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大家族

推測(起こったであろうこと)

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あの辺りを縄張りにしていたボクサー竜ボクサーについては、かなり被害はあったらしいが全滅とまではいかず、縄張りを放棄して逃げ出していて命だけは助かったものが多かったようだ。

で、グンタイ竜グンタイに追われて逃げていたが、ものすごい血の臭いに誘われて来てみればグンタイ竜グンタイは壊滅していたという訳だな。そしてついでに餌にもありつけたと。

彼らにしてみると、何だかよく分からないうちに奪われた縄張りを取り返すことができたってことかもしれない。まあ、正直、グンタイ竜グンタイに比べれば、俺達のことを恐れて近付こうともしない彼らの方が危険度はずっと下がる訳で、こっちにとっても非常にありがたい話だ。

必要とあれば掘り返して食えるように、エレクシアにはあまり深く埋めないように指示しておいた。グンタイ竜グンタイが大発生したことでこの辺りの小動物や鳥の数は激減しただろう。グンタイ竜グンタイの死体はその代わりになるかもしれないし。

こうして本当に、グンタイ竜グンタイの一件は完全にケリがついたのだった。

ただなあ、まさかこのすぐ後に、あんなことになるとはなあ。

メイフェアの秋嶋あきしまシモーヌへの気持ちがそれを引き起こしたとかいう訳でもないだろうが、まったく本当に驚きだよ。





新暦〇〇〇七年七月五日。



まあそれはそれとして、ほまれが現在所属している群れと縄張りを接してた群れが壊滅してその縄張りが空いてしまったことで、結局、境界を接していた三つの群れにそれぞれ分割される形で取り込まれることになったようだ。

あの夜、ほまれを含む数人がその為の斥候として派遣されてたことでメイフェアを止めることができた訳だが、なんかこう、皮肉な話だよな。

グンタイ竜グンタイに襲われて絶滅したと思しき群れの亡骸は、メイフェアに頼んで丁重に埋葬してもらった。

彼らも必死で抵抗したのだろう。その場には結構な数のグンタイ竜グンタイの死体も散乱していて、戦いのすさまじさが窺えた。また、木の幹や枝に無数のグンタイ竜グンタイの牙や爪によるものと思しき傷痕が規則正しくついていて、どうやら自分達の体で足場を作り、樹上のボノボ人間ボノボに襲い掛かったのだと推測される。

確認されたボノボ人間ボノボの遺体は二十四人分。かなり大きな群れだったようだ。ほまれよりも小さな子五人も含まれていた。

無論、野生で生きてる以上はこういうこともあって当然だと分かってる。俺の群れに加わる以前には、じんだってきっとボノボ人間ボノボを襲って食ってただろう。ドローンによって捉えられた、他のカマキリ人間カマキリによる捕食シーンの映像が再び頭をよぎる。

それでも、な……

こういうことが気になってしまうのが人間ってもんなんだろう。

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