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番外編
2話
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休日が終わり、私は魔法学園に向かっている。
今日は月に一度ある契約獣を連れてきていい日で、私はウルルに乗って登校していた。
昼休みになって、私はウルルが待っている校庭に向かう。
昼食はウルルやジリク達と一緒に食べたいから、弁当を持ってきている。
ジリクはまだ来ていないようだけど、ウルルは今までの活躍から私が来るまで生徒達と触れ合っていた。
そんなウルルの元に向かっていると、私の前にクラスメイトのマーカスが立っていた。
マーカスは、ディアスの取り巻きだった人だ。
短い黒髪の少年で、茶色く小さなリスの契約獣を肩に乗せている。
可愛いリスと違いマーカスは睨んでいる辺り、私を敵視していそう。
ウルルが生徒達に囲まれて動けなさそうな状況で、私に向かってマーカスが話す。
「ディアスさまを失脚させた白狼と、触れ合う人々が理解できません」
「ウルルの活躍はご存じだと思いますけど、マーカスさまは何が言いたいのですか?」
「私はあの白狼を神獣と認めない。そしてライラさまも、神獣の主に相応しいとは思えません」
ディアスの末路は自業自得なのに、取り巻きだったマーカスは納得してないようだ。
強い口調で威圧してきたけど、私は内心呆れてしまう。
これはただの逆恨みだから、私は冷静に返答する。
「今はそうかもしれませんけど、これから頑張っていきます」
「ぐっっ……そうですか。いずれ自らの弱さを嘆くこととなるでしょう!」
動揺したマーカスは叫び、私から離れていく。
私の元にジリクが来ていたようで、マーカスは話を切り上げて逃げるようにこの場を去っていた。
ジリクはクインと一緒だけど……クインが男子生徒の制服を着ているのは、未だに慣れない。
「クインとはよく会うけど、レールドとは久しぶりね」
そう言って、私はクインの傍にいたライオンの契約獣レールドの柔らかい金色の毛を撫でる。
嬉しそうにがうがうとレールドは話しているけど、私には発言の意味がわからない。
そのことを知っているクインは、レールドの発言を教えてくれた。
「レールドも、ライラさまに会えて嬉しいと仰っています。ウルルさまは凄い人気ですね」
「今までの活躍的に当然だと思う。それより……さっきライラに話しかけていた人はマーカスさまのようだが、何か言われたのか?」
ジリクとしては、私に話しかけていたマーカスが気になっているようだ。
ウルルもマーカスの敵意を察知していたようで、近くに来てくれる。
『僕を神獣と認めないって言ってたよ。それだけだから、気にしなくてよさそうだ』
私が神獣の主に相応しくないと言われたことを、ウルルはジリクに話さなかった。
それは数日前に、私が気にしていたことを知っているから。
ジリクの話を聞いて平気になったけど、ウルルはジリクが気にしてしまうかもしれないと考えたのかもしれない。
「そうか。マーカスさまの肩に契約獣のリスがいただろう。フロスという名前で、ディアスと関わってから契約できたようだ」
「そうなの?」
「ディアスと関わってから急に成績がよくなった生徒だから、失脚した今でも慕っていそうだ。ライラを敵視するのはただの逆恨みでしかないな」
ジリクは詳しいけど、私を敵対しそうな人は調べているらしい。
今までは王子の取り巻きという立場のマーカスは、精神的に楽だったのが崩壊した。
その原因が私だと思い込んでいるようだけど、悪いのは全てディアスだ。
「マーカスさまは最近、ウルルが怖い存在と言い広めて失敗している」
「そんなこともしていたのね」
「私も聞きました。ウルルさまの活躍から、怖いと思う人はあまりいないみたいです」
「あまり……いないわけじゃないのは、少し残念かな」
ジリクが噂を聞き、クインも知っていたようだ。
前まではディアスのせいで、ウルルは怖がられていた。
今はウルルの凄さを学園の生徒達は知っているけど、それでも未だに怖がる人はいるらしい。
ディアスのせいだから仕方ないと、割り切ることにしよう。
ウルルはレールドと話し合って、話題は主を守る行動についてのようだ。
私がわかるのはウルルの発言だけど、そこから推測することはできる。
会話をしている姿が可愛いと思っていると、ジリクが言う。
