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2部 生き物達の宴
虹色の鱗
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今日は久々に村に降りるわ。暇だからってサーバルを構い倒しても飽きちゃうし。久々に村に降りたけれど、あまり変わった様子は無いわね。
少し前にカインと行った屋台は驚いたけれど、村には無いのだもの。てくてくと村を見回しながらギルドへ歩いていく。中の人は様変わりしている。
たまにはギルドで依頼を取ってみようかしら?
掲示板に張り出された依頼はどれも簡単ね。あら、一つだけ難しいのがあるじゃない。
『虹色の鱗求む』
虹色の鱗、ねぇ。
在庫も少ないしついでに取りにいこうかしら。私はギルドカードと依頼書を受け付に出す。ギルド員は、
「名前は、魔女さま・・・?えらく古いギルドカードですね。こちらの新しいカードに切り替えますね。虹色の鱗は受付期間は約半年です。では行ってらっしゃい。」
ふーん。半年ねぇ。人間であればギリギリなのかしら。私は転移で東の海にいる大鮫魚をどうやって捕まえようかしら。
不老不死の魚かぁ。カインに食べさせたらどうなるのかしら?あら、考える事がお婆様と同じね。
私は東の海に転移する。
魔力探知で魚を探してみるけれど、目的の魚はいないわねぇ。
丸1日掛かってようやく見つけれたわ。私は指から蜘蛛の糸のような透明な魔力糸を出して大鮫魚に巻きつける。
「掛かったわ!やはり釣りは楽しいわね。ビクビクしているわ!」
引き上げるとそこには虹色の輝きを持つ魚が現れた。意気揚々と自宅まで持ち帰るとそこにはガロンが心配そうに待ち受けていた。
「エイシャ様!どこに行っていたのです。心配しましたぞ。」
「あら、ガロン。もう帰ってきたの?ゆっくりしてくればいいのに。」
「エイシャ様。有難う御座いました。おかげで精霊王様に赦しを貰えましたぞ。そういえば、オリーブは何処へ行ったのですかな?」
「あぁ、オリーブ?彼の所よ。サーバルの息子。」
私は大鮫魚をテーブルの上に置いて1枚1枚丁寧に鱗を剥がしながらガロンと話をしている。
「サーバルの息子ですか。何か問題でもあったのですかな?」
ガロンは取った鱗を丁寧に洗浄してくれる。
「カーサスって言ったかしら。見た目はカインに似て格好いいと思うのよ。中身は、そうね、残念過ぎるというか・・・。
また貴族が反乱を起こして内戦になりそうなのよ。森を燃やされたら堪らないし、オリーブを貸してあげたの。後はカーサス次第ね。カインがいたら怒るかしら?」
「そうですな。オリーブが居ればどんな残念な人間も 少しは 真面になりますな。
オリーブは優しい見た目ですが中身は鮮烈なのでサーバルの息子は5度位は三途の河の辺りを歩くでしょうな。ははっ。」
私は鱗を取り終わると魔法で血を抜き取り、精製する。身はムニエルにして食べてしまおうかしら。骨は粉にして保存ね。魚を処理し終えたので早速納品しに行くかしら。
「ガロンも付いてくる?大鮫魚の鱗納品なの。珍しいでしょう?」
「そうですな。どんな者が鱗を欲しがるのか気になりますな。」
私達は人の姿を取り、納品に出かけた。
「この村のはずれに依頼者は居ると思うの。」
「エイシャ様、あそこでございますな。ぼんやりとですが、家全体に魔法が掛かっておりますな。」
その家は全体的に認識し難いような魔法が施されているわ。
錬金術師の類かしら。
ーコンコンー
「こんにちは。ギルドの依頼品を持ってきたわ。」
しばらくすると扉が開かれた。中から出てきたのは無精髭を生やした大男。
「・・・入れ。」
私とガロンは指示の通りに室内へ入る。1組の椅子とテーブルが置かれていて周りには所狭しと髪飾りやネックレスなどの装飾品が置かれていた。
魔法の効果も付与されている物も多くあるわ。人間にしてはいい腕なのね。
私は席に着くと男はお茶を出してくれた。粗野ながらも美味しいわ。
「依頼の虹色の鱗を持ってきたわ。」
「どれ、見せてくれ。」
髭の男は5枚の差し出された鱗を手に取り訝しげに見ていたが、本物と判断したようで目を細めた。
「これだ、これだ。有難う。長年追い求めていた物だ。報酬はギルドから出るはずだ。」
「少し聞いてもいいかしら?」
「なんだ?」
「この鱗を使って不死身にでもなるつもりなの?」
「いや?不死身の方法は実際には不可能と聞いた事はあるな。俺はこれで髪飾りを作るんだ。さる貴族からの依頼でな。アクセサリーを付けると若返って見えるようにして欲しいとな。」
変身アイテムの一種ね。それで虹色の鱗を使うなんて勿体ないわ。
「それなら虹色の鱗で無くても出来るわよ?本来なら使い方は違うもの。」
私はポケットから赤い魔石を取り出して魔力を込め、魔石の表面に術式を掘り込む。
「これを指輪や腕輪にするといいわ。」
男は驚き、目玉を落とさん位に見開いているわ。魔石なら魔力を込めるだけで何度も使えるし、使い勝手が良いわ。
「貴方、腕は良いわ。精進してね。」
私達はそう告げて家を後にする。男は何か閃いたのかお礼を言った後にぶつぶつと呟き作業に取り掛かる姿が見えた。
きっと職人魂に火が付いたのね。今後が楽しみだわ。ギルドに寄って報酬を受け取ると、その足で家に戻る。
「エイシャ様、あやつもっと成長しますな。」
「えぇ。良い職人になりそうね。楽しみだわ。」
今日は良いものを見つけた良い日だったわ。
少し前にカインと行った屋台は驚いたけれど、村には無いのだもの。てくてくと村を見回しながらギルドへ歩いていく。中の人は様変わりしている。
たまにはギルドで依頼を取ってみようかしら?
