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伯爵令嬢のロレナの家に、同じく伯爵令嬢のルイが遊びに来た。
互いの両親が友人で、幼い頃から家族ぐるみで交流がある。

今日も、ルイが家に来た時にロレナの母親が、

「ルイさん、お久しぶりね。ゆっくりして行ってね」

と声をかけた。ルイが「お久しぶりです。お邪魔します」と笑顔で応じる。


ロレナとルイは、二階にあるロレナの部屋に向かった。
メイドがテーブルにお茶とお菓子を置く。
ロレナがルイに声をかけた。

「どうぞ、座って」

テーブルを挟んで向かい合うように座る。

「今日はどうしたのよ」

「私、結婚するかも」

ルイがニコニコしながら言った。

「え?!本当に?」 

「ちゃんと決まってるわけではないけど、縁談があって。お相手とお会いしたんだけど、素敵な方でね」

「どんな方?」

「ルシオ侯爵のご令息のユーリー様なんだけど、綺麗な顔をされていてね」

うっとりとした顔で言うルイ。

「美しい方よね。お父様のパーティーに付き添った時に、お見かけしたわ」

「そうなのよ。美しくて綺麗でかっこよくて。お顔だけではなく、お声も良いのよ!」

「良いお相手ね。そんな方と結婚なんて、羨ましいわ」

「ふふ。ロレナはどうなの?」

「私も縁談はあるわよ。だけど、あまり気乗りしないの」

「勿体無い。ロレナは可愛い奥さんになると思うわ」  
そう言って、ルイはロレナの頬をぷにぷにとつついた。   

「ちょっと、やめてなさいよ」
 
ロレナがくすくす笑いながら、ルイの手を抑える。 
ルイも笑っていた。  

夕方頃、ルイは帰っていった。


  
数週間後、ルイが婚約した。
それを聞いたロレナは、ルイにお祝いの贈り物をして、 

「おめでとう」  

と、祝福した。
  



しかし、婚約から一ヶ月後。
ルイの婚約は破棄された。
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