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第三十四話 レオナの魔法
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僕はレオナに案内されて魔法訓練場に来ていた。
「こちらです。午後は魔法授業とのことですので」
「ありがと、レオナ。さっきの授業全然聞いてなかったから助かるよ」
「とんでもないです」
レオナは少し照れながらぺこりと頭を下げた。魔法訓練場にはもう生徒が集まっているようで、僕たちが最後だったみたい。前に居たアマンダ先生は僕たちの姿を確認すると、こう話し出した。
「さ、皆集まったわね。じゃ、さっきも話したけど、まずは私が試しに見せてみるわ。皆は真似してやってみてね。さっきも言ったけど、出来なくて当然なんだから、とりあえず真似だけでも、ね」
そう言ったアマンダ先生は振り向いて奥にある的に向かって右手を伸ばす。
「火炎矢」
アマンダ先生が言の葉を紡ぐと、手の前に赤い炎の矢が現れ、鉄でできた的に当たってすぅっと消える。
「わぁぁ!」
「凄い! 魔法なんて初めてみた!」
そこかしこから歓声が聞こえる。特に戦いで使う魔法なんて見たことない子たちが殆どなのだろう。実際の火炎矢をこの目で見て興奮しているようであった。
「なるほど、あれが火炎矢か。あれくらいなら出来るかな。何せサイズや挙動は一度は見ないと分からない。どう思う? リア?」
僕は視線を的に向けたまま、リアを見ることなくそう尋ねた。
「マスターが出来ると思うなら出来るんじゃない?」
「て、適当だなぁ」
順番に班ごとに行っていくが、当然火炎矢を発生出来る物はいない。
「はい、じゃあ次はアインス君たちの班ね」
アマンダ先生の言葉に僕は自分たちの番が来たことを知り、僕はハッとした。
「じゃ、じゃあとりあえず僕からね。火炎矢!」
僕は的の前に立って右手を構えて、言の葉を紡いだ。
が、当然出ない。出そうと思ってないからね。僕が言の葉を紡いだ所で世界は気づかないのだから。僕が想像しないのなら魔法は出ない。今はこれでいい。狙い取りだった。
「んー、やっぱり出ないかー。じゃあレオナの番ね」
僕はその場を離れて、レオナを促した。ひとつ頷いたレオナは僕の代わりに的の前へと立ってから、右手を差し出して構え、言の葉を紡ぐ。
「かしこまりました。火炎矢!」
するとレオナの眼前にとてもとても小さな炎が現れ、しかしすぐに消えてしまった。
と同時にさっきのアマンダ先生の時以上の歓声が湧き上がる。
「え! 何か出た!」
「う、うそ! レ、レオナちゃん! メイドよね! 凄いじゃない!」
「あれ? 僕は何もしてないけど……」
「だって別に誰でも魔法は使えるからね。職位は関係なくね。正確に言うとただ職位によって使いやすいってだけ。レベルも上がったし、もうちょっと上げればまともに放てるようになるでしょうね」
それはリアの言葉であった。僕はやはりリアに視線を送ることをせずにリアへ尋ねた。
「へぇー。じゃあなんで皆そのこと知らないの?」
「そもそもメイドやら遊び人じゃレベル上がらないからね。魔物を倒せる手段がないから」
「あ、そっか」
「ほら! 皆静かに! 最後にカタリナちゃんが残ってるから!」
アマンダ先生の言葉に、興奮し騒いでいた生徒たちが段々と静かなっていく。
「気をつけてね、マスター」
「ん? ああ、忘れてないよ。カタリナはまだ魔法使えないからね。僕がちゃんとやるよ」
「そういうことじゃないんだけど……ま、いいわ」
リアの口ぶりが少し気になったけど、カタリナがもう的に向かって手を伸ばしていたので、僕はそちらに集中することにした。
「こちらです。午後は魔法授業とのことですので」
「ありがと、レオナ。さっきの授業全然聞いてなかったから助かるよ」
「とんでもないです」
レオナは少し照れながらぺこりと頭を下げた。魔法訓練場にはもう生徒が集まっているようで、僕たちが最後だったみたい。前に居たアマンダ先生は僕たちの姿を確認すると、こう話し出した。
「さ、皆集まったわね。じゃ、さっきも話したけど、まずは私が試しに見せてみるわ。皆は真似してやってみてね。さっきも言ったけど、出来なくて当然なんだから、とりあえず真似だけでも、ね」
そう言ったアマンダ先生は振り向いて奥にある的に向かって右手を伸ばす。
「火炎矢」
アマンダ先生が言の葉を紡ぐと、手の前に赤い炎の矢が現れ、鉄でできた的に当たってすぅっと消える。
「わぁぁ!」
「凄い! 魔法なんて初めてみた!」
そこかしこから歓声が聞こえる。特に戦いで使う魔法なんて見たことない子たちが殆どなのだろう。実際の火炎矢をこの目で見て興奮しているようであった。
「なるほど、あれが火炎矢か。あれくらいなら出来るかな。何せサイズや挙動は一度は見ないと分からない。どう思う? リア?」
僕は視線を的に向けたまま、リアを見ることなくそう尋ねた。
「マスターが出来ると思うなら出来るんじゃない?」
「て、適当だなぁ」
順番に班ごとに行っていくが、当然火炎矢を発生出来る物はいない。
「はい、じゃあ次はアインス君たちの班ね」
アマンダ先生の言葉に僕は自分たちの番が来たことを知り、僕はハッとした。
「じゃ、じゃあとりあえず僕からね。火炎矢!」
僕は的の前に立って右手を構えて、言の葉を紡いだ。
が、当然出ない。出そうと思ってないからね。僕が言の葉を紡いだ所で世界は気づかないのだから。僕が想像しないのなら魔法は出ない。今はこれでいい。狙い取りだった。
「んー、やっぱり出ないかー。じゃあレオナの番ね」
僕はその場を離れて、レオナを促した。ひとつ頷いたレオナは僕の代わりに的の前へと立ってから、右手を差し出して構え、言の葉を紡ぐ。
「かしこまりました。火炎矢!」
するとレオナの眼前にとてもとても小さな炎が現れ、しかしすぐに消えてしまった。
と同時にさっきのアマンダ先生の時以上の歓声が湧き上がる。
「え! 何か出た!」
「う、うそ! レ、レオナちゃん! メイドよね! 凄いじゃない!」
「あれ? 僕は何もしてないけど……」
「だって別に誰でも魔法は使えるからね。職位は関係なくね。正確に言うとただ職位によって使いやすいってだけ。レベルも上がったし、もうちょっと上げればまともに放てるようになるでしょうね」
それはリアの言葉であった。僕はやはりリアに視線を送ることをせずにリアへ尋ねた。
「へぇー。じゃあなんで皆そのこと知らないの?」
「そもそもメイドやら遊び人じゃレベル上がらないからね。魔物を倒せる手段がないから」
「あ、そっか」
「ほら! 皆静かに! 最後にカタリナちゃんが残ってるから!」
アマンダ先生の言葉に、興奮し騒いでいた生徒たちが段々と静かなっていく。
「気をつけてね、マスター」
「ん? ああ、忘れてないよ。カタリナはまだ魔法使えないからね。僕がちゃんとやるよ」
「そういうことじゃないんだけど……ま、いいわ」
リアの口ぶりが少し気になったけど、カタリナがもう的に向かって手を伸ばしていたので、僕はそちらに集中することにした。
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