掲示板に張り出された依頼はどれも簡単ね。あら、一つだけ難しいのがあるじゃない。
『虹色の鱗求む』
虹色の鱗、ねぇ。
在庫も少ないしついでに取りにいこうかしら。私はギルドカードと依頼書を受け付に出す。ギルド員は、
「名前は、魔女さま・・・?えらく古いギルドカードですね。こちらの新しいカードに切り替えますね。虹色の鱗は受付期間は約半年です。では行ってらっしゃい。」
ふーん。半年ねぇ。人間であればギリギリなのかしら。私は転移で東の海にいる大鮫魚をどうやって捕まえようかしら。
不老不死の魚かぁ。カインに食べさせたらどうなるのかしら?あら、考える事がお婆様と同じね。
私は東の海に転移する。
魔力探知で魚を探してみるけれど、目的の魚はいないわねぇ。
丸1日掛かってようやく見つけれたわ。私は指から蜘蛛の糸のような透明な魔力糸を出して大鮫魚に巻きつける。
「掛かったわ!やはり釣りは楽しいわね。ビクビクしているわ!」
引き上げるとそこには虹色の輝きを持つ魚が現れた。意気揚々と自宅まで持ち帰るとそこにはガロンが心配そうに待ち受けていた。
「エイシャ様!どこに行っていたのです。心配しましたぞ。」
「あら、ガロン。もう帰ってきたの?ゆっくりしてくればいいのに。」
「エイシャ様。有難う御座いました。おかげで精霊王様に赦しを貰えましたぞ。そういえば、オリーブは何処へ行ったのですかな?」
「あぁ、オリーブ?彼の所よ。サーバルの息子。」
私は大鮫魚をテーブルの上に置いて1枚1枚丁寧に鱗を剥がしながらガロンと話をしている。
「サーバルの息子ですか。何か問題でもあったのですかな?」
ガロンは取った鱗を丁寧に洗浄してくれる。
「カーサスって言ったかしら。見た目はカインに似て格好いいと思うのよ。中身は、そうね、残念過ぎるというか・・・。
また貴族が反乱を起こして内戦になりそうなのよ。森を燃やされたら堪らないし、オリーブを貸してあげたの。後はカーサス次第ね。カインがいたら怒るかしら?」
「そうですな。オリーブが居ればどんな残念な人間も 少しは 真面になりますな。
オリーブは優しい見た目ですが中身は鮮烈なのでサーバルの息子は5度位は三途の河の辺りを歩くでしょうな。ははっ。」
私は鱗を取り終わると魔法で血を抜き取り、精製する。身はムニエルにして食べてしまおうかしら。骨は粉にして保存ね。魚を処理し終えたので早速納品しに行くかしら。
「ガロンも付いてくる?大鮫魚の鱗納品なの。珍しいでしょう?」
「そうですな。どんな者が鱗を欲しがるのか気になりますな。」
私達は人の姿を取り、納品に出かけた。
「この村のはずれに依頼者は居ると思うの。」
「エイシャ様、あそこでございますな。ぼんやりとですが、家全体に魔法が掛かっておりますな。」
その家は全体的に認識し難いような魔法が施されているわ。
錬金術師の類かしら。
ーコンコンー
「こんにちは。ギルドの依頼品を持ってきたわ。」
しばらくすると扉が開かれた。中から出てきたのは無精髭を生やした大男。
「・・・入れ。」
私とガロンは指示の通りに室内へ入る。1組の椅子とテーブルが置かれていて周りには所狭しと髪飾りやネックレスなどの装飾品が置かれていた。
魔法の効果も付与されている物も多くあるわ。人間にしてはいい腕なのね。
私は席に着くと男はお茶を出してくれた。粗野ながらも美味しいわ。
「依頼の虹色の鱗を持ってきたわ。」
「どれ、見せてくれ。」
髭の男は5枚の差し出された鱗を手に取り訝しげに見ていたが、本物と判断したようで目を細めた。
「これだ、これだ。有難う。長年追い求めていた物だ。報酬はギルドから出るはずだ。」
「少し聞いてもいいかしら?」
「なんだ?」
「この鱗を使って不死身にでもなるつもりなの?」
「いや?不死身の方法は実際には不可能と聞いた事はあるな。俺はこれで髪飾りを作るんだ。さる貴族からの依頼でな。アクセサリーを付けると若返って見えるようにして欲しいとな。」
変身アイテムの一種ね。それで虹色の鱗を使うなんて勿体ないわ。
「それなら虹色の鱗で無くても出来るわよ?本来なら使い方は違うもの。」
私はポケットから赤い魔石を取り出して魔力を込め、魔石の表面に術式を掘り込む。
「これを指輪や腕輪にするといいわ。」
男は驚き、目玉を落とさん位に見開いているわ。魔石なら魔力を込めるだけで何度も使えるし、使い勝手が良いわ。
「貴方、腕は良いわ。精進してね。」
私達はそう告げて家を後にする。男は何か閃いたのかお礼を言った後にぶつぶつと呟き作業に取り掛かる姿が見えた。
きっと職人魂に火が付いたのね。今後が楽しみだわ。ギルドに寄って報酬を受け取ると、その足で家に戻る。
「エイシャ様、あやつもっと成長しますな。」
「えぇ。良い職人になりそうね。楽しみだわ。」
今日は良いものを見つけた良い日だったわ。
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