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大也、犯罪忍者対策室と取引する
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日本の忍者の戦闘力はかなり高い。
正直、世界トップの水準だ。アメリカやロシア、ヨーロッパの暗部とも互角以上に戦える。
ましてや草薙部隊は自衛隊で国防の要だ。
寄り合い所帯でも小勢力の強者が多数合流している。
その草薙部隊がロシアの活動資金20億円をパクる為にトーカモの社長、嘉門兵衛をチョメするのにわざわざ外部発注で手塚大也にやらせる事自体、そもそもおかしな話だったのだ。
それに草薙部隊が平気な顔で嘘をつく連中な事も大也は知っていた。
大也は百も承知で引き受けたのだ。
その上で草薙部隊の上前を跳ねたり、それ以上の尻拭いを草薙部隊にやらせるのが大也である。
それが大也と草薙部隊の関係性であった。
◇
その関係の煽りでババを引いたのが犯罪忍者対策室である。
ロシアの忍者キラーが何故か大也を狙って犯罪忍者対策室のアジトまで襲撃してるのだから。
忍者キラーの第1級3人を含む30人編成で襲撃され、犯罪忍者対策室の忍者が防衛に当たるも元々弱い。
「グアアア」
「こんなの無理だろーーギャアア」
次々に殺されて1階フロアを簡単に制圧されたのだった。
3階の取調室に居る海斗が、
「取引だ。昨日の事を不問にするから協力しろ」
「嘘は良くないですね。そんな権限ないでしょ、そちらに。上司の言葉が聞きたいな~」
嫌味ったらしく大也はそう言った。
足元を見て値を釣り上げるのは別に大也に限った事ではない。
世知辛い世の中だ。誰もがやってる。
「チッ、待ってろ」
スマホを手にした海斗に、
「後、出来れば忍者刀もよろしく」
大也はそう言ったのだった。
僅か4分で取引は成立した。
昨日の大也の件は完全免責である。
犯罪忍者調査室が保有する日本刀よりは短い忍者刀を抜いて刃を確認したギャングススタイルの大也が海斗に、
「風使いの忍者に『屋内で戦え』なんて言いませんよね?」
「好きにしろ」
「では」
取調室の窓に忍者刀を振った。
大也は剣術は、まあ、そこそこだ。手塚島では子供達の間で枝を使ったチャンバラや石投げが必ず流行るように仕組まれてるのだから。
手塚島では同世代で一番だったが、沖縄本島では純粋に剣が強い奴に何度も遭遇して大也も自分が『剣が強い』とは自惚れてはいなかった。
それでも『手塚流忍法かまいたち・高速移動(刀振り)』を使えば、視えない速度で忍者刀が振れて、窓とその外側の鉄格子がシュキンッと見事に切断された。
その後、開いた窓から大也は屋上に向かったのだった。
◇
日本の『鬼の血』にはタフさやスピードといった身体能力を高める他に、能力も存在する。
『火や水といった自然系』もあれば『感情に作用する煩悩系』、他にも『疫病や毒系』もそうだ。
『鬼の血』を真似てる『ドーピング・オーガ』も当然、能力が使えたが、使えるのは第1級と第2級の適合者だけだった。
第3級適合者は悲しいかな、能力が使えなかった。
外壁から大也が犯罪忍者対策室のビルの屋上に顔を出した瞬間、銃弾が撃ち込まれた。
慌てて回避しながら屋上に着地するとロシアの忍者キラーの連中が4人も居た。忍者キラーは4人とも特殊素材の黒タイツにゴーグル姿だった。
大也はロシアの忍者キラーとの遭遇は先程の幹線道路に続いて2回目だ。無論、誰が第1級適合者かなんて分からない。
だが、『鬼の血』とは幾度となく対戦した事があった。
相手の能力次第では接近戦も拙い。拳銃を使ってきたから第3級だと決め付けて間合いを詰めるのもお勧めしない。偽装の可能性がなくもないのだから。
そもそも大也は風使いだ。
野外なら断然、中距離戦闘が得意だった。
大也は中距離で忍者刀を振った。『手塚流忍法かまいたち・かまいたち斬り』を使って。振った刃から風の斬撃が飛んだ。
忍者キラー達は特殊素材のスーツの防御力に自信があったのか、回避せずに防御の姿勢を取ったが、お陰で4人全員が大也の放った風の斬撃で輪切りになった。
