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ー雪山ー133

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「怒るなよ……。 お前俺にさっき言ってくれただろ? 『どんな和也さんでも受け入れる』ってな……だから、今はわざと意地悪な和也さんになってるんだけど? だから、裕実の口から言って……」

 そう和也は甘く囁くように裕実の耳側で言っていた。

 一瞬、頰を膨らませた裕実だったのだが、その和也の言葉で力を抜き、

「分かりましたよ……」

 そう言って裕実の方は微笑むと、

「キスして下さい……和也さん」
「ああ、分かったよ」

 そう和也は素直にその裕実の言葉を受け入れ裕実の頭を片方の腕で支えると自分の居る方向へと向かせ唇を重ねる和也。

「これで、仲直りですね」
「ああ……」

 和也は再び裕実に向かって笑顔を向けると、

「とりあえず、逆上せる前に出るか?」
「はい!」

 相変わらずの裕実からの可愛い返事に和也はまた裕実の頭をポンポンという風に撫でると特に合図とかも無いのにも関わらず先に裕実は浴槽から立ち上がって、お風呂場から上がっていく。

「あー和也さん……?」

 裕実はバスタオルで自分の体を拭きながら和也へと振る。

「ん?」
「出たら、足の裏、治療しますからね。 足の裏痛くないんですか?」
「今は、もう少しだけって所かな?」
「なら、安心しました」

 裕実の方は完全に拭き終えると着替えて先にソファへと向かうのだ。

「和也さん……もう、薬箱用意してあるんじゃないんですか?」

 テーブルの上に置いてある薬箱を見て独り言のように言う裕実。

 裕実の後に続いて和也の方も体を拭いて着替えて裕実の元へと向かう。

「和也さん、足の裏見せてくださいよ」
「ん? あ、ああ」

 ソファの上で向き合って座る二人。 和也は先ず右側の足を裕実の方へと差し出す。

「僕の膝の上に乗せて下さると助かります。 そうじゃないと見えませんからね」
「ああ……おう……」

 何だか、よくわからないのだが医者に怪我を見せるより恋人に怪我の状態を見せるというのは恥ずかしく感じるのは気のせいであろうか。 例え、それが看護師であってもだ。

「和也さん!」

 そう怒ったように低い声で言う裕実。

「な、なんだよー、いきなり……何怒ってんだ?」
「痛くないっていうのは嘘なんじゃないんですか!?」
「ん? んー……そうなのかな?」
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