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最終章(6年後)

みつきの依頼

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「今夜、一緒にわたしの実家に行ってくれませんか」水曜の昼休み、私がゆめと昼食をとっていると、みつきから電話があった。
「了解、何か準備するものはある?」
「いいえ、何も必要ありません。それから一人できてもらえませんか、パパが、ノンに会いたいと言ってるので」
「わかった。久しぶりだから手土産だけ持っていくね」私は電話を切ると、散歩を兼ねて近所の和菓子店に足を運び、みつきの父親の敏春が好きなゴマあん饅頭を買った。
「みつきさんのお父さんおいくつなんですか、一度だけお会いしたことあるけど」
「若く見えるだろ、もう70歳を越えたころだろ」確かに、敏春は若々しく見える。その秘訣は家族以外に口外することは許されない
「ノン様も若いですよ、特に下半身が」ゆめが私に耳打ちして笑顔を作った…

6時、私は会社から車で20分のみつきの実家に着いた。
「いらっしゃい、忙しいのにありがとう」みつきが迎えてくれた。その後ろに由美、美代子、春樹が現れた
「お久しぶりです」私は由美たちに軽く頭を下げた
「お元気素ですね、敬之さん」由美は相変わらず気品を備えていた。
「いらっしゃい」春樹も笑顔で、美代子の肩に軽く手をあてていた。

敏春はまだ診察が残っているためまだ戻っていなかった。リビングに5人の少女たちと、みつきの二人の妹たちがテレビを観ていた
「お久しぶりです」由美と春樹の娘のみはるとみふゆが声をそろえた。

大家族で夕食を終えると、敏春が戻って来た。5人の少女たちが先に彼を迎えた。敏春は食事の前に話を聞きたいと私とみつきを書斎に迎えた
「パパあのね、驚かないでね」みつきがやや緊張気味に言った
「お前にはもう驚かされることはないと思うが」
「そうですね、いろいろとお騒がせしてます」私も加勢した
「そじゃ、率直に言わせてもらうと、アメリカに永住したいの」
「ほ~う、そう来たか」敏春は笑顔になった
「いいんじゃないか、好きなように生きなさい」
「ありがとう、パパ」
「でも、本当にいいんですか」私は逆に面食らっていた
「敬之君、私は彼女にいろいろと面倒な人生を歩ませてしまった。たける君に会ってから、みつきは真の女性としての本能に目覚めた、そして君や大輔君の子を産んだ。これからの人生はみつきのものだ、私がどうこういう筋合いは無いよ」

「君はみつきがアメリカに行って何をするかは聞いているようだね」みつきが席をはずすと敏春が切り出した
「ええ、私の最初の妻の早紀と同じような活動を」
「そうか、彼女の活躍には私も元気をもらったよ。彼女と同じ道をタケル君が用意してくれるのなら安心だ」
「ありがとうございます」私は深々と頭を下げた
「いやいや、君にはいろいろお世話になっているからね、そうだ、一度私の桃源郷に招待しよう」
「桃源郷?ですか」
「ああ、私の若さの源を君にもおすそ分けしようかな」
「はい、どうすれば」
「土曜の夜、泊まりに来てくれ、もちろん一人で」
「わかりました」ドアがノックされ、みつきが戻ってきた…
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