何でリアルな中世ヨーロッパを舞台にしないかですって? そんなのトイレ事情に決まってるでしょーが!!

京衛武百十

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クソで畑に力を与えるなど、私では百年かかっても思いつかんかっただろう

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前にも言ったけど、私が持ってる情報なんて、全部与えたってどうってことのないものだ。欲しいというのならくれてやる。クレフリータやルイスベントならもしかすると国家機密に関する情報も持ってるかもだけど、彼女の口ぶりだと、実は出して困るような情報でもないみたい。ましてやバンクレンチ達に至っては立場上は一兵士過ぎないからそれこそ大したことは知らない。

クレフリータはそういうことも考えてこの編制で出発することを認めたんだろうな。彼女は本当に抜け目ないと思う。

「今夜はこれからまた大臣との会食だ。どうやら私は彼に気に入られたらしくてな。しきりに『うちの娘にならないか?』と訊いてくる。それについては丁重にお断りさせてもらってるが、国の重要機密すらうっかり私に漏らしかねん勢いだ。

今の私の役目は、他国の重要機密を探り出すことではないからな。そんなことを知らされてもむしろ迷惑でしかない。

ただ、商売上で有益な情報ももたらしてくれるから、その意味ではありがたい人物ではある。私が扱う商品の販売ルートも確保させてもらえたしな。

ほれ、ここでの稼ぎの一部だ。経費として置いていくから役立ててくれ」

そう言ってクレフリータは、袋いっぱいの銀貨をテーブルの上に置いた。

まったく。いつの間にこんな。

なんてこともありつつ、彼女はまた何人もの警護の人間らしいのを引き連れて出ていった。どうやら、彼女のことを気に入ったという偉い人が彼女の為に付けてくれたらしい。

本当、彼女一人でいいんじゃないか?っていう気分にすらさせられるな。実際、私の知識についてはほぼすべて彼女も吸収済みだ。だけどクレフリータは言う。

「私の知ってる知識など、所詮は<写し>に過ぎん。本当に価値があるのは、お前の<発想>なのだ。それがあって初めて大きな価値が生まれる。

確かに私の方が知能も知略も上かもしれんが、私とて万能ではない。お前が思いつくことが私には思いつかんことも多いのだ。クソで畑に力を与えるなど、私では百年かかっても思いつかんかっただろう。それが今やこうして多くの国から引っ張りだこになっている。そのおかげで私も自分の商売が捗るのだ。

人間はそれぞれ得意な部分が異なる。いくら知識があっても私の体では畑仕事はままならん。

人を大事にするというお前の<発想>にも、私は感銘を受けたのだ。自分にできないことが他人にはできることもある。だから誰しもが大切なのだとお前が教えてくれたのだ。

私は今、それを役立てている。

私がこうしてられるのも、お前のおかげなんだ。カリン」

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