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十話 冒険者ギルド
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冒険者ギルドの入り口でレイラはゲイルに支えながらキョロキョロと見渡していた。
「あれ……かな? 私も初めて来るもので……」
レイラはいくつもの紙が貼り付けられている壁を指さし、ゲイルにこう話した。
「多分あの掲示板にクエストが貼られるんです。それで自分の出来るクエスト選んで、多分あっちに持っていくのかな?」
「なるほど……でも、ごめん。僕、読めないや」
ゲイルはほぼ魔界でクロウリーとフェイレイに育てられた。読み書きを習っていないから、紙に書かれている内容がわからない、と困った顔を浮かべていた。
「大丈夫です! 私が読みますので!」
その言葉にレイラは張り切った様子を見せた。と、その時、入り口脇のカウンターに座る妖艶な雰囲気を漂わせている女性が二人に気づいて声をかける
「って、あなた達初めて? こっちに来なさい。説明してあげるから」
クイッ! クイッ! と手招きに促されるままに二人はその女性の前に立った。
「そちらのお嬢さんが話してた通り、あそこには冒険者ギルドが依頼するクエストが掲示されてるわ」
その女性はレイラが指をさしたところを同じように指さし、こう続けた。
「で、いくつか掲示板があるじゃない? 右から順に難易度が高くなってくのよ」
確かにいくつかの板が掲示されている。そこに紙が貼られており、それぞれに均等に紙が貼られている訳ではなかった。
「なるほど」
「だから初心者さんには一番右の掲示板からオススメするわ。別にどの掲示板でもこっちは受けるけど、死んでも知らないからね」
するとゲイルが並んでる掲示板の上にポツリ一つだけある掲示板を指さしてこう尋ねた。
「あの一番上のには何も貼ってないですけど?」
「あそこは最高難度のクエストが貼られるところよ。歴戦の冒険者たちでも触れられないところ。あそこのクエストを請けられるグループなんて片手で数えられるくらいしかいないんじゃないかしら」
妖艶な雰囲気を漂わせているその女性はゆっくりと、首を横に振りながらこう続けた。
「私も十年以上ここで働いてるけど、あそこに貼られたのなんて十数回くらい。それに誰も請けてるところを見たことないわ」
「へぇ……」
「取り下げられたのか、どっかの誰かさんが別の冒険者ギルドで請けて、達成したのかは知らないけどね」
そこまで話すとその女性は、次に軽くレイラに視線を送ってから再度ゲイルに話しかけた。
「それとお嬢さんが読める、って言うから特に問題ないだろうけど、読めなかったら、ココに持ってきて。暇なら説明してあげるから」
そして二人の顔を交互に見てから一つ頷いてこう続けた。
「とりあえずこんな感じかしら」
「ありがとうございます」
ゲイルは礼を述べて頭を下げて、レイラもそれに続いたのだった。
「よし! じゃあ貼ってあるなかで一番左のから……」
と、意気込むレイラにゲイルは焦りの色を見せる。
「無理だよ! まずは一番右から……」
「そんなこと無いと思うんですが……でも、かしこまりました!」
そして一番右の掲示板に貼られている紙を一つ一つレイラは確認していった。
「えっとアステカ草の採取……こっちはスライムの討伐……あと、こっちには隣村への荷物運び、なんてのもありますね。他にもいくつかありますが、大体そのような感じです。集めたり倒したりする対象が違ってたりとか、届ける場所が違ってたりとか……」
「うーん。じゃあその荷物運びってやつにしようかな」
「かしこまりました」
レイラはゲイルの言葉を聞いて、一枚の紙を掲示板から取った。それを受け取ったゲイルは先程の女性へその紙を出したのだった。
受け取った女性慣れた手付きで何やら判を押したり書いたりしている。するとすぐに受け取った紙をゲイルに差し出してこう告げた。
「はい、これで大丈夫よ。終わったらここに持ってきてね。報酬はその時払うから」
その紙を受け取ったゲイルたちは冒険者ギルドを後にした。
