないらしい。
国の危機でもあるから、私は行動したいと思っている。
ウルルは強力なモンスターが国内に現れたらわかるけど、反応していないから数が多いだけでそこまで強くなさそうだ。
『強いモンスターの気配は今でも察知していないけど、規模が大きくなる前に解決した方がよさそうだ』
「私もウルルと同じ考えだから、行った方がいいと思う」
「わかった。今回は冒険者ギルドの依頼を受けよう」
私達の発言を聞いて、ジリクが納得してくれる。
これから私達は、魔獣が多く住んでいる森へ向かうことにしていた。
◇◆◇
私とジリクはウルルに乗って、ホルトは収納魔法から取り出した魔道具の板に乗ることで森に向かっている。
板の魔道具にはローラーがついていて、魔力で加速できるようだ。
木々の多い場所では使えないから、森に到着してからは徒歩となる。
私達は聖域の恩恵を受けている森の中に入り、歩いているとホルトが話す。
「ここはウルルさまの聖域が干渉している森で、今までより遙かに多くの魔獣が生息するようになりました」
「多くの魔獣……見当たらないけどね」
様々な種類の魔獣が見られると期待していたけど、未だに魔獣やモンスターと遭遇しない。
どうやらモンスターが多く発生しているから、魔獣は狙われないよう警戒して隠れているようだ。
「モンスターは、ウルルが察知できない程度の力だから大したことないよね」
『うん。それでも今の内に倒しておきたいかな』
「ウルルさまは神獣という立場でも増長しない、素晴らしい契約獣ですね」
「……えっ?」
同行しているホルトの発言に、私は驚く。
契約獣の発言は、主の私と契約魔法に長けたジリクしか今までわからなかった。
ジリクも同じ考えのようで、ホルトに尋ねる。
「ホルトも私のように、契約獣の言葉がわかるのか?」
「発言に籠められた感情が少しだけわかる程度で、ほとんど推測です」
全て聞きとって会話できるジリクの方が、ホルトより契約魔法に詳しい。
魔獣が発言に籠めた感情がわかるだけでも、魔法士として優秀な人だと理解できる。
「それでもホルトは、魔獣を契約獣にしないのか?」
「はい。魔獣と仲良くできません……私が、常にモンスターと戦う生活を送り続けていたからでしょう」
平民として生まれて、モンスターや魔獣を危険な存在だと考えていた。
その警戒心を解くことができず、魔獣が心を開かないからホルトと契約する魔獣がいないようだ。
話をしつつ森を探索していると、ウルルの全身が震える。
「ウルル?」
『どうやら、強力なモンスターが発生したようだ』
その発言と同時に、私達のもとに鹿の姿をしたモンスターが群れで現れた。
木の陰に隠れていたようだけど、数が多くて私達が森に入ってから準備していたとしか思えない。
一頭だけ明らかに大きい鹿のモンスターがいて、ウルルが強さを察知できるほどのようだ。
鹿達は全身を紅く光らせているのが不気味で、急に強い力をウルルが感じ取った理由もわかっていない。
それでもウルルの方が遥かに強いから、前足に籠めた魔力を砲弾にして放つことで鹿達を撃退していく。
神獣となったウルルの力は圧倒的で……私は、木の枝に乗っているフェレットが気になっていた。
「あれは……魔獣かしら?」
金色の毛をした謎のフェレットが、目を紅く光らせている。
その色はモンスターの肉体に纏っている光と同じ色で、多分フェレットの魔法による命令をモンスター達が聞いていそう。
鹿の他にもオークや怪鳥も現われて、体を紅く光らせながら私達に襲いかかろうとしていた。
『どうやらあのフェレットがモンスターを操り、仲間同士を戦わせて強化していたみたいだね』
「そんなことができるの?」
「モンスターがモンスターを倒すと、魔力を得て強くなると聞いたことがある。あそこにいるフェレットの魔獣はそれを利用して、従えたモンスターと戦わせ合うことで育てていたのかもしれない」
「あの魔法は補助魔法による強化。正体もわかりましたし、撤退した方がいいかもしれません」
フェレットは飛び跳ねて木々を飛び移ることで姿を消して、紅い光を浴びたモンスターが私達に迫る。
今のウルルは聖域の恩恵もあって、この程度のモンスター達は脅威ではない。
