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第一話 オオカミさんに助けられ
※14・春うらら、仲間はなにをするのかな?(狐のルナール視点①)
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バベル封印暦三百八十五年四月。
四月ってことは、要するに春だ。春はいいねえ。
咲き誇る花は綺麗だし、その花に集まる蝶も綺麗だし、着飾るお嬢さん方は花や蝶より綺麗だし。
フォーレ王国の都、商業地区で月に一度開催される青空市を歩きながら、俺は春を満喫していた。
……お、好みの子発見。
「はーい、お嬢さん。俺と遊ばなーい?」
麗しい金の髪の美女は、俺を見てクスリと笑う。
やった、脈あり?
「なにして遊ぶの? 狐狩りかしら?」
「いやーん、狩らないで。尻尾なら貸してあげるから、どうぞモフモフして楽しんでよ」
「うふふ、彼氏が待ってるからまた今度ね」
「また今度いただきましたー、俺ずっと待ってるからねー」
去っていく彼女の背中に手を振る。
人込みの中から舌打ちや狐野郎という声が聞こえてくるけど、気にしない。
実際俺は狐だしね。
俺はルナール。
狐の獣化族。出身はフリュール村で、今の職業は冒険者。
尻尾の大きな赤狐の俺は、獣化を解いても真っ赤な髪のイイ男。
獣化族ってことでバカにされることも多いけど、俺は狐に生まれて良かったと思ってる。
だってね、女の子はみんなモフモフが好きでしょ?
俺なんかふかふかでモフモフで尻尾もフサフサだもん。
それに獣化族じゃない人間より腕力も魔力も強いし。
言うことなしじゃん。
「……!」
ほかにも可愛い女の子いないかなー、と辺りを見回して、俺は思い出した。
俺、人探しに来たんだったわ。
石畳を敷き詰めた大きな道の左右に並ぶ露店に目をやる。
女の子の好きそうな首飾りや指輪が並べられた装飾品地帯だ。
金属製品ってことは鍛冶師が絡むから、武器や防具も近くかな。
狐の俺は鼻もいい。
ふんふん動かしてたら、探し人の匂いを嗅ぎあてた。
人間は楽。獣化族は仲間の嗅覚がいいのわかってるから、思春期過ぎるとハーブとかの匂いで体臭消すんで探しにくいんだよね。
俺は冒険者ギルド赤き刃団に属する仲間で、赤毛仲間でもある男に声をかけた。
「レオン!」
「よお、ルナール」
防具屋の店頭にしゃがんでいた巨体の男が立ち上がる。
男同士だから筋骨隆々とした体に驚くけど、女の子は整った顔のほうに目を奪われるみたい。というか、筋肉の盛り上がった大柄な体に苦笑しながら視線を上げて、端正な顔に魅せられるってとこかな。
女の子って、筋肉男はみんなバカだと思ってるとこあるからねえ。
レオンは燃えるような赤毛を長く伸ばしていて、背中のところでくくっている。
腰には愛用の斧を提げていた。
買った商品を袋に入れて肩にかけたレオンと歩きながら会話する。
「どうしたの、レオン。今買ってた防具、あんたの体じゃ絶対装備できないだろ」
「これは土産用。故郷の自警団仲間にやろうと思って」
「なるほど。ところでレオン、港町にイカ退治に行かない? そろそろデカいのに襲撃される季節なんだと」
「悪いがやめておく」
「そっか。八月の武闘大会に向けて調整するんだな」
レオンは悲しげに微笑んで(この女殺し!)、首を横に振る。
「いや、俺はもう故郷のミーヌ村へ帰るんだ。初めから一年限りの約束だったしな」
「へーそりゃもったいない。あんたなら今年の武闘大会優勝できただろうに。去年も初登場で準優勝だったしな」
「ああ。あの仮面の騎士は強かった。いったい何者なんだろうな」
「え……」
思わずレオンの顔を見つめてしまったが、コイツは極めて本気のようだ。
準決勝で現れた仮面の騎士は開会式の挨拶をした王家の親衛隊長だろ。
仮面つけてても服装は変えてなかったし。
……ま、いいか。
顔が良くて体鍛えてて戦闘強くて頭も悪くないのに、ときどきこうして天然なことを言うのがレオンのいいところだ。
これがなかったら、モテ男め爆発しろ、と毎日思ってるとこだよな。
なにしろ去年の武闘大会で虜になった女の子たちは毎日のようにギルド経営の酒場に来るし、赤き刃団の冒険者女子はコイツが加わる依頼なら分け前が少なくても関わりたがる。
掠れた声も艶があるって人気らしい。
なんかこー女の子惑わす匂いも出してんだと思う。
俺の故郷のフリュール村に連れてったら、姉ちゃんたちが奪い合い始めそう。
というか……コイツ、ちゃんと故郷に帰れんの?
ギルドマスターが手放さないだろ。
だってコイツがいなくなったら、虜女子来なくなって酒場の収入減るし、冒険者女子の気力が落ちて依頼の失敗が相次ぐよ?
