魔族に転生したので魔族の頂点を目指したいと思います!

揚惇命

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最終章 第二幕

第25話 人魔戦争(枝垂桜海洋国家編)

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 枝垂桜海洋国家で盟主を務める織田武は、眼前に迫り来るビースト連合を静かに見つめていた。
「(ほほぅ。やはり獣よな。突撃だけか。つまらん)伊達と真田に合図を送れ、左右挟撃にて敵一陣の退路を断て」
「はっ」
 伝令が伊達と真田に合図を送る。
「おっ合図みてえだな(幸岳そっちも上手くやれよ)」
「さて行くぞ。敵第一陣の退路を断つ。俺に続け(政茂、合わせてくれよ)」
 真田と伊達の若武者2人が率いる部隊の強襲により、ビースト連合の第一陣は大混乱に陥る。この第一陣の指揮を担っていたのは象族を率いるエレファントムであった。突撃に定評のある象族の突進攻撃にて、蹴散らそうと力技に出たのが間違いだった。左右挟撃により大混乱に陥る象族たちがどんどんと討たれる。この状況にエレファントムも狼狽えるばかりであった。第一陣は対峙した相手が引き、それを追う形で深く深くへと踏み込んでしまったのだ。そうある男によって。この状態となる少し前に戻る。その男は織田武に呼び出されていた。
「盟主殿が呼び出すとはさてはおもしろきことでもありましたかな」
「うむ、島津よ。ビースト連合と戦となる」
「ほぅ、ようやくあの獣人至上主義などくだらぬことを申すところをぶちのめせるのですな」
「うむ。獣人至上主義など捨てさせ、この後の両国の融和のためにもこの戦負けられぬ。島津よ、敵の第一陣は象族のエレファントムらしい。上手く釣り出すのだ」
「ガハハ。あの突撃するだけしかできぬ輩など釣り出して、挟撃にて完膚なきまでにしてやりましょうぞ」
「うむ。挟撃には真田と伊達の2人の若武者を遣す。こき使ってやれ」
「お任せくだされ」
 この男の名を島津鬼弘しまづおにひろと言う。鬼人の如き武と策謀にて博打を好む男。ビースト連合相手に撤退するばかりでもう第二陣と合流することができないところまで引き込み伊達と真田の挟撃と反転した島津によって、エレファントムの第一陣は大混乱となり、エレファントムも終わりの時を迎えていた。
「こんな馬鹿なことがあるわけがないんだパオン。落ち着け落ち着くのだパオン」
「無駄じゃ」
「飛んで火に入る夏の虫ってな」
「武士の意地見せつけるは今」
 島津と伊達と真田に囲まれたエレファントムはその中でも老人である島津に狙いを定め突撃した。
「ほぅこのワシを選ぶか。ガハハ。舐められたもんじゃ。だが残念だったのぅ。このワシは、盟主殿に仕えて1番長い。それは即ち、踏んだ場数の差が歴然じゃ。この大馬鹿者が」
「ヒィー。そんなオイラの突撃が素手で止められるなんて、ありえないんだパオン」
「ガハハ。こんな突撃。殿が今川を降伏させた時の突撃に比べたら天と地ほどの差じゃ」
「クソーーーーーーーーもう一度突撃だパオン」
「何度来ても同じじゃ馬鹿者」
 島津はエレファントムの角を掴むと持ち上げて、ひっくり返して地面に叩きつけた。
「流石、鬼のおっさんだぜ」
「あれは喰らいたくは無い」
「ほれどうした。終わりかほら早く起き上がらんか」
「グググ。離せパオン。なんて馬鹿力なんだパオン。生えある第一陣を任されたのにこんなの無いんだパオン」
「泣き言ばかり申しておっても、お前の命はもうわしの手中じゃ。どうする降伏するか?それともまだ刃向かうか?好きな方を選ぶと良いぞ」
 鬼の形相にて睨みを聞かせる島津に完璧に萎縮してしまったエレファントムは、抗うことを諦めるわけもなく。最後の抵抗を見せる。ジタバタである。エレファントムの巨体から繰り出されるジタバタによる衝撃波という名の揺れが襲う。
「ほほぅ。これは面白い。ワシ相手に大博打に出るか。良いぞ良いぞ」
「鬼のおっさん楽しみすぎだろ」
「政茂、我らは象族をあらかた討ち取った。後は島津殿に任せて一旦引こう」
「あぁ、了解だ」
 伊達と真田が部隊をまとめて引くのを見届けた島津は揺れのせいで一旦離したと見せかけて、起き上がったエレファントムと対峙する。
「流石にこの揺れには耐えられなかったパオンね」
「ガハハ。おめでたいやつじゃのう。お前には降伏する機会を与えてやったのじゃ。それを断ったということは命の保障は無いということじゃ。伊達と真田を巻き込むわけにはいかんからなぁ」
「強がりをいうなパオン。この突撃で殺してやるパオン」
 エレファントムの突撃の構えに対して島津がカウンターの姿勢を取る。
「そんな構えでオイラの突撃は止まらないパオン」
「ガハハ。安心せい。止める気などない」
 島津のその言葉通り、突撃をしたエレファントムが2度と口を開くことはなかった。エレファントムの突撃を利用した一点集中の拳カウンターにより、エレファントムは物言わぬ肉の塊となったのだ。
「うむ。少々やりすぎてしまったわい。久々すぎて、加減できんかったようじゃ。すまんのう大馬鹿者よ」
 エレファントムの残骸を見た。他の象族は戦々恐々となり、逃げ出そうと試みるが、その時には既に伊達と真田がまた周りを囲んでいた。
「おいおい、どこいこうってんだよ」
「何処にも逃がさん」
 これに完全に諦めた象族は降伏することを決意するのであった。
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