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一章 町外れの教会編
説得の失敗
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前世でイケメンホストをしていた粗末原の第二の人生は、まさかのオークだった。
名がある当たり前の世界を生きて来た粗末原にとって、名がないのはどう呼べば良いのかわからなかったので、オークたちに名前を呼び合うという概念を与えた。
こうして、自身の第二のオークとしての人生をグリムバッシュとして、歩むことを決め、6ヶ月を迎えて成人を迎えたある日、聞き覚えのある国の名、言いようのない不安。
オークは勇敢なる戦士、決して逃げることはない。
だが、オークだって命あっての物種だ。
懸命に説得に当たるグリムバッシュ。
「ゴラム!だから何度も言っているだろう!外の奴らと戦えば死ぬ!せっかく結ばれたロールとの幸せを不意にして良いのか!」
「グリムバッシュ、またその話か。族長の子でオークの王たる器などと育てられて来たお前が何と醜いことだ。そんなだからロールにも振られるのだ」
「そんな話は今はどうでも良い!そもそも、俺はロールのことなんて好きでも何ともない。そう言えば、他の有象無象から相手にされないと利用しただけだ」
「だろうな。そのことがわかっていたからロールは。まぁ、良い。オークの癖に戦士として戦いもせず逃げることを選択する臆病者のお前と話すことなどない。とっとと俺の前から消えろ!」
そう幼馴染として、共に育って来たゴラムにすら門前払いされる始末。
だが、グリムバッシュは諦めない。
1匹でも多くのオークを助けるため。
父が最前線で指揮を取る中、内部のことを任されている母の元へと向かった。
「母さん!本当に外にいる奴らは危険なんだ!何だか分からないけど俺は父さんも母さんも仲間たちも誰も失いたくない。母さん、お願いだ。母さんからも」
「グリムバッシュ。不安な気持ちなのは、理解しましょう。ですがオーク男子たるもの勇敢に戦ってこそです。死を恐れてはなりません。あの人を見習いなさい」
「母さん!オークだって、命があるから先に繋げるんだ!ここで全滅したら誰も父さんと母さんの血を残せなくなる!それは、仲間たちだって同じなんだ!オークだって、逃げて良い」
パチーンとグリムバッシュはミエルに頬をビンタされた。
「母、さん?」
「見損ないました!貴方を産んだ時、私はとても嬉しかった。オークに伝わる噂を目の前で垣間見て、この子はオークの王になるものだと大切に育てて来ました。それが何ですか!臆病風に吹かれて、訳のわからないことをベラベラと!それ以上言うと、ここにいる皆の士気にも関わります!そんなに逃げたいのなら1人で出てお行きなさい!」
グリムバッシュは誰1人説得することができなかった。
そして、逃げることもできない。
オークの住む洞窟は、基本出入り口が1箇所なのだ。
だから、こうするしかなかった。
「何で...誰も...話を...聞いて...くれないんだ!うぅ」
洞窟の掘りかけと見せかけた場所で、グリムバッシュは、仲間たちが惨殺される断末魔を聞きながら、涙を流していた。
「殺せ!オークどもは根絶やしにせよ!」
「ピギャァァァァァァ」
「洞窟内に火を放て!」
「やめろ、このクソやろうどもがぁぁぁ!!!!」
「フン。オーク風情が何を言ってるか分からんが骨はありそうだな。1番骨のありそうな相手はイレーナ姫様に取られてしまったから消化不良だったのだよ」
イレーナ姫?
タールマ帝国のイレーナ姫?
まさか、鮮血姫イレーナ・アイゼンベルクなのか!?
嘘だろ。
ここは、俺が何度も見抜きしたエロゲーの世界『汝のセックスでヒロインに祝福を』の世界だってのか?
いや、イレーナ・アイゼンベルクなんて名前、ファンタジー世界ならありふれている気のせいということも。
いや、もしこの世界がそうだと仮定するなら。
イレーナ・アイゼンベルクは、オークの断末魔を聞くのが特にお気に入りで、数々のオークの洞窟を騎士団を率いて、殲滅。
その際、全身に真っ赤な血を浴びても気にすることがなかったことから味方から畏怖の念を込めて、鮮血姫と呼ばれるようになる。
勇者との出会いは、吸血鬼の王に襲われそうになったところを救われ、勇者を自身よりも強い相手であることを認めて、イチャラブセックスを繰り広げる。
実は、オークを執拗に狙っていたのもオークは戦士として勇敢であることを知って、だったか。
この世界のオークは人間の女を犯さない。
それなのに『汝のセックスでヒロインに祝福を』の世界では、オークが人間の女を襲っていた。
それは何故か、今ようやくわかった。
俺のように仲間の断末魔を聞き続けたオークが居たんだろう。
そのオークは人間を恨んだ。
そして、手始めに男よりも力の劣る女に狙いを定めた。
それも何の力もない聖職者であるシスターに。
そのオークの成れの果ては、俺だ。
『汝のセックスでヒロインに祝福を』の世界の冒頭で、シスタークレアを襲い殺されたオークの成れの果ては、俺なのだ。
危機に瀕した今、俺はこの世界で生きてきたオークとしての記憶を鮮明に思い出した。
そして、決意した。
今度は、上手くやると。