そして二人が出ていったあとに、何も貼られていなかった上にある掲示板に巨大キラースネークの確保、についてのクエストが貼られたのだった。
「あれ……かな? 私も初めて来るもので……」
レイラはいくつもの紙が貼り付けられている壁を指さし、ゲイルにこう話した。
「多分あの掲示板にクエストが貼られるんです。それで自分の出来るクエスト選んで、多分あっちに持っていくのかな?」
「なるほど……でも、ごめん。僕、読めないや」
ゲイルはほぼ魔界でクロウリーとフェイレイに育てられた。読み書きを習っていないから、紙に書かれている内容がわからない、と困った顔を浮かべていた。
「大丈夫です! 私が読みますので!」
その言葉にレイラは張り切った様子を見せた。と、その時、入り口脇のカウンターに座る妖艶な雰囲気を漂わせている女性が二人に気づいて声をかける
「って、あなた達初めて? こっちに来なさい。説明してあげるから」
クイッ! クイッ! と手招きに促されるままに二人はその女性の前に立った。
「そちらのお嬢さんが話してた通り、あそこには冒険者ギルドが依頼するクエストが掲示されてるわ」
その女性はレイラが指をさしたところを同じように指さし、こう続けた。
「で、いくつか掲示板があるじゃない? 右から順に難易度が高くなってくのよ」
確かにいくつかの板が掲示されている。そこに紙が貼られており、それぞれに均等に紙が貼られている訳ではなかった。
「なるほど」
「だから初心者さんには一番右の掲示板からオススメするわ。別にどの掲示板でもこっちは受けるけど、死んでも知らないからね」
するとゲイルが並んでる掲示板の上にポツリ一つだけある掲示板を指さしてこう尋ねた。
「あの一番上のには何も貼ってないですけど?」
「あそこは最高難度のクエストが貼られるところよ。歴戦の冒険者たちでも触れられないところ。あそこのクエストを請けられるグループなんて片手で数えられるくらいしかいないんじゃないかしら」
妖艶な雰囲気を漂わせているその女性はゆっくりと、首を横に振りながらこう続けた。
「私も十年以上ここで働いてるけど、あそこに貼られたのなんて十数回くらい。それに誰も請けてるところを見たことないわ」
「へぇ……」
「取り下げられたのか、どっかの誰かさんが別の冒険者ギルドで請けて、達成したのかは知らないけどね」
そこまで話すとその女性は、次に軽くレイラに視線を送ってから再度ゲイルに話しかけた。
「それとお嬢さんが読める、って言うから特に問題ないだろうけど、読めなかったら、ココに持ってきて。暇なら説明してあげるから」
そして二人の顔を交互に見てから一つ頷いてこう続けた。
「とりあえずこんな感じかしら」
「ありがとうございます」
ゲイルは礼を述べて頭を下げて、レイラもそれに続いたのだった。
「よし! じゃあ貼ってあるなかで一番左のから……」
と、意気込むレイラにゲイルは焦りの色を見せる。
「無理だよ! まずは一番右から……」
「そんなこと無いと思うんですが……でも、かしこまりました!」
そして一番右の掲示板に貼られている紙を一つ一つレイラは確認していった。
「えっとアステカ草の採取……こっちはスライムの討伐……あと、こっちには隣村への荷物運び、なんてのもありますね。他にもいくつかありますが、大体そのような感じです。集めたり倒したりする対象が違ってたりとか、届ける場所が違ってたりとか……」
「うーん。じゃあその荷物運びってやつにしようかな」
「かしこまりました」
レイラはゲイルの言葉を聞いて、一枚の紙を掲示板から取った。それを受け取ったゲイルは先程の女性へその紙を出したのだった。
受け取った女性慣れた手付きで何やら判を押したり書いたりしている。するとすぐに受け取った紙をゲイルに差し出してこう告げた。
「はい、これで大丈夫よ。終わったらここに持ってきてね。報酬はその時払うから」
その紙を受け取ったゲイルたちは冒険者ギルドを後にした。
そして二人が出ていったあとに、何も貼られていなかった上にある掲示板に巨大キラースネークの確保、についてのクエストが貼られたのだった。
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