前足に籠めた魔力の攻撃を何発も繰り出すことで全て撃退することができたけど、この事態を引き起こしたフェレットの姿はどこにもなかった。
「強化魔法を受けたモンスターを一撃とは……神獣ウルルさまの力は素晴らしい!」
「私とジリクは慣れたけど、ウルルの強さを知らなかった人が見ると驚くものね」
「冒険者ギルドはウルルに任せて正解だった。聞いていた情報とは戦力が違い過ぎる」
「そうですね。依頼を受けてくださり、ありがとうございます!」
ホルトが感謝しているけど、依頼はまだ終わっていない気がする。
ジリクとホルトは、私と考えが違うようだ。
「私達を見つめていたフェレットは、この国では見かけない姿をしていた」
「あれは他国に存在する希少な魔獣です。膨大な魔力を持ち強化魔法を使えば知性の少ないモンスターを操れるようですが、ジェドフ国には生息していない魔獣のはず」
「聖域の力に惹かれたのかもしれない。モンスターを排除しようとして、争わせた結果のような気がする」
「ウルルさまに怯えて逃げ去っていましたし、あの魔獣は故郷に帰りそうです。それでも念のため森の調査はしておきましょう」
ホルトは森に生息するモンスターの数は調査していたから把握できていたけど、強化魔法を使う魔獣がモンスターの群れを従えていたのは予想外だった。
フェレットの魔獣は操るモンスターがいなくなって、ウルルに恐怖しているから故郷に戻る可能性が高いらしい。
依頼内容はモンスターの排除だったから、ウルルの力によって達成していたようだ。
話を聞き、私は気になったことがある。
どうやらウルルも同じ考えのようで、先に尋ねていた。
『魔力を持った動物が魔獣で、人を傷つける魔獣はモンスターとして扱われるんじゃなかったっけ?』
「モンスターは魔力を得るために人を襲うから排除しなければならないけど、魔獣は普通の動物が魔力を持っただけだ。理由次第になる」
「これから私が上の方に報告して、今後の行動次第ではモンスターとして対応することになるでしょう」
モンスターを利用していただけだから、判断が難しいようだ。
聖域による恩恵は大きいけど、それによって問題も発生してしまう。
多くの魔獣が暮らせる場所になれたのは嬉しいけど、モンスターも増えるようだ。
「これから冒険者ギルドが調査するみたいだから、ライラは何も気にしなくていい」
「ええ。それより……ここで暮らしている魔獣達は大丈夫かしら?」
モンスターの数を見て、私は魔獣達が気になっている。
そんな時、私の元に様々な動物がやって来ていた。
「これは……皆ウルルさまに感謝しているようです」
タヌキやキツネにウサギ、小さいリスの魔獣達が私達の前に姿を現す。
敵意はないようで、私達に何かを話している。
今までモンスターに恐怖して隠れていたようだけど、ウルルが対処してくれたことに喜んでいるらしい。
ウルルが主について話すと、森の動物達が私のもとに集まっていた。
魔獣達は私を囲んで言いたいことがあるようだけど、発言の意味はわかっていない。
『僕達にお礼を言ってるよ』
「そうみたいね。発言はわからないけど、行動で理解できたもの」
魔獣の子達が嬉しそうなことはわかるし、触れ合えていた。
依頼を受けて魔獣達を助けることができて、よかったと想っている。
もふもふとした動物達に囲まれた私は、これからも頑張ることができそうだ。
数日前にお父さまが、冒険者ギルドから連絡を受けたようだ。
相談したいことがあるようでジリクに事情を話すと、婚約者として一緒に話を聞くと言ってくれた。
約束の時間にはなっていないから、私はジリク達と話をすることにしていた。
「冒険者ギルドの人が来るみたいだけど、何の用かしら?」
「間違いなくウルルの力を借りようとしている。どうするかは話を聞いてからにしよう」
『わかったよ。でも……人々を助けている冒険者が困っているのなら、力になりたいな』
「ウルルの気持ちはわかっている。冒険者ギルドが私達を子供と侮っているかどうかだ」
これからやって来る冒険者ギルドの人を、ジリクは警戒している。
最初の対応次第で、話だけ聞いて司教さまに相談するつもりのようだ。
約束の時間になって――冒険者ギルドの人が、応接室に入って椅子に座る。
「はじめまして。私は、冒険者のホルトと申します」
