前世粗チンの俺が勇者の引き立て役で殺される巨根オークに転生した話

揚惇命

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一章 町外れの教会編

帰ってきて1ヶ月と2回目の出産

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 グリムバッシュとクレアの子供が産まれて1ヶ月が経過した。
 多産が常のオークとしては出産は珍しく一頭だけだったがこれは母体が人間の女であったことが考慮されたのだろう。
 しかし、成長は通常のオークの4倍で、娘も1ヶ月で、大人のような見た目へと成長し、言葉遣いだけがまだ子供のような状態であった。

「ととしゃま~。かかしゃま~。みててくだしゃい。ひーるでしゅ!」

 目の前で娘の行う光景を見れば、俺の判断は何も間違いがなかったと断言できる。
 俺たち仲の良い兄弟姉妹と違い、ウラクルの産んだ子供たちは、ヤンチャ揃いで、兄弟同士の喧嘩が絶えなかった。
 だから、この通り擦り傷も多い。
 それを俺とクレアの娘レアリムがこの通り治してるのだ。

「えっへん。けんかしてもレアリムがなおしちゃうのでしゅよ!」

 これには、喧嘩していたウラクルの子供たちもレアリムをまるで女神様のように崇めていたのかと思いきや。

「レアリム、サンキュー。これで、試合続行じゃオラァ!」

「はっ?テメェの負けは負けなんじゃゴラァ!」

 まるでヤンキーのような口調で罵り合うウラクルの子供たち。
 俺は叔父に父と目をかけてくれる相手が居たが、彼らには父は居ないが叔父は。

「そこまでにしてろ馬鹿ども!」

 ズゴッグの拳骨がウラクルの子供たちに突き刺さる。

「イッテェ。ズゴッグ叔父さんが1番強ぇ」

「なら2人がかりだ!」

 そう喧嘩するほど仲が良いという言葉もある。
 この2人は、より強い相手にはこうして連携を取り合うのだが、相手がズゴッグではまだまだ。

「テメェらガキンチョどもに俺が負けるかよ。もっと精進しろ。それが強いオーク戦士の道だからよ!」

「「はい!」」

 ウラクルは2頭の男児と3頭の女児を産んだ。
 3頭の女児たちは、何をするのも一緒というぐらい仲が良いのだが、2頭の男児はこの通り、毎日喧嘩ばかりしている。
 俺はこっそりと2頭の甥っ子に理由を聞いたことがある。
 この2頭の甥っ子は、お互いを高めあってるだけなのだ。
 母に似て温厚な妹たちと母を守るために強くあろうと。

「グリム~、皆んな~ご飯だよ~」

 あれ以来、夜以外は俺よりもウラクルの手伝いをするようになった俺の推しの声だ。

「今日の訓練はここまでだな。2人とも、訓練の後はいっぱい食べるんだぞ」

「はい。族長叔父さん!」

 そう。
 俺は甥っ子たちから敬意を込めて族長叔父さんと呼ばれている。
 そして、俺の推しは、また大きくなったお腹を押さえて。

「あっ。ウラクルさん、陣痛キタかも?」

「えっ!?ええっ!?今っ!?今なのっ!?」

「う、うん」

「みんなはご飯食べてて!ナユルは、お湯と綺麗な布を持ってきて!」

「合点承知よウラクル姉様!」

 ウラクルの言葉にナユルが勢いよく飛び出していく。

「で、今回もグリムバッシュ兄様は、できれば立ち会いたいのよね?」

「う、うむ」

 そう前回の時は推しが初産というのもあり、側で手を握っていた。
 だが、俺はオークから人間の男に転生し、またオークへと転生したのだ。
 オークは、子供が産まれる時立ち会うことはない。
 オーク女性が1人で産むのが常なのだが。
 人間としての知識がある俺は、できれば我が子の誕生は側で見守りたいのだ。

「わかったわ。付いてきて」

 ウラクルは子供を産んでからというものおどおどとした態度がすっかりとなくなり、物をはっきりというようになった。
 子を産む母は強しとはよく言ったものだ。
 オークも人間と同じような呼吸法があったことに前回驚いたが今回もその呼吸法で、我が子が産まれたのだが。

「でかした!でかしたぞクレア!」

「グリムバッシュ兄様、煩い!えーっと、今回もおちんちんは無いわね。それと次が出てくる気配は、無い。おめでとうクレアさん、女の子よ」

 ウラクルに注意を受けたがそんなのは気にしない。
 我が子の誕生は喜ばない親など居ないのだから。
 俺の推しは、前回の時はかなり疲れていたようだが今回は2回目というのもあり、呼吸も割と落ち着いていた。

「つい、1ヶ月前に産んで、また出産だなんて、オークって大変ですね」

 そうだった俺の推しは、これがオークの常だと思っているんだった。

「クレアさん、オーク女性の妊娠期間は四ヶ月で、一回の出産で4頭から5頭が通常で、多い人は1日で12頭産んだ人がかつて居たそうよ」

「そ、そうなんですか!?じゃあ、私って変なのでしょうか?」

「クレアさんの場合は、きっと母体への影響を極力落とした形の出産が一頭なのだと思うわ。それにオーク女性以外でオークを出産できるってことが既に凄いんだもの。そんなに卑下しないで。グリムバッシュ兄様の子を産んでくれてありがとう。これからも頼りにしてるわね」

「は、はいウラクルさん」

 ウラクルの優しい言葉に俺の推しは目頭を熱くしていた。
 そんな状況を邪魔したのは、珍しくカログだった。

「グリム兄。ウラクル姉、今いいかな?」

「えぇ、クレアさんも落ち着いてるし大丈夫よ。畑で何かあったのカログ?」

「畑は全然問題ないよ。ここじゃ、ちょっと話せないことで」

「そう。ナユル、クレアさんのこと少しお願いね」

「ウラクル姉様、合点承知よ!私に任せといて~」

「うむ。クレアよ。暫し、弟のカログと話してくる。本当によくやってくれた。今宵の夜も楽しみにしているぞ」

「まぁ。アナタったら。早速、エッチなんだから」

「ハッハッハ。では、行ってくる」

 こうして、俺はカログとウラクルと共にこの場を後にするのだった。
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