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攻略対象者、全員集合!!!
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「良かったですわ、気が付きましたのね」
傍らにはブロンドの髪を靡かせた美少女がいた。え、アナベル?
だだっ広くてお高そうな家具に囲まれ、大きなベットの上で横たわっている私。
どう見ても宿舎である私の部屋ではないことが判るし、思わず不審そうにアナベルを見つめた。
「こちらは王宮の一角ですわ。ユナさんはひと月ほど眠っていらしたの」
「え、それは、どういうことですかね?」
「伺った話では禁書庫内で魔法が暴走して魔力が枯渇したらしく、御倒れになったのよ」
なんてこったい。あの時全部終わらせてやる! とか思っちゃったもんな。
あまりに腹が立ったから怒りに任せて正気を失ったらしい。
「……それは、お騒がせしました。申し訳ありません」
反省の意を示し、身を起こしながら謝罪していると突然声が聞こえてきた。
「アナベル、どうだ? 上手くいったのか」
うおっ、エリン王子っす。さらにその背後からぞろぞろと現れる人物たち。
カミル、レオナルド、ノア、ジョージ、カイルの攻略対象者全員じゃん!!
久しぶりに拝見する彼らは相変わらずキラキラと輝いていた。
「ええ、おかげさまで皆様のご協力でもって助かりましたわ、ありがとうございます」
アナベルが微笑みながらそれに応えると彼らは彼女を囲み嬉しそうに笑っている。
どゆこと? そして私は何を見せられているのか。ハーレムエンド、再び!
「では皆様、部屋でお待ちくださいね、すぐに参りますから」
用が済んだとばかりにアナベルが促すと対象者たちが少し残念そうな顔をし合った後、待ってるよと名残惜しそうに退出していく。
二人きりになった途端、祈るように私の手を握りしめ、彼女は目を潤ませた。
「やはりユナさんはヒロインですね。今まで何をしても全く反応せずに目を覚まさないので怖かったです。もしかしてと攻略対象者を全員この場に集めたら気が付いたんですよ。ものすごく不安で心細かったので本当に良かった。ハッピーエンドしかない世界のはずなのに悲しいことが起こるなんて嫌ですから」
アナベルって臭わせたのを最後に会ったきりだったけど転生者であることも確実だし、しかも完全に良い悪役令嬢だよね、ホント。
「これで安心できたので失礼しますね。それにライリー殿下にも知らせなければ」
足早に立ち去るアナベルに首を傾げつつ見送った後、入れ違いに銀色の髪を靡かせて部屋に入ってきたのは書庫の主!
「良かった。意識が戻ったようだな。……君は本当に無茶をするから」
傍らに近づいて心配そうな顔を向ける。青い瞳が私を映し出していた。
いつものマント姿でない正装をした凛々しい雰囲気の上、私に触れて唖然となる。
てか、生身? 生きてる? 実体あるよね、今?!
「えっと、あの、すいません。……触れてるのは間違いないですかね?」
意識が戻って間もないからまだ感覚がおかしいのかと思う。
「……ああそうか。君にはきちんと名乗っていなかった。私は現国王の唯一の弟でライリーという。訳あって影を潜めていたのだが、君の緊急事態で気が動転したようだ。元々表舞台に出るつもりはなかったのだが、……思わず」
「……ってことは生きてる人間で間違いありませんよね?」
「ああ、君は私のことを勘違いしているようだったから都合が良いのでそのまま流していたのだが」
すなわち死者ではなかったことが判明。しかも王族で割と歳も近そう。
どうやら血なまぐさい権力争いの末、数多くの王子で唯一生き延びた年若の弟だったから継承権に巻き込まれないように姿を隠してたらしい。
だとしたら私だけ姿が見えてたのは何故なんだろ?
傍らにはブロンドの髪を靡かせた美少女がいた。え、アナベル?
だだっ広くてお高そうな家具に囲まれ、大きなベットの上で横たわっている私。
どう見ても宿舎である私の部屋ではないことが判るし、思わず不審そうにアナベルを見つめた。
「こちらは王宮の一角ですわ。ユナさんはひと月ほど眠っていらしたの」
「え、それは、どういうことですかね?」
「伺った話では禁書庫内で魔法が暴走して魔力が枯渇したらしく、御倒れになったのよ」
なんてこったい。あの時全部終わらせてやる! とか思っちゃったもんな。
あまりに腹が立ったから怒りに任せて正気を失ったらしい。
「……それは、お騒がせしました。申し訳ありません」
反省の意を示し、身を起こしながら謝罪していると突然声が聞こえてきた。
「アナベル、どうだ? 上手くいったのか」
うおっ、エリン王子っす。さらにその背後からぞろぞろと現れる人物たち。
カミル、レオナルド、ノア、ジョージ、カイルの攻略対象者全員じゃん!!
久しぶりに拝見する彼らは相変わらずキラキラと輝いていた。
「ええ、おかげさまで皆様のご協力でもって助かりましたわ、ありがとうございます」
アナベルが微笑みながらそれに応えると彼らは彼女を囲み嬉しそうに笑っている。
どゆこと? そして私は何を見せられているのか。ハーレムエンド、再び!
「では皆様、部屋でお待ちくださいね、すぐに参りますから」
用が済んだとばかりにアナベルが促すと対象者たちが少し残念そうな顔をし合った後、待ってるよと名残惜しそうに退出していく。
二人きりになった途端、祈るように私の手を握りしめ、彼女は目を潤ませた。
「やはりユナさんはヒロインですね。今まで何をしても全く反応せずに目を覚まさないので怖かったです。もしかしてと攻略対象者を全員この場に集めたら気が付いたんですよ。ものすごく不安で心細かったので本当に良かった。ハッピーエンドしかない世界のはずなのに悲しいことが起こるなんて嫌ですから」
アナベルって臭わせたのを最後に会ったきりだったけど転生者であることも確実だし、しかも完全に良い悪役令嬢だよね、ホント。
「これで安心できたので失礼しますね。それにライリー殿下にも知らせなければ」
足早に立ち去るアナベルに首を傾げつつ見送った後、入れ違いに銀色の髪を靡かせて部屋に入ってきたのは書庫の主!
「良かった。意識が戻ったようだな。……君は本当に無茶をするから」
傍らに近づいて心配そうな顔を向ける。青い瞳が私を映し出していた。
いつものマント姿でない正装をした凛々しい雰囲気の上、私に触れて唖然となる。
てか、生身? 生きてる? 実体あるよね、今?!
「えっと、あの、すいません。……触れてるのは間違いないですかね?」
意識が戻って間もないからまだ感覚がおかしいのかと思う。
「……ああそうか。君にはきちんと名乗っていなかった。私は現国王の唯一の弟でライリーという。訳あって影を潜めていたのだが、君の緊急事態で気が動転したようだ。元々表舞台に出るつもりはなかったのだが、……思わず」
「……ってことは生きてる人間で間違いありませんよね?」
「ああ、君は私のことを勘違いしているようだったから都合が良いのでそのまま流していたのだが」
すなわち死者ではなかったことが判明。しかも王族で割と歳も近そう。
どうやら血なまぐさい権力争いの末、数多くの王子で唯一生き延びた年若の弟だったから継承権に巻き込まれないように姿を隠してたらしい。
だとしたら私だけ姿が見えてたのは何故なんだろ?
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