いずれは、勇者よりも力を付け、俺の大切な両親や兄弟や仲間たちを殺したイカれ女こと鮮血姫イレーナ・アイゼンベルクを俺のモノにする。
そのことを第一目標に俺はこの後も断末魔が止むまで1人、地獄のような時間を耐え抜いていた。
名がある当たり前の世界を生きて来た粗末原にとって、名がないのはどう呼べば良いのかわからなかったので、オークたちに名前を呼び合うという概念を与えた。
こうして、自身の第二のオークとしての人生をグリムバッシュとして、歩むことを決め、6ヶ月を迎えて成人を迎えたある日、聞き覚えのある国の名、言いようのない不安。
オークは勇敢なる戦士、決して逃げることはない。
だが、オークだって命あっての物種だ。
懸命に説得に当たるグリムバッシュ。
「ゴラム!だから何度も言っているだろう!外の奴らと戦えば死ぬ!せっかく結ばれたロールとの幸せを不意にして良いのか!」
「グリムバッシュ、またその話か。族長の子でオークの王たる器などと育てられて来たお前が何と醜いことだ。そんなだからロールにも振られるのだ」
「そんな話は今はどうでも良い!そもそも、俺はロールのことなんて好きでも何ともない。そう言えば、他の有象無象から相手にされないと利用しただけだ」
「だろうな。そのことがわかっていたからロールは。まぁ、良い。オークの癖に戦士として戦いもせず逃げることを選択する臆病者のお前と話すことなどない。とっとと俺の前から消えろ!」
そう幼馴染として、共に育って来たゴラムにすら門前払いされる始末。
だが、グリムバッシュは諦めない。
1匹でも多くのオークを助けるため。
父が最前線で指揮を取る中、内部のことを任されている母の元へと向かった。
「母さん!本当に外にいる奴らは危険なんだ!何だか分からないけど俺は父さんも母さんも仲間たちも誰も失いたくない。母さん、お願いだ。母さんからも」
「グリムバッシュ。不安な気持ちなのは、理解しましょう。ですがオーク男子たるもの勇敢に戦ってこそです。死を恐れてはなりません。あの人を見習いなさい」
「母さん!オークだって、命があるから先に繋げるんだ!ここで全滅したら誰も父さんと母さんの血を残せなくなる!それは、仲間たちだって同じなんだ!オークだって、逃げて良い」
パチーンとグリムバッシュはミエルに頬をビンタされた。
「母、さん?」
「見損ないました!貴方を産んだ時、私はとても嬉しかった。オークに伝わる噂を目の前で垣間見て、この子はオークの王になるものだと大切に育てて来ました。それが何ですか!臆病風に吹かれて、訳のわからないことをベラベラと!それ以上言うと、ここにいる皆の士気にも関わります!そんなに逃げたいのなら1人で出てお行きなさい!」
グリムバッシュは誰1人説得することができなかった。
そして、逃げることもできない。
オークの住む洞窟は、基本出入り口が1箇所なのだ。
だから、こうするしかなかった。
「何で...誰も...話を...聞いて...くれないんだ!うぅ」
洞窟の掘りかけと見せかけた場所で、グリムバッシュは、仲間たちが惨殺される断末魔を聞きながら、涙を流していた。
「殺せ!オークどもは根絶やしにせよ!」
「ピギャァァァァァァ」
「洞窟内に火を放て!」
「やめろ、このクソやろうどもがぁぁぁ!!!!」
「フン。オーク風情が何を言ってるか分からんが骨はありそうだな。1番骨のありそうな相手はイレーナ姫様に取られてしまったから消化不良だったのだよ」
イレーナ姫?
タールマ帝国のイレーナ姫?
まさか、鮮血姫イレーナ・アイゼンベルクなのか!?
嘘だろ。
ここは、俺が何度も見抜きしたエロゲーの世界『汝のセックスでヒロインに祝福を』の世界だってのか?
いや、イレーナ・アイゼンベルクなんて名前、ファンタジー世界ならありふれている気のせいということも。
いや、もしこの世界がそうだと仮定するなら。
イレーナ・アイゼンベルクは、オークの断末魔を聞くのが特にお気に入りで、数々のオークの洞窟を騎士団を率いて、殲滅。
その際、全身に真っ赤な血を浴びても気にすることがなかったことから味方から畏怖の念を込めて、鮮血姫と呼ばれるようになる。
勇者との出会いは、吸血鬼の王に襲われそうになったところを救われ、勇者を自身よりも強い相手であることを認めて、イチャラブセックスを繰り広げる。
実は、オークを執拗に狙っていたのもオークは戦士として勇敢であることを知って、だったか。
この世界のオークは人間の女を犯さない。
それなのに『汝のセックスでヒロインに祝福を』の世界では、オークが人間の女を襲っていた。
それは何故か、今ようやくわかった。
俺のように仲間の断末魔を聞き続けたオークが居たんだろう。
そのオークは人間を恨んだ。
そして、手始めに男よりも力の劣る女に狙いを定めた。
それも何の力もない聖職者であるシスターに。
そのオークの成れの果ては、俺だ。
『汝のセックスでヒロインに祝福を』の世界の冒頭で、シスタークレアを襲い殺されたオークの成れの果ては、俺なのだ。
危機に瀕した今、俺はこの世界で生きてきたオークとしての記憶を鮮明に思い出した。
そして、決意した。
今度は、上手くやると。
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