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ー空間ー174
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望は和也へとカーソルを合わせると和也へと電話してみる事にした。
最近はまったくもって和也とは連絡していなかった事もあって自分のリダイヤルの方にはなかったのだが、着信履歴の方には今日は何回も連絡してきているのだから和也からの履歴は残っていた。
数回のコール音の後に慌てたような声で出る和也。 だが望の方はそんな和也の声に少し安堵したのかもしれない。 和也らしい反応に少し望の方はクスリとしたのだから。
『の、望かぁ!? 良かったー……無事だったみたいでさ。 ゆ、雄介の方は大丈夫なのか?』
望の方は一呼吸すると、
「俺の方は大丈夫だったよ。 だけど雄介の方はさぁ、ん、まぁ……ちょっとな。 まぁ、確かに雄介は乗客全員の命は救ったさ、だけど、雄介は今怪我して病院で処置してもらっている所だ。 まぁ、まだ、処置室から出てくる気配がねぇんだけどよ」
『そっか。 まぁ、あれだけの事件で二人が無事そうなら安心出来たかな? そういや、雄介が大活躍だったそうじゃねぇか』
「え? あ、まぁな」
そう望は一言だけ答える。
今はとりあえず和也に連絡が出来た事で、気持ち的に望の方は緊張が解れてきているのかもしれない。
もう、きっと望の中では今にも何かが崩れてしまいそうな感じだったのだが、とりあえず和也に電話したおかげで持ち直したという所だろう。
今まで恋人がいない時というのは強い自分でいられたのだが、こう雄介という恋人が出来てしまってからというのは気持ち的に心が弱くなってしまったのかもしれない。 とりあえず今は和也との電話で一安心してしまっているのか瞳には涙が溢れていた。
男が泣くなんて事恥ずかしいと思っていたのだが、瞳から溢れて出てくる涙は止まろうとしない。
『望? 大丈夫か?』
「あ、ああ、大丈夫だ」
涙で震えそうな声を必死に押し殺そうとしている望なのだが、どうやら、それが和也には伝わってしまっているようだ。
だが和也はもう望の性格を分かっている。 だから敢えてそこには触れずにいる。
望の事だ。 そこで、その事について言ってしまうときっと電話を切ってしまうだろう。 とりあえず今は望の気持ちを汲むと通話を切る事は出来ない。
最近はまったくもって和也とは連絡していなかった事もあって自分のリダイヤルの方にはなかったのだが、着信履歴の方には今日は何回も連絡してきているのだから和也からの履歴は残っていた。
数回のコール音の後に慌てたような声で出る和也。 だが望の方はそんな和也の声に少し安堵したのかもしれない。 和也らしい反応に少し望の方はクスリとしたのだから。
『の、望かぁ!? 良かったー……無事だったみたいでさ。 ゆ、雄介の方は大丈夫なのか?』
望の方は一呼吸すると、
「俺の方は大丈夫だったよ。 だけど雄介の方はさぁ、ん、まぁ……ちょっとな。 まぁ、確かに雄介は乗客全員の命は救ったさ、だけど、雄介は今怪我して病院で処置してもらっている所だ。 まぁ、まだ、処置室から出てくる気配がねぇんだけどよ」
『そっか。 まぁ、あれだけの事件で二人が無事そうなら安心出来たかな? そういや、雄介が大活躍だったそうじゃねぇか』
「え? あ、まぁな」
そう望は一言だけ答える。
今はとりあえず和也に連絡が出来た事で、気持ち的に望の方は緊張が解れてきているのかもしれない。
もう、きっと望の中では今にも何かが崩れてしまいそうな感じだったのだが、とりあえず和也に電話したおかげで持ち直したという所だろう。
今まで恋人がいない時というのは強い自分でいられたのだが、こう雄介という恋人が出来てしまってからというのは気持ち的に心が弱くなってしまったのかもしれない。 とりあえず今は和也との電話で一安心してしまっているのか瞳には涙が溢れていた。
男が泣くなんて事恥ずかしいと思っていたのだが、瞳から溢れて出てくる涙は止まろうとしない。
『望? 大丈夫か?』
「あ、ああ、大丈夫だ」
涙で震えそうな声を必死に押し殺そうとしている望なのだが、どうやら、それが和也には伝わってしまっているようだ。
だが和也はもう望の性格を分かっている。 だから敢えてそこには触れずにいる。
望の事だ。 そこで、その事について言ってしまうときっと電話を切ってしまうだろう。 とりあえず今は望の気持ちを汲むと通話を切る事は出来ない。
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