第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ化企画進行中「妹に全てを奪われた元最高聖女は隣国の皇太子に溺愛される」完結

まほりろ

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十話「ロイヤルブルーのドレス」

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「どう、あたしの傑作! 新生リーゼロッテ!」

ゲレさんの部屋を訪ねると、すぐにお風呂に放り込まれ、シャンプーやトリートメントをされました。

お風呂のあとゲレさんに採寸してもらい、ゲレさんがドレスを手直ししている間座って待っていたのですが……流石王宮に仕えるお針子。

ゲレさんは目にと止まらぬ速さで、あっという間にドレスを直してしまいました。

ロイヤルブルーのドレスを着せてもらい、髪をハーフアップされ、軽くお化粧されました。

「おおーー! これが本当にリーゼロッテか? 別人じゃねぇか!」

デリーさんが驚いた顔で声を上げます。そんなに変わったでしょうか? 自分ではよく分かりません。

「もともと美人だったけどこうするとさらに華やかだろう」

ゲレさんが胸をはり得意げに話します。

「あたしに息子がいたら、息子の嫁にするんだけどね」

「いやーハルシュタイン国で会ったミラって聖女も美しかったが、それに引けを取らねぇな」

「何言ってだい、あんなインチキ聖女よりリーゼロッテの方がずーーっと華麗だよ!」

まさか見目麗しいと評判のミラと比べられる日が来ようとは……。

私がミラより華美だなんて、お世辞でも言いすぎですよ。

平凡な容姿の私が、ミラのようや華やかな顔立ちの可憐な少女にかなうわけがないのに……比べるなんておこまがしい。

「よし! 食堂に行ってみんなに見せびらかそう!」

「バカなことはおよし!」

ゲレさんに叱られデリーさんが小さくなっています。仲の良いご夫婦です。

その時「おい誰か! 船医を! 船医を呼んで来い!」「早く血止めのタオルを!」廊下をバタバタと走っていく音が聞こえました。

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