お父さまから、ホルトのことは聞いていた。
短い金髪の好青年で、ジェドフ国で活躍している優秀な冒険者らしい。
立場は平民だから、敬語で話さない方が相手的にもいいようだ。
「私はライラ、そして神獣のウルル」
「ジリクだ。話したいこととはなんだ?」
挨拶を済ませて、ジリクが尋ねる。
ホルトは頭を下げて、私達に話した。
「はい――皆さまには、冒険者ギルドの依頼を受けて欲しいと考えています」
「それは、私達に冒険者になって欲しいということか?」
「いいえ! 魔法学園が春休みの間だけ、冒険者ギルドの依頼を受けても問題ないようにいたしました!」
ジリクが発言に少し力を籠めると、ホルトは焦りながら断言する。
国内で異変が起きているから、ウルルの力を借りたいようだ。
「ここ最近、森のモンスターが狂暴化しています。数が多いようで、冒険者ギルドの応援が来る前に村や街を襲う可能性があるみたいです」
「ウルルが聖域を張ったことで、影響が出てしまった可能性があるな」
「本来なら私達冒険者ギルドが解決しなければならない問題です。それでも、可能ならお願いできないでしょうか?」
「……ライラとウルルは、どうしたい?」
ホルトの話を聞くに、ウルルの力が強すぎて起きたかもしれないらしい。
国の危機でもあるから、私は行動したいと思っている。
ウルルは強力なモンスターが国内に現れたらわかるけど、反応していないから数が多いだけでそこまで強くなさそうだ。
『強いモンスターの気配は今でも察知していないけど、規模が大きくなる前に解決した方がよさそうだ』
「私もウルルと同じ考えだから、行った方がいいと思う」
「わかった。今回は冒険者ギルドの依頼を受けよう」
私達の発言を聞いて、ジリクが納得してくれる。
これから私達は、魔獣が多く住んでいる森へ向かうことにしていた。
◇◆◇
私とジリクはウルルに乗って、ホルトは収納魔法から取り出した魔道具の板に乗ることで森に向かっている。
板の魔道具にはローラーがついていて、魔力で加速できるようだ。
木々の多い場所では使えないから、森に到着してからは徒歩となる。
私達は聖域の恩恵を受けている森の中に入り、歩いているとホルトが話す。
「ここはウルルさまの聖域が干渉している森で、今までより遙かに多くの魔獣が生息するようになりました」
「多くの魔獣……見当たらないけどね」
様々な種類の魔獣が見られると期待していたけど、未だに魔獣やモンスターと遭遇しない。
どうやらモンスターが多く発生しているから、魔獣は狙われないよう警戒して隠れているようだ。
「モンスターは、ウルルが察知できない程度の力だから大したことないよね」
『うん。それでも今の内に倒しておきたいかな』
「ウルルさまは神獣という立場でも増長しない、素晴らしい契約獣ですね」
「……えっ?」
同行しているホルトの発言に、私は驚く。
契約獣の発言は、主の私と契約魔法に長けたジリクしか今までわからなかった。
ジリクも同じ考えのようで、ホルトに尋ねる。
「ホルトも私のように、契約獣の言葉がわかるのか?」
「発言に籠められた感情が少しだけわかる程度で、ほとんど推測です」
全て聞きとって会話できるジリクの方が、ホルトより契約魔法に詳しい。
魔獣が発言に籠めた感情がわかるだけでも、魔法士として優秀な人だと理解できる。
「それでもホルトは、魔獣を契約獣にしないのか?」
「はい。魔獣と仲良くできません……私が、常にモンスターと戦う生活を送り続けていたからでしょう」
平民として生まれて、モンスターや魔獣を危険な存在だと考えていた。
その警戒心を解くことができず、魔獣が心を開かないからホルトと契約する魔獣がいないようだ。
話をしつつ森を探索していると、ウルルの全身が震える。
「ウルル?」
『どうやら、強力なモンスターが発生したようだ』
その発言と同時に、私達のもとに鹿の姿をしたモンスターが群れで現れた。
木の陰に隠れていたようだけど、数が多くて私達が森に入ってから準備していたとしか思えない。
一頭だけ明らかに大きい鹿のモンスターがいて、ウルルが強さを察知できるほどのようだ。
鹿達は全身を紅く光らせているのが不気味で、急に強い力をウルルが感じ取った理由もわかっていない。
