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ー天災ー126
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「だってなぁ、望やって人の事言えへんなぁって思うてなぁ」
「お前だって、あーだこーだ言ったって親父さんの事好きなんじゃねぇのか?」
「べ、別にそんなつもりで言ったんじゃねぇよ」
そう言う望なのだが、何故か顔が赤い。
「あーもー! 寝るぞっ! 消灯時間になっちまうからさ」
そう言い一番最初にソファを立ち上がったのは望だ。 そして望はそのままベッドへと向かい横になる。
それとほぼ同時くらいに消灯時間になってしまったのか部屋の明かりが消えてしまった。 そのいきなりの暗がりになり三人は未だにソファへといる訳で、この暗闇の中で、どうやってベッドのある寝室まで行こうかと悩んでいた。
とりあえず、この部屋の構造をよく知っているのは和也だ。
和也を先頭にその後ろには裕実が、その後ろには雄介がそれぞれ腰を掴んで歩み始める。
だが本当に周りが見えない程の暗闇。 部屋の構造が分かっている和也でも何となくでしか寝室の場所は分かってないようで、和也はある名案を思い付いたようだ。
「な、望?」
と声を掛ける。
すると、めんどくさそうなのだが、望の声が聴こえてくるのだ。
「なんだよー、うるせぇなー!」
「よっし! あっちの方だなっ!」
これが和也の案だ。 今は暗闇で目が見えてなくても、耳は聞こえる。 なら望に声を掛けて望が返事をした方向が寝室だという事だ。
だが望の方もバカではない。 その和也の作戦に気付いたのであろうか? 和也達に意地悪な事をしようと次声を掛けられたら返事しないようにしてしまったようだ。 だが、その望の考えは直ぐに打ち砕かれる。 二回目以降の和也の声が一向にしてこない。 逆に望はベッドで三人が来るのを待ってるしかないようだ。
それが不思議と人の気配もない。 三人もいるのだから、足音くらいの聴こえて来てもいい筈なのだが、それさえも聞こえて来ない位に静かだった。
望がベッドに戻って来てから五分経っても十分経っても和也達がベッドの方に来る気配はなかった。
この暗闇で見えていないのだから歩き回るのは危険だ。
望は仕方なくベッドの近くにある懐中電灯を手にすると三人の事を探し始める。
先ずは寝室を出て、四人がいつも集まっているソファへと光りを向けるのだが、まったくもって三人の形さえない。
いったい、三人は三人とも何処に行ってしまったのであろうか?
まさか部屋のドアを開けてしまって廊下にでも出てしまったのであろうか?
望は確認の為にドアを開けて懐中電灯を照らしてみるのだが、やはり、まったくもって廊下にも三人の形も気配もないようだ。
今は携帯が繋がるようになったのだから、携帯でもと思ったのだけど携帯はベッドに置いてある。
望は仕方なく三人を探すのを諦め部屋へと戻って来る。
さっき望が意地悪な事をしなきゃ良かったと後悔しても遅いだろう。
望は懐中電灯で辺りを照らしながらベッドへと戻る。
すると、さっきとは違いベッドにはこう温もりみたいなのを感じ、思わず声を掛ける望。
「雄介、いるのか?」
望がベッドへと上がって横になった瞬間、望の事を抱き締めて来た感じがあって望は安心したようだ。
「なんだ……戻って来てたのか」
「お前だって、あーだこーだ言ったって親父さんの事好きなんじゃねぇのか?」
「べ、別にそんなつもりで言ったんじゃねぇよ」
そう言う望なのだが、何故か顔が赤い。
「あーもー! 寝るぞっ! 消灯時間になっちまうからさ」
そう言い一番最初にソファを立ち上がったのは望だ。 そして望はそのままベッドへと向かい横になる。
それとほぼ同時くらいに消灯時間になってしまったのか部屋の明かりが消えてしまった。 そのいきなりの暗がりになり三人は未だにソファへといる訳で、この暗闇の中で、どうやってベッドのある寝室まで行こうかと悩んでいた。
とりあえず、この部屋の構造をよく知っているのは和也だ。
和也を先頭にその後ろには裕実が、その後ろには雄介がそれぞれ腰を掴んで歩み始める。
だが本当に周りが見えない程の暗闇。 部屋の構造が分かっている和也でも何となくでしか寝室の場所は分かってないようで、和也はある名案を思い付いたようだ。
「な、望?」
と声を掛ける。
すると、めんどくさそうなのだが、望の声が聴こえてくるのだ。
「なんだよー、うるせぇなー!」
「よっし! あっちの方だなっ!」
これが和也の案だ。 今は暗闇で目が見えてなくても、耳は聞こえる。 なら望に声を掛けて望が返事をした方向が寝室だという事だ。
だが望の方もバカではない。 その和也の作戦に気付いたのであろうか? 和也達に意地悪な事をしようと次声を掛けられたら返事しないようにしてしまったようだ。 だが、その望の考えは直ぐに打ち砕かれる。 二回目以降の和也の声が一向にしてこない。 逆に望はベッドで三人が来るのを待ってるしかないようだ。
それが不思議と人の気配もない。 三人もいるのだから、足音くらいの聴こえて来てもいい筈なのだが、それさえも聞こえて来ない位に静かだった。
望がベッドに戻って来てから五分経っても十分経っても和也達がベッドの方に来る気配はなかった。
この暗闇で見えていないのだから歩き回るのは危険だ。
望は仕方なくベッドの近くにある懐中電灯を手にすると三人の事を探し始める。
先ずは寝室を出て、四人がいつも集まっているソファへと光りを向けるのだが、まったくもって三人の形さえない。
いったい、三人は三人とも何処に行ってしまったのであろうか?
まさか部屋のドアを開けてしまって廊下にでも出てしまったのであろうか?
望は確認の為にドアを開けて懐中電灯を照らしてみるのだが、やはり、まったくもって廊下にも三人の形も気配もないようだ。
今は携帯が繋がるようになったのだから、携帯でもと思ったのだけど携帯はベッドに置いてある。
望は仕方なく三人を探すのを諦め部屋へと戻って来る。
さっき望が意地悪な事をしなきゃ良かったと後悔しても遅いだろう。
望は懐中電灯で辺りを照らしながらベッドへと戻る。
すると、さっきとは違いベッドにはこう温もりみたいなのを感じ、思わず声を掛ける望。
「雄介、いるのか?」
望がベッドへと上がって横になった瞬間、望の事を抱き締めて来た感じがあって望は安心したようだ。
「なんだ……戻って来てたのか」
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