(オレの風がその辺の風使いと一緒な訳がないだろ)
一瞬で4人が戦闘不能となり、大也は屋上を見渡したのだった。
正直、世界トップの水準だ。アメリカやロシア、ヨーロッパの暗部とも互角以上に戦える。
ましてや草薙部隊は自衛隊で国防の要だ。
寄り合い所帯でも小勢力の強者が多数合流している。
その草薙部隊がロシアの活動資金20億円をパクる為にトーカモの社長、嘉門兵衛をチョメするのにわざわざ外部発注で手塚大也にやらせる事自体、そもそもおかしな話だったのだ。
それに草薙部隊が平気な顔で嘘をつく連中な事も大也は知っていた。
大也は百も承知で引き受けたのだ。
その上で草薙部隊の上前を跳ねたり、それ以上の尻拭いを草薙部隊にやらせるのが大也である。
それが大也と草薙部隊の関係性であった。
◇
その関係の煽りでババを引いたのが犯罪忍者対策室である。
ロシアの忍者キラーが何故か大也を狙って犯罪忍者対策室のアジトまで襲撃してるのだから。
忍者キラーの第1級3人を含む30人編成で襲撃され、犯罪忍者対策室の忍者が防衛に当たるも元々弱い。
「グアアア」
「こんなの無理だろーーギャアア」
次々に殺されて1階フロアを簡単に制圧されたのだった。
3階の取調室に居る海斗が、
「取引だ。昨日の事を不問にするから協力しろ」
「嘘は良くないですね。そんな権限ないでしょ、そちらに。上司の言葉が聞きたいな~」
嫌味ったらしく大也はそう言った。
足元を見て値を釣り上げるのは別に大也に限った事ではない。
世知辛い世の中だ。誰もがやってる。
「チッ、待ってろ」
スマホを手にした海斗に、
「後、出来れば忍者刀もよろしく」
大也はそう言ったのだった。
僅か4分で取引は成立した。
昨日の大也の件は完全免責である。
犯罪忍者調査室が保有する日本刀よりは短い忍者刀を抜いて刃を確認したギャングススタイルの大也が海斗に、
「風使いの忍者に『屋内で戦え』なんて言いませんよね?」
「好きにしろ」
「では」
取調室の窓に忍者刀を振った。
大也は剣術は、まあ、そこそこだ。手塚島では子供達の間で枝を使ったチャンバラや石投げが必ず流行るように仕組まれてるのだから。
手塚島では同世代で一番だったが、沖縄本島では純粋に剣が強い奴に何度も遭遇して大也も自分が『剣が強い』とは自惚れてはいなかった。
それでも『手塚流忍法かまいたち・高速移動(刀振り)』を使えば、視えない速度で忍者刀が振れて、窓とその外側の鉄格子がシュキンッと見事に切断された。
その後、開いた窓から大也は屋上に向かったのだった。
◇
日本の『鬼の血』にはタフさやスピードといった身体能力を高める他に、能力も存在する。
『火や水といった自然系』もあれば『感情に作用する煩悩系』、他にも『疫病や毒系』もそうだ。
『鬼の血』を真似てる『ドーピング・オーガ』も当然、能力が使えたが、使えるのは第1級と第2級の適合者だけだった。
第3級適合者は悲しいかな、能力が使えなかった。
外壁から大也が犯罪忍者対策室のビルの屋上に顔を出した瞬間、銃弾が撃ち込まれた。
慌てて回避しながら屋上に着地するとロシアの忍者キラーの連中が4人も居た。忍者キラーは4人とも特殊素材の黒タイツにゴーグル姿だった。
大也はロシアの忍者キラーとの遭遇は先程の幹線道路に続いて2回目だ。無論、誰が第1級適合者かなんて分からない。
だが、『鬼の血』とは幾度となく対戦した事があった。
相手の能力次第では接近戦も拙い。拳銃を使ってきたから第3級だと決め付けて間合いを詰めるのもお勧めしない。偽装の可能性がなくもないのだから。
そもそも大也は風使いだ。
野外なら断然、中距離戦闘が得意だった。
大也は中距離で忍者刀を振った。『手塚流忍法かまいたち・かまいたち斬り』を使って。振った刃から風の斬撃が飛んだ。
忍者キラー達は特殊素材のスーツの防御力に自信があったのか、回避せずに防御の姿勢を取ったが、お陰で4人全員が大也の放った風の斬撃で輪切りになった。
(オレの風がその辺の風使いと一緒な訳がないだろ)
一瞬で4人が戦闘不能となり、大也は屋上を見渡したのだった。
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