それでもウルルの方が遥かに強いから、前足に籠めた魔力を砲弾にして放つことで鹿達を撃退していく。
神獣となったウルルの力は圧倒的で……私は、木の枝に乗っているフェレットが気になっていた。
「あれは……魔獣かしら?」
金色の毛をした謎のフェレットが、目を紅く光らせている。
その色はモンスターの肉体に纏っている光と同じ色で、多分フェレットの魔法による命令をモンスター達が聞いていそう。
鹿の他にもオークや怪鳥も現われて、体を紅く光らせながら私達に襲いかかろうとしていた。
『どうやらあのフェレットがモンスターを操り、仲間同士を戦わせて強化していたみたいだね』
「そんなことができるの?」
「モンスターがモンスターを倒すと、魔力を得て強くなると聞いたことがある。あそこにいるフェレットの魔獣はそれを利用して、従えたモンスターと戦わせ合うことで育てていたのかもしれない」
「あの魔法は補助魔法による強化。正体もわかりましたし、撤退した方がいいかもしれません」
フェレットは飛び跳ねて木々を飛び移ることで姿を消して、紅い光を浴びたモンスターが私達に迫る。
今のウルルは聖域の恩恵もあって、この程度のモンスター達は脅威ではない。
前足に籠めた魔力の攻撃を何発も繰り出すことで全て撃退することができたけど、この事態を引き起こしたフェレットの姿はどこにもなかった。
「強化魔法を受けたモンスターを一撃とは……神獣ウルルさまの力は素晴らしい!」
「私とジリクは慣れたけど、ウルルの強さを知らなかった人が見ると驚くものね」
「冒険者ギルドはウルルに任せて正解だった。聞いていた情報とは戦力が違い過ぎる」
「そうですね。依頼を受けてくださり、ありがとうございます!」
ホルトが感謝しているけど、依頼はまだ終わっていない気がする。
ジリクとホルトは、私と考えが違うようだ。
「私達を見つめていたフェレットは、この国では見かけない姿をしていた」
「あれは他国に存在する希少な魔獣です。膨大な魔力を持ち強化魔法を使えば知性の少ないモンスターを操れるようですが、ジェドフ国には生息していない魔獣のはず」
「聖域の力に惹かれたのかもしれない。モンスターを排除しようとして、争わせた結果のような気がする」
「ウルルさまに怯えて逃げ去っていましたし、あの魔獣は故郷に帰りそうです。それでも念のため森の調査はしておきましょう」
ホルトは森に生息するモンスターの数は調査していたから把握できていたけど、強化魔法を使う魔獣がモンスターの群れを従えていたのは予想外だった。
フェレットの魔獣は操るモンスターがいなくなって、ウルルに恐怖しているから故郷に戻る可能性が高いらしい。
依頼内容はモンスターの排除だったから、ウルルの力によって達成していたようだ。
話を聞き、私は気になったことがある。
どうやらウルルも同じ考えのようで、先に尋ねていた。
『魔力を持った動物が魔獣で、人を傷つける魔獣はモンスターとして扱われるんじゃなかったっけ?』
「モンスターは魔力を得るために人を襲うから排除しなければならないけど、魔獣は普通の動物が魔力を持っただけだ。理由次第になる」
「これから私が上の方に報告して、今後の行動次第ではモンスターとして対応することになるでしょう」
モンスターを利用していただけだから、判断が難しいようだ。
聖域による恩恵は大きいけど、それによって問題も発生してしまう。
多くの魔獣が暮らせる場所になれたのは嬉しいけど、モンスターも増えるようだ。
「これから冒険者ギルドが調査するみたいだから、ライラは何も気にしなくていい」
「ええ。それより……ここで暮らしている魔獣達は大丈夫かしら?」
モンスターの数を見て、私は魔獣達が気になっている。
そんな時、私の元に様々な動物がやって来ていた。
「これは……皆ウルルさまに感謝しているようです」
タヌキやキツネにウサギ、小さいリスの魔獣達が私達の前に姿を現す。
敵意はないようで、私達に何かを話している。
今までモンスターに恐怖して隠れていたようだけど、ウルルが対処してくれたことに喜んでいるらしい。
ウルルが主について話すと、森の動物達が私のもとに集まっていた。
魔獣達は私を囲んで言いたいことがあるようだけど、発言の意味はわかっていない。
『僕達にお礼を言ってるよ』
