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【 3章 】
5話 〔28〕
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五限目は体育の授業だったので、由那とふたりで体操着の入ったバッグを持って更衣室に移動した。
由那とはクラスは別々だけど、体育など一部の授業は合同だ。
「お姉ちゃん、体育……バスケットだって……」
「あら、あたしは好きだけど?」
由那もけっして運動音痴なほうじゃないのだが、直接相手とやり合うような競技は総じて苦手としていた。
更衣室で自分のロッカーのハンガーに制服をかけて、バッグの中の体操着にテキパキと着替える。
由那は長い後ろ髪を紐で結んで、可憐なポニーテールを完成させているところだ。体育の授業中は安全のため眼鏡もしっかり外している。
女子の体育はお気楽なもので、楽しくワイワイやっていれば大抵は済まされる。ちょっとのミスぐらいで、口うるさく言ってくる人なんかは稀だ。
その中でも真面目にプレイしている生徒も少なからずはいる。
そこは運動部の生徒達にとって、ちょっとした活躍の場なのだ。
体育館のコートではシューズが鳴る小刻みで甲高いステップ音と、ボールを巧みに操って発するドリブルのバウンド音がリズムよく響き続けている……。
――スコアは僅差。残り時間を考えれば、このワンプレイで勝負は決まる。
私は右サイドからドリブルでマンマークをかわして、ショートコーナーへと詰める。しかし、相手のディフェンスが立ち塞がって、シュートコースは消されていた。
そこへ味方のひとりがセンターから走りこんでくるのが目に入った。目の前のディフェンスにフェイントを使ってから、その味方へ鋭いパスを送る。
パスを受け取った彼女はそのままジャンプシュートの体勢。
それをマークにはいった相手ディフェンスも大きく跳んで、これを完全にブロック! 彼女の舌打ちが聞こえてきそうだった。
ディフェンスの目は、全員ボールに向いた。
その隙に私が目の前のひとりをかわしてゴール前へと飛び込むと、彼女のジャンプシュートはこれまた絶妙なフェイント! 私へパスをリターンしてくれた。
マークの外れた私は、そこからフェイドアウェイでシュート!
ゴール下のディフェンスが伸ばした指先はタッチの差で届かず、綺麗な放物線でボールはリングに吸い込まれた。
巧みなパスをアシストくれた彼女と、軽くハイタッチを交わしてともに微笑んだ。
そこで、授業終了のチャイムが鳴った――。
「お姉ちゃん、カッコよかったよ……」
由那が手渡してくれたタオルは、その肌触りも抜群ながら、爽やかな香りが優しく鼻孔をくすぐる。
「うふふっ、由那の視線が熱いから、ついついがんばっちゃったわよ」
などとじゃれ合いながら、更衣室で今度はまた制服に着替え直す。
「次は、古典かぁ……ちょっとだるいわね」
「へぇ、わたしは好きだよ……?」
さっきの仕返しにと、由那はいたずらっぽく笑った。
由那とはクラスは別々だけど、体育など一部の授業は合同だ。
「お姉ちゃん、体育……バスケットだって……」
「あら、あたしは好きだけど?」
由那もけっして運動音痴なほうじゃないのだが、直接相手とやり合うような競技は総じて苦手としていた。
更衣室で自分のロッカーのハンガーに制服をかけて、バッグの中の体操着にテキパキと着替える。
由那は長い後ろ髪を紐で結んで、可憐なポニーテールを完成させているところだ。体育の授業中は安全のため眼鏡もしっかり外している。
女子の体育はお気楽なもので、楽しくワイワイやっていれば大抵は済まされる。ちょっとのミスぐらいで、口うるさく言ってくる人なんかは稀だ。
その中でも真面目にプレイしている生徒も少なからずはいる。
そこは運動部の生徒達にとって、ちょっとした活躍の場なのだ。
体育館のコートではシューズが鳴る小刻みで甲高いステップ音と、ボールを巧みに操って発するドリブルのバウンド音がリズムよく響き続けている……。
――スコアは僅差。残り時間を考えれば、このワンプレイで勝負は決まる。
私は右サイドからドリブルでマンマークをかわして、ショートコーナーへと詰める。しかし、相手のディフェンスが立ち塞がって、シュートコースは消されていた。
そこへ味方のひとりがセンターから走りこんでくるのが目に入った。目の前のディフェンスにフェイントを使ってから、その味方へ鋭いパスを送る。
パスを受け取った彼女はそのままジャンプシュートの体勢。
それをマークにはいった相手ディフェンスも大きく跳んで、これを完全にブロック! 彼女の舌打ちが聞こえてきそうだった。
ディフェンスの目は、全員ボールに向いた。
その隙に私が目の前のひとりをかわしてゴール前へと飛び込むと、彼女のジャンプシュートはこれまた絶妙なフェイント! 私へパスをリターンしてくれた。
マークの外れた私は、そこからフェイドアウェイでシュート!
ゴール下のディフェンスが伸ばした指先はタッチの差で届かず、綺麗な放物線でボールはリングに吸い込まれた。
巧みなパスをアシストくれた彼女と、軽くハイタッチを交わしてともに微笑んだ。
そこで、授業終了のチャイムが鳴った――。
「お姉ちゃん、カッコよかったよ……」
由那が手渡してくれたタオルは、その肌触りも抜群ながら、爽やかな香りが優しく鼻孔をくすぐる。
「うふふっ、由那の視線が熱いから、ついついがんばっちゃったわよ」
などとじゃれ合いながら、更衣室で今度はまた制服に着替え直す。
「次は、古典かぁ……ちょっとだるいわね」
「へぇ、わたしは好きだよ……?」
さっきの仕返しにと、由那はいたずらっぽく笑った。
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