「またライラに敵意を持って話してきたら、私はマーカスを許さない。徹底的に叩き潰すとしよう!」
「私は気にしていないから。ジリクの行動が問題になるかもしれない方が気になるよ!」
右手を力強くジリクが握り、やる気に満ちていた。
物凄くマーカスに怒っているようで、不安になった私は宥めている。
「そ、そうか……来月になれば、私は傍でライラを守ることができそうだ」
「来月?」
ジリクの発言を聞き、私は首を傾げてしまう。
何かあるのだろうかと思案していると、クインが落ち込んでいた。
「来週から春休み。その後は新年度ですか……ジリクさまと違うクラスになるのは、寂しいです」
「クラスは成績で決まるから、クインとジリクは同じクラスになると思うよ」
「そのことだが……正式に決まったのが今日だから、今までライラには話していなかったことがある」
「えっ?」
ジリクとクインが何を知っているのか、私にはまったくわからない。
困惑してしまうと、ジリクは嬉しそうな表情を浮かべる。
「私は来月、新学年になった際にライラと同じクラスになる」
「えええぇぇっ!?」
まったく想像していなかったことで、私は驚いていた。
そんなことができるだなんて、聞いたことがない。
どうしてそこまでジリクを特別扱いできるのだろうかと考えていると、理由を話してくれる。
「成績のよさと、神獣の主ライラの婚約者として傍にいたいと提案した」
「ジリクさまの成績なら納得です……別のクラスになって会う機会が減っても、私と話して欲しいです」
「話すわよ。ウルルもレールドと仲がいいし、当たり前じゃない」
「ライラさま。ありがとうございます!」
「と、当然よ」
目が潤んで喜んでいるクインの姿は、男子生徒の制服を着た女子にしか見えない。
男子とは思えない可愛さに動揺してしまい、私はジリクに話す。
「今もクラスで孤立している私を、ジリクは心配してくれたのね」
「それもあるけど、私がライラと一緒にいたかった」
今までディアスのせいで、私はクラスでは孤立していた。
その過去からか、神獣の主になった今でも孤立しているけど慣れたから気にしていない。
それをジリクは知っているし、私の傍にいたかっただけだ。
「来月からジリクと一緒のクラスなら、学園生活が更に楽しくなるわ!」
ジリクが傍にいてくれるから、今日のように校庭に行ってすぐ敵視されることもなくなる。
本心を話して、私はこれからの学園生活が楽しみになっていた。
今日は月に一度ある契約獣を連れてきていい日で、私はウルルに乗って登校していた。
昼休みになって、私はウルルが待っている校庭に向かう。
昼食はウルルやジリク達と一緒に食べたいから、弁当を持ってきている。
ジリクはまだ来ていないようだけど、ウルルは今までの活躍から私が来るまで生徒達と触れ合っていた。
そんなウルルの元に向かっていると、私の前にクラスメイトのマーカスが立っていた。
マーカスは、ディアスの取り巻きだった人だ。
短い黒髪の少年で、茶色く小さなリスの契約獣を肩に乗せている。
可愛いリスと違いマーカスは睨んでいる辺り、私を敵視していそう。
ウルルが生徒達に囲まれて動けなさそうな状況で、私に向かってマーカスが話す。
「ディアスさまを失脚させた白狼と、触れ合う人々が理解できません」
「ウルルの活躍はご存じだと思いますけど、マーカスさまは何が言いたいのですか?」
「私はあの白狼を神獣と認めない。そしてライラさまも、神獣の主に相応しいとは思えません」
ディアスの末路は自業自得なのに、取り巻きだったマーカスは納得してないようだ。
強い口調で威圧してきたけど、私は内心呆れてしまう。
これはただの逆恨みだから、私は冷静に返答する。
「今はそうかもしれませんけど、これから頑張っていきます」
「ぐっっ……そうですか。いずれ自らの弱さを嘆くこととなるでしょう!」
動揺したマーカスは叫び、私から離れていく。
私の元にジリクが来ていたようで、マーカスは話を切り上げて逃げるようにこの場を去っていた。
ジリクはクインと一緒だけど……クインが男子生徒の制服を着ているのは、未だに慣れない。
「クインとはよく会うけど、レールドとは久しぶりね」
そう言って、私はクインの傍にいたライオンの契約獣レールドの柔らかい金色の毛を撫でる。
嬉しそうにがうがうとレールドは話しているけど、私には発言の意味がわからない。
そのことを知っているクインは、レールドの発言を教えてくれた。
「レールドも、ライラさまに会えて嬉しいと仰っています。ウルルさまは凄い人気ですね」