「そうみたいね。発言はわからないけど、行動で理解できたもの」
魔獣の子達が嬉しそうなことはわかるし、触れ合えていた。
依頼を受けて魔獣達を助けることができて、よかったと想っている。
もふもふとした動物達に囲まれた私は、これからも頑張ることができそうだ。
24
あなたにおすすめの小説
神獣を育てた平民は用済みですか? だけど、神獣は国より私を選ぶそうですよ
黒木 楓
恋愛
旧題:神獣を育てた私は平民は用済みと言われ国を追い出されるも、神獣は国より私を選んだようです
伝説のスキル「テイマー」の力が目覚めた平民のノネットは、両親に売り飛ばされてしまう。
動物を一頭だけ国を守る神獣にまで育てることが可能なノネットは、城で神獣を育てながら暮らしていた。
育てた神獣は国を守る結界が張れるようになり、「役目を終えた平民は用済み」と国を追い出されることになってしまう。
平民の私が何を言っても生活を捨てたくない虚言にしかとられず、国を出た私の目の前に神獣がやって来る。
やっぱり神獣は国より私を選んだみたいだけど、これは忠告を聞かず追い出すことに決めた国王や王子、貴族達が悪い。
もし追い出されることになったら招待すると隣国の王子に言われていた言葉を思い出し、私は神獣と隣国に向かおうとしていた。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
地味な私では退屈だったのでしょう? 最強聖騎士団長の溺愛妃になったので、元婚約者はどうぞお好きに
有賀冬馬
恋愛
「君と一緒にいると退屈だ」――そう言って、婚約者の伯爵令息カイル様は、私を捨てた。
選んだのは、華やかで社交的な公爵令嬢。
地味で無口な私には、誰も見向きもしない……そう思っていたのに。
失意のまま辺境へ向かった私が出会ったのは、偶然にも国中の騎士の頂点に立つ、最強の聖騎士団長でした。
「君は、僕にとってかけがえのない存在だ」
彼の優しさに触れ、私の世界は色づき始める。
そして、私は彼の正妃として王都へ……
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつもりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
ここは私の邸です。そろそろ出て行ってくれます?
藍川みいな
恋愛
「マリッサ、すまないが婚約は破棄させてもらう。俺は、運命の人を見つけたんだ!」
9年間婚約していた、デリオル様に婚約を破棄されました。運命の人とは、私の義妹のロクサーヌのようです。
そもそもデリオル様に好意を持っていないので、婚約破棄はかまいませんが、あなたには莫大な慰謝料を請求させていただきますし、借金の全額返済もしていただきます。それに、あなたが選んだロクサーヌは、令嬢ではありません。
幼い頃に両親を亡くした私は、8歳で侯爵になった。この国では、爵位を継いだ者には18歳まで後見人が必要で、ロクサーヌの父で私の叔父ドナルドが後見人として侯爵代理になった。
叔父は私を冷遇し、自分が侯爵のように振る舞って来ましたが、もうすぐ私は18歳。全てを返していただきます!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
『壁の花』の地味令嬢、『耳が良すぎる』王子殿下に求婚されています〜《本業》に差し支えるのでご遠慮願えますか?〜
水都 ミナト
恋愛
マリリン・モントワール伯爵令嬢。
実家が運営するモントワール商会は王国随一の大商会で、優秀な兄が二人に、姉が一人いる末っ子令嬢。
地味な外観でパーティには来るものの、いつも壁側で1人静かに佇んでいる。そのため他の令嬢たちからは『地味な壁の花』と小馬鹿にされているのだが、そんな嘲笑をものととせず彼女が壁の花に甘んじているのには理由があった。
「商売において重要なのは『信頼』と『情報』ですから」
※設定はゆるめ。そこまで腹立たしいキャラも出てきませんのでお気軽にお楽しみください。2万字程の作品です。
※カクヨム様、なろう様でも公開しています。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。