余命半年のはずが?異世界生活始めます

ゆぃ♫

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おじさん視点

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川で、魚を取っていると。何かの気配を感じた。
コレは魔物ではない何かの気配だ。

「おい!誰かいるのか!?と気配の方に声をかけると、気の毒なぐらいビックリした様に、「はい!」と勢いよく返事が返ってくる。

笑いそうになったが、堪えながら。
出てきた小さな生き物が何なのかを見てみると、こんな山奥では久々に見た人間だった。
街では、よく見かけるが。
この辺で見かけるのは、エルフか魔物くらいのものだ。

森にあまりにも似つかわしくない格好に驚きながら、さらに声をかけた。

「人間か!こんな所で何をしている」

話を聞いてみるとあまりにも無謀な行為だと、理解し家に着いてくる様にいった。

見るからに、おかしな格好で素っ頓狂な事を言っている少女を放っては置けなかった。

妻に、敬意を伝えると。驚きながらも同意してくれた。
さらに、その少女を見ると。驚きを隠せないといった感じで「あんなにもやせ細って」と呟きながらキッチンに向かって行った。

それを横目にみながら、少女のところにむかて行く。
家の周りには結界が貼ってあるので魔物は入れないはずだ!
なのに、少女の後ろに山犬がいた。

驚きながら、叫ぶと。
少女は、オロオロと説明をする。
本当に奇妙な少女だと思う、今にも死にそうな顔をしながら、山奥だというのに綺麗な服を着て荷物は小さいカバン1つだカバン自体に強い魔力を感じないから…
普通のバックか普通のマジックバックかだ、あの大きさなら大したものは入らないだろう。

それに山犬を従魔にしてしまうとは何者なのか?

隙を少しでも見せたら食い殺しにくるそんなやつだ…首を切り落としても食いつきにくる奴もいる。
契約なんて無理に等しい…

そんな事を考えながら家の中に招き入れる。

妻に、温めているスープの火をみている様に言われたので混ぜながら、少女との会話が気になり、様子を伺っていると。

いろいろ、出してやっている様だ。
俺が連れてはきたものの、えらい気に入った様だ。

悪意を一切感じない、真っ白な感じがして、やってやらないとと思わせる何かがある。

しばらくすると、妻が入ってくる。
ご飯にスープを入れ持っていったのを後ろからそっと覗くと。
食べながら急に泣き出してしまった。オロオロとしていると、妻にあっち行けという感じにキッチンに追いやられてしまった。

仕方なく、俺もスープを食べる。
しばらくすると、妻が来て。
「相当疲れていたみたい、食べたら寝ちゃったよ、アンタ、運んでおやり」と言われ、ダイニングの方に行くと。本当に机にもたれてそのまま寝ていた。

寝顔までが、純粋な天使の様な寝顔をしている。
涙の跡がついていて、どんなに辛い思いをしたのかと心が痛くなる。
涙を拭いてやり。かつて、息子たちが寝ていたベッドに寝かしてやる。

ダイニングに戻ると心配そうな顔をした妻がいた。
「ぐっすり眠っているよ」と報告しこの後どうするか話し合うことにした。

ここに置いてやるのも良いが、すぐにでも街に行きたい様子だった。
「明日にでも街まで連れてってやろうか?」と提案すると、少し考えている様だったが、
「そうね街に行けば、働いたり住んだりする場所もあるだろうし、ギルドに登録して任せておけば様子は見てくれるでしょうしね」

「そうだな」と答え、俺も寝ることにした。

気になり、目が覚めるとまだ日が出ていない時間だったが、起きて。
ひとまずコーヒーを飲みながら落ち着くことにした。
そうしていると、外が少し明るくなってきて、妻も起きてきたので。
朝食の準備は任せ、倉庫に使っていないカバンや、ナイフなどを探しに向かった。

結構埃をかぶっているな、どの辺に置いただろうか?
何個かのカバンを見比べ、何も持っていない様子だったからな、数日は生きれる様にいろいろ入れてやらないといけないからたくさん入るやつにしよう。

ナイフはどれが良いかわからんな…全部箱に入れて持って行くと良いか。

こっちは、子供たちが小さかった時に使ってたナイフだな…
小さかったから、こっちの方がいいだろうか?
と悩みながらも、とりあえずナイフ類は全部出しておくことにする。
あとは、山登りなどに使えるロープに、食器一式に水筒もいるだろうし、鍋も入れて、一応テントもいるだろうか?と思ったが組み立てられるのか?と思い。
木と木に紐を結ぶとテントにできる簡単なものと、寝袋を入れておくことにした。

荷物を、運び終わるとちょうど起きてきた。あとは妻に任せ、朝食をキッチンで済ます。

家を出てしばらくすると、オークが出たオークは大体1個体で活動していて、連れていてもゴブリンのことが多い。

少し油断していた…
後ろからもう1個体現れるとは思っていなかったのだ…

やばい!と思ったが、少女は思った以上に素早く斧を受け止めた。

助かった、と安堵しつつも。前のオークを妻と従魔に任せ、少女の前に立ちオークを倒す。
街まで連れて行こうと、昨日妻と話したのに。途中で死なせてしまったら、元も子もない。

ポーションを飲む様に促し、早くこの場から離れなければ、血の匂いに寄せられてゴブリンが来てしまう。

「さー先に進もう」焦りが、出てしまった。その後も、守りながら進む、というのはなかなか難しいもので、街に近づけばまだ少しはマシになるからと。焦ってしまい少女の様子に気が付かずにいた。

妻がいてくれてよかった。
街まで行くだけでこんなにヘロヘロになっているとは思いもしなかった。
本当によくわからない奴だ、弱いのに素早さがある、おかげでオークにやられなかった。

街に着き、ギルド登録する様に言い。ポーションを売りに行く。一通りの手続きをして、あとは妻に任せ、ギルマスに会いに行く。
ドアをノックする。
「どぞー」と、かるーい返事が返ってくる。

「俺だ、少し見ておいて欲しい奴がいるんだ」

と、すぐに本題に入る。
「おー久しぶりじゃん、なに?なんか面白いのいんの?」
とニコニコしながら、立ち上がりこちらにくる。

「山で少女をひらって」と詳細を言う。
そーいえば名前とか全然聞いてないし言ってないことに今更気がついた。まー名前なんて大したことはないか、てことで、受付に居るであろう少女のところに向かった。

「俺、この辺から見てるから」と、受付が見える離れたところに立ち顎で行けよと言う感じにクイッと、受付の方を見る。

受付の方に向かって行くと、妻も終わっていた様で合流する。

解体場に行き、今後に役立つだろうと手伝いを頼んだが、すごい興味深そうにあちこちを見ている。

そんな感じで、手続きをを終わらせて宿に行き、多分もう会うことも無いかな?
と思いながら別れるのであった。朝にまた会うも知らずに。
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