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ー空間ー197

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 雄介はそう言いながら望の体を強く、そして優しく抱き締める。

 望の方は雄介のその言葉に仕方なさそうに息を吐くと、

「ああ、分かったよ。 そこだけは許す」

 本当に許しているのか許していないのかは分からないのだが、そういつものようにぶっきら棒に返す望。

「ほなら」

 雄介はそう言うと望の頰を両手で包み今度は雄介から望へとキスをする。

 だが今日の雄介はどうやらキスだけではおさまらなかったらしい。

 望の歯列を舌先で割って舌先を望の口内へと忍ばせると望の口内で舌を動かし望の舌を吸うのだ。

「ん……んん……」

 望はそう苦しくて雄介の胸板を叩いて抵抗したって止める気配はなく何度も何度も望の存在を確かめるかのように望の口内を舌を使って楽しんでいるようだ。

 その行為を雄介が続けていると本当に望は苦しくなってきたのか、それとも気持ちよ過ぎてしまったのであろうか? 雄介が唇を離した頃にはもう望は涙目になっていた。

「ちょ……スマン……流石に今のはやり過ぎたのかもしれへん」

 暫くの間、望は怒った様子だったのだが、

「お前が俺の事好きだって事がよーく分かったからいい」

 その言葉に雄介は微笑み返す。

 まさか望の口からそんな言葉が出てくるとは思ってなかったのであろう。

 本当に普段の望が嘘過ぎる位に今日の望は素直過ぎる。

 だから、きっと今の雄介は胸の鼓動が鳴りっぱなしという事だろう。

 しかも、その望の言葉で余計に胸の鼓動はゆっくりと波打つにを忘れてしまったのかもしれない。

 そして望の方が落ち着いて来た頃。

「あ、お前……背中の傷さ、消毒とかしないといけないんじゃないのか?」

 今までのイチャイチャな雰囲気はどこに行ってしまったのであろうか? 望は突然何かを思い出したかのように言ってきたのだから。
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