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21.上書き
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防犯グッズはあくまで防犯だ。
「俺が居れば護れるけど一人だと心配する」
繁華街から近い地区は治安は良くない。
「番がいても襲って来る奴は襲ってくる」
最近もβの女性が暴漢に襲われたという情報が流れたばかりだ。
バース性なんて関係ない。
犯罪を犯す奴は誰であろうと犯すのだから。
「····わかった」
昊に説得されて渋々だが洋は頷く。
「····てかさ···」
元番に強姦された記憶のままの身体でいたくないと洋は言う。
「彼奴に触られたところ全部気持ち悪ぃ」
初めて無理やり抱かれた時は番と言う繋がりが出来たことで抱かれる度に悦楽な快楽が勝っていた。
だが、番を解消して昊に出会ってから元番に嫌悪感が現れる様になった。
「·····洋君」
自分の頭を昊の胸に預けて洋は話を続ける。
「ごめん···昊さんと番になったのにこんな事になって····」
微かに洋の声が震えている。
執着されて殴られ罵倒され尊厳を踏み躙られて、どんなに怖くて悔しくて痛かった事だろう。
両手で洋を抱きしめ昊は力を込める。
「····お前のせいじゃねぇだろ?」
むしろ自分勝手に暴走した元番が悪いのに洋が謝る必要なんてない。
自分の大事な番に何してくれたんだと、元番の事を思えば腸が煮えくり返って仕方がない。
「·····本当にお前は何も悪くねぇじゃん」
「··········」
「絶対自分を責めんな」
「·····ぅ···ん····」
昊は洋の頭を撫でながら何度も言う。
気が付けば洋は頬から涙を流していた。
「昊さん」
「ん?」
「上書きして···」
「······本当にいいのか?」
上書きする事で強姦された事をフラッシュバックをしないかと昊は心配していた。
洋に余計な辛い思いはさせたくない。
しかし·····
「俺が良いって言ってんだからしてくれよ」
「····洋君···」
「····お願いだから····」
最後に己を抱いたのがあの男のままだなんて絶対嫌だ。
上書きして欲しいのは己の番だけ。
昊だけなのだ。
「····洋君」
こっちを向いてと昊が言う。
昊に言われるがまま洋は顔を昊に向ける。
「········ん·····」
唇に柔らかいものがあたる。
お互いの唇が当たっただけなのに酷く安心感を覚えた。
自分が求めたものはこの唇だ。
己の名を呼んでくれる口
己を優しく見てくれる瞳
己を優しく触り抱き締めてくれる手
「····っは····昊さ····ん···」
再びお互いの唇が重なり合う。
隙間から侵入してくる舌を快く受け入れ絡めて行く。
唾液が絡まり混ざりどちらのものか分からない程に舌がキスをする。
息苦しくいてそれで気持ちがいい。
昊の首裏に手を回しもっと身体を密着させて堪能する。
「·········洋君」
唇を話せば名残惜しそうにする洋に昊はもう一度あの言葉を言う。
「好きだ」
「俺が居れば護れるけど一人だと心配する」
繁華街から近い地区は治安は良くない。
「番がいても襲って来る奴は襲ってくる」
最近もβの女性が暴漢に襲われたという情報が流れたばかりだ。
バース性なんて関係ない。
犯罪を犯す奴は誰であろうと犯すのだから。
「····わかった」
昊に説得されて渋々だが洋は頷く。
「····てかさ···」
元番に強姦された記憶のままの身体でいたくないと洋は言う。
「彼奴に触られたところ全部気持ち悪ぃ」
初めて無理やり抱かれた時は番と言う繋がりが出来たことで抱かれる度に悦楽な快楽が勝っていた。
だが、番を解消して昊に出会ってから元番に嫌悪感が現れる様になった。
「·····洋君」
自分の頭を昊の胸に預けて洋は話を続ける。
「ごめん···昊さんと番になったのにこんな事になって····」
微かに洋の声が震えている。
執着されて殴られ罵倒され尊厳を踏み躙られて、どんなに怖くて悔しくて痛かった事だろう。
両手で洋を抱きしめ昊は力を込める。
「····お前のせいじゃねぇだろ?」
むしろ自分勝手に暴走した元番が悪いのに洋が謝る必要なんてない。
自分の大事な番に何してくれたんだと、元番の事を思えば腸が煮えくり返って仕方がない。
「·····本当にお前は何も悪くねぇじゃん」
「··········」
「絶対自分を責めんな」
「·····ぅ···ん····」
昊は洋の頭を撫でながら何度も言う。
気が付けば洋は頬から涙を流していた。
「昊さん」
「ん?」
「上書きして···」
「······本当にいいのか?」
上書きする事で強姦された事をフラッシュバックをしないかと昊は心配していた。
洋に余計な辛い思いはさせたくない。
しかし·····
「俺が良いって言ってんだからしてくれよ」
「····洋君···」
「····お願いだから····」
最後に己を抱いたのがあの男のままだなんて絶対嫌だ。
上書きして欲しいのは己の番だけ。
昊だけなのだ。
「····洋君」
こっちを向いてと昊が言う。
昊に言われるがまま洋は顔を昊に向ける。
「········ん·····」
唇に柔らかいものがあたる。
お互いの唇が当たっただけなのに酷く安心感を覚えた。
自分が求めたものはこの唇だ。
己の名を呼んでくれる口
己を優しく見てくれる瞳
己を優しく触り抱き締めてくれる手
「····っは····昊さ····ん···」
再びお互いの唇が重なり合う。
隙間から侵入してくる舌を快く受け入れ絡めて行く。
唾液が絡まり混ざりどちらのものか分からない程に舌がキスをする。
息苦しくいてそれで気持ちがいい。
昊の首裏に手を回しもっと身体を密着させて堪能する。
「·········洋君」
唇を話せば名残惜しそうにする洋に昊はもう一度あの言葉を言う。
「好きだ」
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