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夫の不倫で離婚することになったから、不倫相手の両親に告発してやった。

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先日、夫から「離婚してほしい」と言われた。

青天の霹靂とはこのこと。いきなりのことで、私は何も言えなかった。

「びっくりしたよね。ごめん。でも、離婚したいのは本当だから。君も考えて返事してくれる?」

って夫が言うので、私はなぜ離婚したいのかを訊いてみたら。

「何というか、相性が悪いって言うのかな……。君とは合わない気がして」

と言う夫。

「私はそんなふうに感じたことはないけど」

「俺はそう思ってるの。じゃあ、離婚のこと考えておいてね」

夫は自室へ戻った。


いきなり、離婚と言われて納得出来るはずがない。

私は友達に相談することにした。


喫茶店で会った友達は、

「旦那怪しいよ。何か裏でやってるんじゃない?」

と言われた。

「そうかな」

「そうじゃないかなって思うよ。怪しいなって行動なかった?」

「怪しい行動……。あっ、食事に行く約束してたんだけど、前日に用事があるって断られたわ」

「誰かと会ってたんだよ。一回尾行してみたら?」

私は釈然としないまま、喫茶店を出て友達と別れた。


喫茶店から家までの道を歩いていると、夫の姿が見えた。

「あっ」

と思い、声をかけようとしたのだが、夫はこちらに気付くことなくレンガ造りの建物に入って行った。


なんで?と思いつつ、その建物を見ていると夫が若い女性と出てきた。
私はとっさに物陰に隠れる。

若い女性は夫と腕を組ながら歩いている。

夫が離婚したいのは、これが理由だったんだな。



それから、夫が家に帰ってきてすぐに、

「あなた、付き合っている女性がいるでしょ?」

と問いただした。

「うん。そうだよ」

夫が頷く。

「伯爵令嬢の子なんだ。その子と一緒になりたいと思っている」

と話した。
罪悪感は全くない様子だったので、私はあきれてしまって、

「分かった。離婚しましょう」

と言いはなった。

そうして、私たちは離婚した。




私は伯爵令嬢の家を調べあげて、夫と令嬢の不倫を告発した。

びっくりしたのだが、その令嬢の家で友達が働いていた。
その友達が言うには、令嬢には見合い相手がいて、その相手と結婚すると決まっていたらしい。

それで、令嬢の両親は激怒し、夫とは無理やり別れさせたという。


夫は私の所に乗り込んできて、

「お前のせいで別れることになった!」

とか何とか怒鳴った。

「知らないわよ」

と言って、私はドアを閉めて鍵をした。

それからドアを叩いたりしていたのだが、しばらくして静かになった。


夫は伯爵令嬢と結婚できないだろう。

不倫した奴が幸せになるのは許せないから、ちょっとすっきりした。
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