前世粗チンの俺が勇者の引き立て役で殺される巨根オークに転生した話

揚惇命

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一章 町外れの教会編

カログの策

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 俺とウラクルはカログの後を付いて、畑エリアのすぐ近くにあるカログが自室としている畑の管理室へと入った。

「グリム兄さんにウラクル姉さん、出産を邪魔してごめんね」

「良いのよ。前回は人間の女性が産むということもあって、あたふたとしたけど慣れて仕舞えば、オーク女性と変わらないもの。それに私たちを増やす協力をしてくれてるのだから可愛い妹みたいなものよ。例え義姉に当たるとしてもね」

 そうなのだ。
 だからウラクルは、クレアのことを『義姉』とは呼ばず親しみを込めて『クレアさん』と呼んでいるのだ。

「謝るなカログよ。いつもは空気を読むお前にしては珍しい、何かあったのか?」

「うん。今回のことで、はっきりしたことがある。グリム兄さんは、やっぱり正しかった。レアリムの今がそうでしょ。ズゴッグ兄さんは、レアリムのお陰で傷ができる程度のことなら無茶できてるし、それはナユルにも当てはまってる。だからグリム兄さんには、今後も使える人間の女をできれば説得して、穏便に捕らえて貰うのが良いと思ったんだ。でもそうなるとグリム兄さんの不在が増える。そこで、家長はグリム兄さんのまま、洞窟内での取りまとめ役を新たに置くのが良いかなって、それをウラクル姉さんにお願いしたいって考えてるんだけど、どうかな?」

「私に異論は無いわ。カログが言うのならそれが1番良いのでしょうし。グリムバッシュ兄様が許可していただけるのなら取りまとめ役に就任しましょう」

 成程。
 確かに俺が目星をつけてる女候補は結構いる。
 何れも勇者の祝福を受ける予定のものだが、クレアの件で、勇者からヒロインを奪うことができることは証明されている。
 なら、次も恐らく可能だろう。
 他者に脅かされず両親と仲間達を殺したタールマ帝国に勝つためには、まだまだ戦力も圧倒的に足りない。
 それこそ、前線に立つオーク戦士も居なければ、指揮官としてまともに機能できそうなのも現状ズゴッグとナユルだけだ。
 戦となればカログは全体を見渡す軍師とならなければならないし、温厚なウラクルはどちらかというと非戦闘員の避難誘導や戦闘員たちのための兵站係がメインとなるだろう。
 推しのクレアは、回復魔法が使えるのだからそれこそウラクルの補佐として、傷ついた兵たちの回復がメインとなる。
 現状、俺が目的を忘れていたのもあって、推しのクレアと俺とクレアの娘が2頭とウラクルの息子が2頭と娘が3頭の合計1人と7頭の人手が増えただけだ。
 まだまだこんなので、総兵力10万はくだらず遠征に1万の軍勢を軽く派遣できるタールマ帝国に勝つことなど不可能に近い。
 カログの言う通り、俺が外に出て人手を増やし、ウラクルが内部をまとめるのが効率的と言える。
 それに、次に狙いたい女の目星は付けている。
 勇者パーティに加わることになるツンデレロリ魔女っ娘だ。
 俺の目論見通りクレアと交わることでオークプリーストが誕生した。
 ならばロリ魔女っ娘と交わることでオークメイジが産まれるかもしれない。
 だが、クレアのお腹で光る淫紋、ここではオーク紋と言おう。
 あれがお互いの心が通い合ったからという理由で浮かび上がったのだとすれば、次のツンデレロリ魔女っ娘は強敵だ。
 クレアの時は、変装して人間として潜入できたが、あのツンデレロリ魔女っ娘は、そうはいかない。
 なんだって、海の怪物と称される大王烏賊《クラーケン》の触手に捕まるんだよなぁ。
 まぁ、エロファンタジーにはお馴染みの触手プレイ要員として用意されたのがツンデレロリ魔女っ娘というわけだ。
 当然、戦いは海の上となり、空も飛べない状況では勝つことすら困難、そうすると俺は怪しい着ぐるみを着た人間を装える状況にはない。
 即ち、オークのままツンデレロリ魔女っ娘を助けないといけないわけだが。
 冒険者でもあるツンデレロリ魔女っ娘からしたら大王烏賊も俺も魔物で討伐対象なんだよなぁ。
 どうしたものか。

「ウラクル姉さん、ありがとう。グリム兄さん?」

 黙り込む俺を見てカログが心配そうに見つめる。

「すまない。少し考え事をしていた。俺も異論は無い。俺がいない間の全権をウラクルに一任しよう」

「グリム兄さん、ありがとう。考えて込んでた人を連れてきてくれることを期待してるよ」

「なっ!?ゴホン。うむ。善処しよう」

 俺はカログの勘の良さに驚いがすぐに咳払いして取り繕った。

「カログ、あまりグリムバッシュ兄様を驚かせちゃダメよ。グリムバッシュ兄様の居ない間は、クレアさんのことも私にお任せください」

「うむ。オークプリーストが必要であれば、カログかズゴッグの種を付けるが良いと言ってやりたいところだが、クレアは俺の番だ。許せ」

 勿論、クレアが他の男と寝るなど例え弟でも嫌なのだが背に腹は変えられない。
 俺がいない間もオークプリーストを増やしてもらわねばと思っての提案だったがやっぱり、俺の中の粗末原猛が拒否していた。

「そんなこと許可したらグリムバッシュ兄様のことを殴り飛ばしていました」

「グリム兄さん、僕は人間の女に興味無いよ。あっ!オークの女性なら大歓迎だけどね」

 そうか逸れたオーク女性を見つければ、カログとズゴッグで増やせるのか。
 ウラクルはこう見えて一途。
 従兄のトング以外と子を作る可能性は低いと見た方が良い。
 ならばナユルに、いやあれも自分より強いオークじゃないと嫌とか言ってたな。
 どちらもハードルは高いか。
 それに引き換えて、ズゴッグとカログであれば、オーク女性に種を付けて、増やしてくれるか。
 俺が頻繁に家を空けることが確定した以上、今のうちにオーク量産化の計画は立てておきたい。

「わかった。先ずは、ズゴッグとカログのため戦果から逃れたオーク女性が居ないか近場の洞窟を回ってみよう」

「グリムバッシュ兄様、私のことを気遣ってくれてるのなら心配は無用よ。好きな人との子は繋いだもの。他に気に入ったオーク男子が居たら喜んで寝るわ」

「ウラクル、良いのか?」

「えぇ。私だって、父さんと母さんやトングの仇は討ちたいもの。でも残念ながら私には力がない。子供たちに無事に帰ってきてもらいたいけどそこはグリムバッシュ兄様やカログにズゴッグ、ナユルに任せるわ」

「わかった。では、俺は暫くは近場の洞窟を捜索する。あらかた、探し終えて、誰も見つからなかった場合は、他の人間の女を連れ帰る遠征に向かうとしよう」

 俺の言葉にウラクルとカログが頷いて、作戦会議は終了する。
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