「今までの活躍的に当然だと思う。それより……さっきライラに話しかけていた人はマーカスさまのようだが、何か言われたのか?」
ジリクとしては、私に話しかけていたマーカスが気になっているようだ。
ウルルもマーカスの敵意を察知していたようで、近くに来てくれる。
『僕を神獣と認めないって言ってたよ。それだけだから、気にしなくてよさそうだ』
私が神獣の主に相応しくないと言われたことを、ウルルはジリクに話さなかった。
それは数日前に、私が気にしていたことを知っているから。
ジリクの話を聞いて平気になったけど、ウルルはジリクが気にしてしまうかもしれないと考えたのかもしれない。
「そうか。マーカスさまの肩に契約獣のリスがいただろう。フロスという名前で、ディアスと関わってから契約できたようだ」
「そうなの?」
「ディアスと関わってから急に成績がよくなった生徒だから、失脚した今でも慕っていそうだ。ライラを敵視するのはただの逆恨みでしかないな」
ジリクは詳しいけど、私を敵対しそうな人は調べているらしい。
今までは王子の取り巻きという立場のマーカスは、精神的に楽だったのが崩壊した。
その原因が私だと思い込んでいるようだけど、悪いのは全てディアスだ。
「マーカスさまは最近、ウルルが怖い存在と言い広めて失敗している」
「そんなこともしていたのね」
「私も聞きました。ウルルさまの活躍から、怖いと思う人はあまりいないみたいです」
「あまり……いないわけじゃないのは、少し残念かな」
ジリクが噂を聞き、クインも知っていたようだ。
前まではディアスのせいで、ウルルは怖がられていた。
今はウルルの凄さを学園の生徒達は知っているけど、それでも未だに怖がる人はいるらしい。
ディアスのせいだから仕方ないと、割り切ることにしよう。
ウルルはレールドと話し合って、話題は主を守る行動についてのようだ。
私がわかるのはウルルの発言だけど、そこから推測することはできる。
会話をしている姿が可愛いと思っていると、ジリクが言う。
「またライラに敵意を持って話してきたら、私はマーカスを許さない。徹底的に叩き潰すとしよう!」
「私は気にしていないから。ジリクの行動が問題になるかもしれない方が気になるよ!」
右手を力強くジリクが握り、やる気に満ちていた。
物凄くマーカスに怒っているようで、不安になった私は宥めている。
「そ、そうか……来月になれば、私は傍でライラを守ることができそうだ」
「来月?」
ジリクの発言を聞き、私は首を傾げてしまう。
何かあるのだろうかと思案していると、クインが落ち込んでいた。
「来週から春休み。その後は新年度ですか……ジリクさまと違うクラスになるのは、寂しいです」
「クラスは成績で決まるから、クインとジリクは同じクラスになると思うよ」
「そのことだが……正式に決まったのが今日だから、今までライラには話していなかったことがある」
「えっ?」
ジリクとクインが何を知っているのか、私にはまったくわからない。
困惑してしまうと、ジリクは嬉しそうな表情を浮かべる。
「私は来月、新学年になった際にライラと同じクラスになる」
「えええぇぇっ!?」
まったく想像していなかったことで、私は驚いていた。
そんなことができるだなんて、聞いたことがない。
どうしてそこまでジリクを特別扱いできるのだろうかと考えていると、理由を話してくれる。
「成績のよさと、神獣の主ライラの婚約者として傍にいたいと提案した」
「ジリクさまの成績なら納得です……別のクラスになって会う機会が減っても、私と話して欲しいです」
「話すわよ。ウルルもレールドと仲がいいし、当たり前じゃない」
「ライラさま。ありがとうございます!」
「と、当然よ」
目が潤んで喜んでいるクインの姿は、男子生徒の制服を着た女子にしか見えない。
男子とは思えない可愛さに動揺してしまい、私はジリクに話す。
「今もクラスで孤立している私を、ジリクは心配してくれたのね」
「それもあるけど、私がライラと一緒にいたかった」
今までディアスのせいで、私はクラスでは孤立していた。
その過去からか、神獣の主になった今でも孤立しているけど慣れたから気にしていない。
それをジリクは知っているし、私の傍にいたかっただけだ。
「来月からジリクと一緒のクラスなら、学園生活が更に楽しくなるわ!」
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