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【雇用№003】愛と魔法少女の衣装その1

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「さっ愛様、こちらのお召し物を着て下さいね。」

控室は私が今迄入ったことのないくらい豪華な部屋だった。こんなところが控室なんて流石王城。値段が庶民の私とはかけ離れているわね。

本当にこのアニメやゲームで出てくるような魔法少女の服を着るの?

「あの~つかぬことをお聞きしますが、これって、この世界では普通のデザインの服なのでしょうか?」

 これがもし、普通に着られている服であれば、まだ我慢できる私以外にも着用している人がいれば、孤独ではないし、ダメージも減る。あれだよ、会社でコスプレをしているか、秋葉やメイドカフェ周辺でコスプレをしているかの違いである。それでも私はそんなこととは無縁に生きてきたからダメージは計り知れないんだよ。

「愛様。こちらは、女神様よりデザインを受諾し、特注で作られたものですわ。この世界に唯一のものですは、普通に着ている方なんて存在しません。」

 やっぱりそうなんだ。女神様からの神託だって言うからそんな気はしてたけど。。。でも、女神様、魔法少女は知っているわ、魔法少女の服のデザインはするわって、あの人は言った何をしている神様なのだろうか?

 私はここまで来てしまった以上、腹を括って、魔法少女の衣装に着替える。お付きのメイドたちが服を脱がしたり、着るのを手伝ってくれたりしてくれるがどうも違和感がぬぐえない。私、別に皇室や王族ではないから自分で全部出来るんだけどな。それよりも、着替えを知らない人に見られながらコスプレ衣装に着替える方がよっぽど恥ずかしいし、嫌なのよね。


 地球の神様はなにをしていたのだろうか?そもそもこういうのって、予めその土地の神様がその子(人間)たちに連絡してから、別世界の神に渡すものじゃないの?それがうちのとこの主神が出てこないでいきなり異世界の神様っていうのはどうもオカシイのよね。そういうの社会人としてはありえないマナーになるんだけど。

 それに、火急の事態と言っておきながら、予め、こちらの王に神託をし、装備のデザインを女神自らが行い、国の莫大な予算を使っての材料集めからの魔法少女グッズの製作ってどうかんがえても半年~1年くらいのスパンがないと、準備出来そうにないんだけど。

 それにこれ来てみると、腰回りも胸のサイズもピッタリきすぎて、ちょっと気持ち悪すぎるよ。なに?服のサイズだけでなくて、3サイズなんかも詳細に神託で伝わっているわけ?個人情報の保護はないの?これってプライバシーの侵害処かセクハラ案件で裁判ものだよ。

 しかも、多分、女性だけでなく、男性にもこのことは伝わっているはずだ。本当に気持ち悪いわ。こんな部下の個人情報を本人に断りもなく、異性に教える上司はぜ~~~ったいにやだよ。チェンジよチェンジ。お金払ってでも、そんな人は上司としてダメだよ。交代だよ。さらに上の上司に連絡して、配置転換してもらわなきゃ。
 
「よくお似合いですよ。愛様」
「とてもチャーミングですわよ。愛様」
「うっとりするほどの仕上がりですわ。愛様」

 3者3様で褒めてくれるが、どうも、おべっかを言われているようで素直に喜べないな。鏡で見てみると、25才の大人の女性が魔法少女のコスチュームに着替えている姿が見える。うん、オカシクはないよ。でもね。これは私の着る服ではないし、人前では着たくはないな。

 しかもミニスカートに対し、ショーツを隠す手段が用意されていない。デパートの売り場店員の制服のままこちらに転移されてきたので、ストッキングぐらいしかないんだよ。防御力は高いかもしれないけど、別の意味で防御力に不安があるよ。階段なんてとてもじゃないけど、歩けないわ。

「すみません、下着の上になにか着れるものはありませんか。その、これだと動くだけで下着が見えてしまいそうなので。」

「愛様、先ほど拝見しましたが、とても美しい下着でした。何も恥じることはありませんよ。」

「そうです。あれほど装飾された下着は私もみたことはありません。ほらっ」

 といってメイドの一人がスカートをたくし上げ、下着を見せてきた。色気のかけらもない木綿のパンツだ。いや、もうそれを上から履けばいいかも。ショートパンツの類だと思えばきっと問題ないわ。

「それ、その下着が欲しいです。私に下さい。」

もう、すぐ様にメイドさんにお願いした。

「えっ、私の下着が欲しいんですか?いや、あの、その、愛様は大変お美しいのですが、私にそういう趣味はないといいますか。いえいえ、救世の使徒である愛様のお願いでしたら。。。」

と言って、いきなり、ショーツを脱ぎだしている。あっ、焦って言葉が足りなかったよ。

「違うの違うんですよ。STOP。ストッーーーーープ。私にそんな趣味はありませんよ。言葉足らずで申し訳ありませんでした。私にも同じ用な下着が欲しいということです。予備はありませんか?」

「そうでしたか、勘違いしてしまって申し訳ありません。」

メイドが顔を赤くしながら、謝ってくる。
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