【幼馴染の過去改変はハッピーエンドで終われるか!?】

久久泉

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【 3章 】

8話 〔31〕

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「なんだか『男か? 女か?』のパラドックスに似てるけど……、それだとお姉ちゃんが女の子で産まれる確率は、およそ三十三・三パーセントだよね……」
「鋭いじゃないの、さすが由那ね。んじゃ、説明できる?」

 シュウと由那のふたりなら、いずれこの結論に至るとは予想していたけれど、まさかこれほどあっさり出てくるとは驚いた。

「えっと、ふたり兄弟姉妹の産まれるパターンは(兄:弟)(姉:妹)(兄:妹)(姉:弟)の四パターンで、いまの問題では、わたしが女の子で確定してるから(兄:弟)のパターンは無くなる……。よって、残り三パターンのうち(姉:妹)となるのは三分の一だから、結論はおよそ三十三・三パーセント。これでいいのかな……」

「その題材を元に、あたしが更に練り直したのよ! 導かれる確率と実際に双子が同性で産まれる結果とが、見事にパラドックスしてるでしょ?」

 私は得意気に胸を張ってみせた。

「未那、いまの論理も実は引っ掛けじゃないか?」
 
 つぶやくシュウの瞳が、ひとすじ流星っぽく輝いて見えた。

「あら、どういう意味?」

「産まれる前の母親のお腹の中では(兄:妹)と(姉:弟)は同じで、産まれた順番だけの違いだから、実質は(女:女)と(男:女)の二パターンしかない! だから答えは、やっぱり五十パーセント。でどうだ?」

「おおっ! なるほど、さすがシュウ君、きっとそうですよー!」

 マリアは胸の前で、ポンッと両手を合わせて、シュウが着目した双子ならではという視点からの答えに、ずいぶんと感心していた。

「そこに気付くとは、シュウもなかなかやるじゃない」
「じゃあ、正解か? よしっ、今日は論破できなかったようだな」

 シュウの満足気なその言葉に、私は不敵な笑みを浮かべてやった。

「でも残念ね、正解は百パーセントよ!」
「えーっ、なんでですか? さすがにそれは無いんじゃないです!?」

  マリアをはじめシュウと由那のふたりも、それには簡単に納得できない。という風に眉をひそめていた。

「最初に言ったでしょ、時間を遡ったのがあたしと由那なら。として、としてでしか産まれないからよ」

 そこまで言うと三人とも唖然あぜんとして絶句する。





 そこからまたひとしきり他愛たあいもない雑談などしながら過ごし、今日はこれで帰宅する流れになった。

「あれ? お姉ちゃん……、荷物それだけ? 体操着は……」

 間際に、私の手荷物がひとつ足りないことに気付いて注意してくれた。

 そうだった。今日は体育の授業があったから、着用した体操着を持って帰って洗濯しないといけなかったんだ。

「そっか、教室に忘れてきちゃったわ」
「へぇ、めずらしくそそっかしいじゃないか」

 今日は考え事が多くてうっかりしていたのは間違いない。
 少々億劫おっくうに感じたけれど、何かあったら余計に面倒だと思って取りに戻ることにした。
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