【幼馴染の過去改変はハッピーエンドで終われるか!?】

久久泉

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【 3章 】

9話 〔32〕

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「あたしは忘れ物を取って帰るから、みんなは先に帰っててもいいわよ」
「わかった。なら僕らはたぶん寄り道して帰ると思うから、何かあったら連絡して」
「オーケー、じゃあね」

 私は三人を見送ったあと、そそくさと自分の教室に戻って、体操着の入ったバッグを手に取った。

「やれやれだわ。んと、ほかに何も忘れてないかな?」

 服の上からぽんぽんと片手を当ててポケットを探る。ケータイ……、ハンカチ、原子時計……。

「…………!?」

 パチン! 手慣れた棋士が盤に駒を指すような……。頭のなかで、大事なひと欠片かけらが綺麗にはまる音がした。
 私はついに理解した……。これはもう確信といっても過言じゃない。

「これよ、パズルは解けたわ!」

 やっぱり……、異変の元凶はこの原子時計しかない。理屈ではわからないけれど、確かにこの原子時計には、得体の知れない秘密があるとしか考えられない。

 昨日のエレベーターでの現象は、私がコレを持っている間に起こった。

 家に帰ってからは机の上に置かれていたので、何も起こらなかったわけだし。
 今日の数々の現象も、すべて私がコレを身に付けている間にだけ起きていた。だから体育の時間は体操着に着替えていたから大丈夫だったんだ……。

 この原子時計には、絶対に感覚を狂わせる作用があるのは、もはや疑う余地がない。

 調べなければならない……。その小さなとっかかりをようやく見つけた。
 でも、それだけではじゅうぶんではない。
 すぐに確かめてみたい……。衝動にかられ、急いで部室へと引き返した。

 期待していなかったが、やはり部室にはもう人影はない。それでも、まだかすかに温度が残る室内に足を踏み入れ明かりを点ける。
 鞄と体操着入のバッグを机に置いて、自分の席に腰を落とした。

 何気なく腕時計を一瞥すると、針は午後の六時三十分を回っているが、それよりもいまは知りたい気持ちが先に立った。

「まだわからないことはあるのよね……」

 昨日の由那には、なぜか何も起こらなかったのも不思議だ。
 四個の原子時計のうち、このDの固体にだけ問題があるのか? それとも私に問題があるのか? もしくはその両方か。

 制服の上着の内ポケットから原子時計を取り出す。

 あらためて原子時計をじっくりと調べてはみたものの、外観からでは特に何の変哲も見受けらない。
 原子時計のケースは底面にある小さなネジ数箇所で締められている。

「ちょっと分解したらダメかなぁ? ダメだとは思うけど……。でもバラしてみたい」

 机に突っ伏して、手の中で原子時計を転がす。

「あっそうだわ! 確かこれに電池が内臓されてるって言ってたわよね……。電池が切れちゃったから交換しようとしたってことにして、一回開けて見ちゃおう」

 迷っていてもらちが明かないので、ここは適当な理由をつけて思い切ってやってみることにした。
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