俺も目の保養ができなくなるじゃん!
引き止めたほうがいいのかなあ。
四月ってことは、要するに春だ。春はいいねえ。
咲き誇る花は綺麗だし、その花に集まる蝶も綺麗だし、着飾るお嬢さん方は花や蝶より綺麗だし。
フォーレ王国の都、商業地区で月に一度開催される青空市を歩きながら、俺は春を満喫していた。
……お、好みの子発見。
「はーい、お嬢さん。俺と遊ばなーい?」
麗しい金の髪の美女は、俺を見てクスリと笑う。
やった、脈あり?
「なにして遊ぶの? 狐狩りかしら?」
「いやーん、狩らないで。尻尾なら貸してあげるから、どうぞモフモフして楽しんでよ」
「うふふ、彼氏が待ってるからまた今度ね」
「また今度いただきましたー、俺ずっと待ってるからねー」
去っていく彼女の背中に手を振る。
人込みの中から舌打ちや狐野郎という声が聞こえてくるけど、気にしない。
実際俺は狐だしね。
俺はルナール。
狐の獣化族。出身はフリュール村で、今の職業は冒険者。
尻尾の大きな赤狐の俺は、獣化を解いても真っ赤な髪のイイ男。
獣化族ってことでバカにされることも多いけど、俺は狐に生まれて良かったと思ってる。
だってね、女の子はみんなモフモフが好きでしょ?
俺なんかふかふかでモフモフで尻尾もフサフサだもん。
それに獣化族じゃない人間より腕力も魔力も強いし。
言うことなしじゃん。
「……!」
ほかにも可愛い女の子いないかなー、と辺りを見回して、俺は思い出した。
俺、人探しに来たんだったわ。
石畳を敷き詰めた大きな道の左右に並ぶ露店に目をやる。
女の子の好きそうな首飾りや指輪が並べられた装飾品地帯だ。
金属製品ってことは鍛冶師が絡むから、武器や防具も近くかな。
狐の俺は鼻もいい。
ふんふん動かしてたら、探し人の匂いを嗅ぎあてた。
人間は楽。獣化族は仲間の嗅覚がいいのわかってるから、思春期過ぎるとハーブとかの匂いで体臭消すんで探しにくいんだよね。
俺は冒険者ギルド赤き刃団に属する仲間で、赤毛仲間でもある男に声をかけた。
「レオン!」
「よお、ルナール」
防具屋の店頭にしゃがんでいた巨体の男が立ち上がる。
男同士だから筋骨隆々とした体に驚くけど、女の子は整った顔のほうに目を奪われるみたい。というか、筋肉の盛り上がった大柄な体に苦笑しながら視線を上げて、端正な顔に魅せられるってとこかな。
女の子って、筋肉男はみんなバカだと思ってるとこあるからねえ。
レオンは燃えるような赤毛を長く伸ばしていて、背中のところでくくっている。
腰には愛用の斧を提げていた。
買った商品を袋に入れて肩にかけたレオンと歩きながら会話する。
「どうしたの、レオン。今買ってた防具、あんたの体じゃ絶対装備できないだろ」
「これは土産用。故郷の自警団仲間にやろうと思って」
「なるほど。ところでレオン、港町にイカ退治に行かない? そろそろデカいのに襲撃される季節なんだと」
「悪いがやめておく」
「そっか。八月の武闘大会に向けて調整するんだな」
レオンは悲しげに微笑んで(この女殺し!)、首を横に振る。
「いや、俺はもう故郷のミーヌ村へ帰るんだ。初めから一年限りの約束だったしな」
「へーそりゃもったいない。あんたなら今年の武闘大会優勝できただろうに。去年も初登場で準優勝だったしな」
「ああ。あの仮面の騎士は強かった。いったい何者なんだろうな」
「え……」
思わずレオンの顔を見つめてしまったが、コイツは極めて本気のようだ。
準決勝で現れた仮面の騎士は開会式の挨拶をした王家の親衛隊長だろ。
仮面つけてても服装は変えてなかったし。
……ま、いいか。
顔が良くて体鍛えてて戦闘強くて頭も悪くないのに、ときどきこうして天然なことを言うのがレオンのいいところだ。
これがなかったら、モテ男め爆発しろ、と毎日思ってるとこだよな。
なにしろ去年の武闘大会で虜になった女の子たちは毎日のようにギルド経営の酒場に来るし、赤き刃団の冒険者女子はコイツが加わる依頼なら分け前が少なくても関わりたがる。
掠れた声も艶があるって人気らしい。
なんかこー女の子惑わす匂いも出してんだと思う。
俺の故郷のフリュール村に連れてったら、姉ちゃんたちが奪い合い始めそう。
というか……コイツ、ちゃんと故郷に帰れんの?
ギルドマスターが手放さないだろ。
だってコイツがいなくなったら、虜女子来なくなって酒場の収入減るし、冒険者女子の気力が落ちて依頼の失敗が相次ぐよ?
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