賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!

織侍紗(@'ω'@)ん?

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第百十五話 相手にならない

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 部屋に満ち溢れた光が段々と晴れていく。するとそこにはカノダバがまるで何事も無かったかのように立っていた。目の前の床はカノダバの黒い球体により大きく抉れていた。
 そのカノダバの遥か前に跪き、アマンダは肩で息をしていた。先ほど懐に飛び込んだはずなのに、である。

「う、嘘! 最終爆弾オメガ・ボムでもビクともしないなんて……」

 アマンダは跪きながら悔しさと驚きからそう呟いたあと、それよりももっと驚くべきことに気がついた。

「あ、あれ? わ、私、なんで生きてるの?」

 そう自身がまだ生きているという事実に。全魔力と全生命力を使い、自身を爆弾と化す魔法を使ったというのに。
 そうアマンダが驚いていると、その背後からアインスの声が聞こえてきた。

「アマンダ先生、勝手に最後の授業にしないで下さい」

「え、なんで?」

 そしてアマンダはアインスに声をかけられたという事実に驚いて振り向き、素っ頓狂な声を上げてしまう。

「なんでって、まだ一年生ですからね。休暇中ですし卒業するには早いですから」

 アインスはアマンダの意図に気づいていないのか、当たり前のごとくそう答えた。その口ぶりにアマンダも一瞬妙に納得し、言葉を返してしまう。

「まあ、そうなんだけど……って! ち、違うわよ! な、なんでアインス君、動けるの? 透明障壁インビジブル・バリアがかかると身動きひとつ取れないはずなのに! まさか、効果が?」

 透明障壁インビジブル・バリアの効果が切れてしまっているのか、と思ったアマンダはレオナとカタリナに視線を送る。するとそこには目を見開いたまま、瞬きひとつもしない二人の姿があった。

「き、切れてない? レオナちゃんもカタリナちゃんも動いてないじゃない! ど、どういうのことなのよ!」

 アマンダはまるで理解出来ない、といった様子で頭を振った。

「アマンダ先生、ごめんなさい。僕には魔法が効かないんです。あと、その最終爆弾オメガ・ボムでしたっけ? カタリナが魔法を使えなくなった時の魔導具の応用で発動を止めさせてもらいました。リアに聞いたら出来るみたいだし、最後爆弾オメガ・ボムは自爆魔法でアマンダ先生死んじゃうって聞いたから。アルフレッドには感謝しないと。そんな魔導具を使ってくれたことを」

「魔法が効かない? 発動を止めた?」

「はい。そうです」

「はぁ? 何を言ってるの?」

「ま、アマンダ先生はちょっとここで休んでてください。あとで詳しく話しますから。じゃ、行きますね」

 アインスは未だ跪くアマンダにそう告げて、アマンダの前に立ちはだかった。

「ふむ。餌にしてはやるようだな……? だが……」

「うるさいなぁ……ちょっと黙っててよ。リア。さすがに頭に来てるんだから。このカノダバってやつに……」

 アインスは苛立ちを隠す様子もなく、横を向いてそう呟いた。

「何を独り言を……お前が相手をするというのか? だが無駄なことを。我を断てるのは聖剣エクス……な、なに! ま、まさか! お、お前が持って……!」

 急に焦り、動揺した様子を見せるカノダバ。それを全く気にず、アインスは怒りを込めカノダバの言葉を遮るように叫んだ。

「聖剣ってやつが無くても倒せるかもしれないじゃないか!」

「待って! アインス君! 相手にならないわ!」

 アマンダがアインスを止めようと手を伸ばしそう叫ぶ、その瞬間だった。カノダバの姿が消えたのは。

「あ、あれ? なんだ、やっぱり嘘だったんじゃん。聖剣でしか倒せないってのは」

 そしてカノダバが居たはずの場所からアインスがそう呟いたのは。

「……………………は?」

 今まで以上に理解出来ない光景が目の前に広がったことで、アマンダは言葉を失ってしまった。直後、明るい声が部屋に響き渡る。

「もう、ご主人様! 約束してるじゃないですか! やり過ぎないで下さいって!」

 それはレオナの声だった。

「ごめんよ。なんか強そうなこと言ってたから、思いっきり殴っちゃった。剣も折れたら嫌だしね。でも、嘘だったみたい。ゴブリンみたいに消えちゃったから」

 そして怒ったレオナにアインスが舌を出しながら謝る。その光景を見てアマンダは、やっとカノダバがアインスによって倒されたことを理解したのだった。
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