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最終章(6年後)

景品は…妻

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「それじゃ、先攻はたかしくん」
「はい」たかしは手を上げた
「運動会かよ」ゆうきの突っ込みに一同は笑った
「始め!」私はビデオを構え、ポッキーを両端から食べ始めるたかしとゆめを撮影した
「おお~」ゆうきが期待で声をあげる。ふたりの顔の距離が5センチとなった時、たかしはリタイヤした
「ああ~、だいぶ残してるね~」私は大袈裟に言った
「まだまだ全然大丈夫だよ」ゆめも笑顔で残ったポッキーをたかしの口に運んだ
「よし、後攻ゆうきくん行こうか」
「はい」ゆうきも手を上げた
「だから、運動会か」たかしもノリがよく突っ込んだ

ゆうきは順調に食べ進めた。私はビデオ構えながら掛け声をかけた
「おお、いいぞ、5センチはきってるよ」ゆうは笑みを浮かべている
「おお、やばい」たかしが声をあげた、あと1センチに迫った時、ゆうが一気に食べ進め、ふたりの唇が触れ合い、ゆうきは後ろに飛び跳ねた
「微妙だな~」完全に唇が触れていたが、私はビデオを再生した。4人でモニターを覗き込む
「はい、アウト~」私はわざとおどけて言ったが、すでにフル勃起していた
「俺、初めてかもしれない」ゆうきがぼそりと言った
「ファーストキスってこと」ゆまがおたずらっぽい笑顔で、青年を除き込んだ
「はい」ゆうきは何度もうなずいた
「それじゃ、ちゃんと思い出として残るようにしよう、あなた、撮影お願い」
「了解」私が撮影を開始すると、ゆめは窓の外の夜景をバックに、ゆうきを抱き寄せ、そして唇を重ねた、初めは目を開けていたゆうきもゆっくりと目を閉じた。ゆめの舌がゆうきの唇から押し入った。隣でたかしが、ごくりと唾を飲み込んだ。私は暴発寸前だった…
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