東村山迷走青年(友情編)

高校二年生の秋、最後の文理選択を控えて藤田秀男は人生の岐路に立たされていた。授業中や試験中にフリシャーの音や鼻水をすする音を過度に気にしてしまう問題を抱えていた秀男は、高校一年生の最初の文理選択では座学で学ぶ文系ではなく、実験などをして身体を動かして学ぶ理系を志望した。その方が身体を動かして学ぶから、座学で学ぶ文系よりも音が気にならないのではないかと思いついたからだった。根っからの文系人間の癖に理系を誤って選択してしまっていた秀男は思い切ってここで文転する事を考えついたが、親友の赤山の助言から「そんなに音が気になるなら大学へ行っても辛いぞ、高卒で就職したらどうだ?」と勧められ、何を血迷ったかプロレスラーを目指す事を決意する。年末の沖縄への修学旅行で当の赤山に初めて「その決意」を伝えたのだったが・・・・。
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