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ー友情ー50

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「俺はてっきり、夜這いにでも来てくれたんかと思うとったわぁ」

 雄介は半分冗談のつもりで言いながらベッドの上へと上がる。

 確かに雄介が言っている事は半分は当たっていて半分は当たってはない。

 それは半分無理矢理和也に部屋を追い出されたというだけで自分の意思で出てきたのではないのだから。

 それでも半分以上は望だってそういうつもりで来たのだから、望はその雄介の言葉に顔を赤くし俯けてしまったようだ。

「え? へ? ホンマにそうやったんか!?」

 病院特有のベッドに付いているスタンド電気が望の表情をうつす。

 それがどうやら雄介には見えてしまい、

「え? え!? ホンマにホンマやったん!?」
「あー……それは、違うから……その……和也にだな……半分部屋を追い出されて……和也に桜井さんの所に行って来いっ! って言われただけだからさ」

 そう完全に動揺した様子で答える望。

「へぇー、あの、梅沢さんがね。 ええことしてくれたやんか。 ほんなら、その好意を無駄にしちゃアカンっていう事になるよなぁ?」

 そう言い雄介はベッドの上へと半身を起こすと望の事を自分の方へと引き寄せベッドへと押し倒す雄介。

 ベッドの上の方にあるスタンド電気が淡い光り放ちその二人の姿をうつす。

 蛍光灯よりも淡い光の中、雄介は望の顔を見つめるのだ。

 こうして、お互いの事をマジマジと見つめる事が出来たのは今回が初めての事なのかもしれない。

 望の方も真っ赤な表情で雄介の事を見つめる。

 今まで雄介の方は相当我慢してきたのだから、今の望の表情はもう我慢出来ない位の表情なのであろう。

「なぁ、俺、もう我慢出来へん……。 俺、もう十分我慢したやろ? 望……」

 そう切なそうな表情を浮かべながらいつまでも望の事を見つめる雄介。

「ぁ……ま、まぁな。 しかし、まさか、こんなに早く回復してくるとは思ってもなかったぜ」
「そこは望のおかげやで、望が居てへんかったら、今頃はまだ俺は、死の淵を彷徨っていたのかもしれへんしな。 こう俺が回復出来たんは、望っていう宝物を手に入れる事が出来たからやと思うって、ホンマ、望、ありがとうな。 俺の恋人になってくれて」

 そう言うと雄介は今まで我慢してきたからなのか今まで分を味わうように唇を重ねると何度も何度も角度を変えて啄むようなキスを繰り返す。 やがて、それは深いものになっていき望の口内の方にも舌を忍ばせ舌を絡めるとこの静寂な空間に濡れた音が響きるのだ。

 雄介はキスを繰り返しながらも望が着ている白衣のボタンを外しシャツのボタンをも全部外し始める。

 そこに現れたのは望の白い肌。 そんな白い肌に雄介は手を這わし始め胸の突起へと触れると先ずは親指の腹で望の反応を確かめるようだ。
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