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ー空間ー183

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 いきなり、そういう風に望に声を掛けられて雄介は首を傾げながら望の顔を見つめる。

「背中の方は痛くねぇのか?」
「へ? あ、ああ、背中の方な? ホンマはめっちゃ痛いねんけど。 入院するのはもったいないって思うとったし、だってな、望と一緒に居られるのは明後日までなんやろ? それやったら入院しとる時間やっておしいやんか、せやから、入院するのは辞めておいたって訳なんや」

 雄介はそう笑顔で言うのだが、望の方は頭を抱えてまで息を吐いてしまうのだ。

「やーっぱり……お前は正真正銘の馬鹿だなっ! 何で医者の言う事聞かねぇんだよ。 そりゃ、あんだけ傷を負ってりゃあ痛いだろうよ。 そんでもって、何でちゃんと治療受けて来ねぇんだよ!」

 先程まで心配そうな表情をしていたのが嘘みたいに表情を変えて雄介のその言葉に怒り出す望。

「しゃーないやんか」
「仕方ないも何でもそこ言い訳するとこじゃねぇからっ!」

 望はその言葉に再び息を吐くと、

「……とりあえず! 明日は緊急以外は病院は休みなんだから、大人しく寝てるんだからなっ!」

 そう言うと望は雄介から視線を外し望自ら雄介の体を正面から抱き締め瞳を閉じる。

 雄介の方は望の行動に驚きながらも微笑み望の体を何も言わずに抱きしめ返すのだ。

 そして二人はそのまま夢の中へと落ちていくのだった。



 次の朝、二人が目を覚ましたのは完全に日が昇ってきた正午手前だ。

 望の横手にあるカーテンの隙間から太陽が望の事を起こす。

 目を擦りながら起きた望はキョロキョロと辺りを見渡していると雄介の方も目を覚ましたのか。 望を見付けると笑顔になって、

「おはよー望……」

 と朝から語尾にハートマークが付きそうな位の勢いで朝の挨拶をしてくる雄介。

 望の心の中ではきっと「朝からテンションが高い奴だなぁ」でも思っていたのであろう。 だが望は直ぐに仕事モードになったのか、

「風呂は何処にあるんだ?」

 そう雄介に聞いていた。

「……風呂か?」

 雄介はそう言うとベッドの上で半身だけを起こして、

「下の階の階段の奥の方にあんで。 なんや、朝から俺と一緒に風呂に入りた……」

 そう雄介が最後まで言わないうちに望は真面目な顔をして、手で雄介の顔を押さえ、
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